古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

スペインひるね暮らし     中丸明

2022-12-04 02:32:34 | 本の紹介

文春文庫      1997年

 

「マイナー」な作家にもこんないいエッセイ風な作品を書く

 

人がいたんだ、と少々驚きをもっている。

 

スペインに日本に妻と子供を残し、単身、旅をしていく。なんて

 

悪いヤツ、それに、寿毛平らしい。なんともけしからんやつだ。

 

だから、おもしろい。スペインをこよなく愛し、ビジャルバに住

 

んでいる。

 

こういうさすらいの自分の居場所を探す系の本を読むと、必ず、ジ

 

ャック・ケルアックを思い出してしまう。ところどころに本人が

 

描いたのか、いい挿絵があった。本人は、残念なことに2008年に

 

亡くなっている。表現が追い付いていないところもあるが、53歳

 

という歳にしては瑞々しく描かれている。ぜんぜん、枯れていない。

 

あと、ぼくは二年ある、ぜんぜん、いけんじゃねえ、と勇気をくれた。

 

      (読了日 2022年11・26 17:30)       

 

コメント
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