一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』 ……榮倉奈々に逢いたくて……

2014年12月10日 | 映画
クリスマスが近づいてくると、
クリスマスを題材にした映画が見たくなる。
クリスマスを扱った映画は、
これまで、たくさん制作されてきた。
思いつくままに挙げてみる。
まずは、タイトルに「クリスマス」の文字が入っているもの。

『クリスマス・ツリー』(1969年)
『戦場のメリークリスマス』(1983年)
『クリスマス・キャロル』(1984年)
『クリスマス・キャロル』(2001年)
『八月のクリスマス』(1998年)
『8月のクリスマス』(2005年)
『7月24日通りのクリスマス』(2006年)
などなど。
タイトルに「クリスマス」の文字がないものでは、
『三十四丁目の奇蹟』(1947年)
『34丁目の奇跡』(1994年)
『あなたが寝てる間に』(1995年)
『ダイ・ハード』(1988年)
『君は僕をスキになる』(1989年)
『めぐり逢えたら』(1993年)
『ラブ・アクチュアリー』(2003年)
などなど。
昨年(2013年11月22日)公開された、
『すべては君に逢えたから』(←クリック)もそうだった。

そして、今年(2014年)、
『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』という作品が公開されている。

山下達郎の名曲“クリスマス・イブ”を基に、
中村航が執筆した小説『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』が原作で、
相葉雅紀、榮倉奈々、ハン・ヒョジュ、生田斗真などが出演している。
『ジョゼと虎と魚たち』(2003年)や、
『メゾン・ド・ヒミコ』(2005年)で著名な、
犬童一心監督作品。

私の好きな榮倉奈々が出ているし、
山下達郎が音楽監修を務め、
劇中楽曲の選曲を行っていると聞いていたので、
ぜひ鑑賞したいと思った。

漫画家になる夢をあきらめず、書店員としてはたらく光(相葉雅紀)は、


世界的な照明アーティストのソヨン(ハン・ヒョジュ)と偶然出逢い、
彼女を“運命の人”と思い込む。


幼なじみでオブジェ作家の卵の杏奈(榮倉奈々)に相談するが、
なんと、ソヨンと杏奈は仕事仲間だった。
光の片想いを応援する杏奈。
だが、彼女自身も子供の頃から光に秘めた恋心を抱いていた。


一方、光は、
大学時代の同級生で、売れっ子漫画家の北川(生田斗真)と再会したのだが、
彼がソヨンの元恋人だと知ってしまう。


すれ違う4人の片想い。
そんなとき、光にしか見えない相棒のデビクロくんが現れ、語りかける。
「すべてがゼロになったら、大切なものだけが残る。やっと見つけたんだろ?」


クリスマス・イブの夜、
デビクロくんが魔法をかけたとき、
光たちの片想いに、素敵な≪奇跡≫が舞い降りる……


ベタすぎる内容で、
物語自体には、それほど驚きはなかったが、
私としては、榮倉奈々に逢いに行ったので、
彼女の出演シーンも多く、
その意味では、大満足の映画であった。


私が映画で榮倉奈々を初めて見たのは、
『僕は妹に恋をする』(2007年)だった。
以降、
『東京公園』(2011年)
『アントキノイノチ』(2011年)
『のぼうの城』(2012年)
『図書館戦争』(2013年)
などを見てきたが、(タイトルをクリックするとレビューが読めます)
それほど演技が上手いというわけでもないし、
これまで出演した映画が超傑作というワケでもないのだが、
彼女には独特の存在感があり、
どの出演作も印象深いものにしている。
それは本作でも変わらなかった。


今後、
『娚の一生』(2015年2月14日公開予定)
『図書館戦争 THE LAST MISSION』(2015年10月公開予定)
などの出演作が控えていて、
『娚の一生』の方のポスターが公開されたのだが、
豊川悦司が榮倉奈々に足キスしているという、
ちょっとショッキングなものであった。


西炯子の人気漫画『娚の一生』が原作で、
原作ファンの間で有名な(足キス)シーンらしいが、
果たして、どんな映画になっているのか、
ハラハラ、ワクワク、ドキドキしながら、待ちたいと思う。(コラコラ)


『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』に戻って、(笑)
この映画には、ハン・ヒョジュも出演している。
昨年(2013年)、『王になった男』(←クリック)を見たとき、
私はこのブログに次のように書いている。

ドラマ『トンイ』『華麗なる遺産』などで人気の女優であるが、
二人の王の愛を受ける王妃を、とても魅力的に演じていた。
透明感のある美と、妖艶さをも併せ持ち、
泥沼のような欲にまみれた政治家や役人のなかにあって、
清浄な白い蓮の花のようであった。


あのときの印象のままに、
本作でもその美しさは変わらなかった。
榮倉奈々とハン・ヒョジュとの、
美の競演を見ることができただけでも、
この作品を見る価値はあったと思う。


女性の方々は、
相葉雅紀くんと、


生田斗真くんの美を楽しんで頂きたい。


この映画は、
山下達郎の配偶者・竹内まりやの“すてきなホリデイ”で始まり、
THE RASCALS“A BEAUTIFUL MORNING”、
THE ASSOCIATION“CHERISH”、
CAROLE KING“SOME KIND OF WONDERFUL”など、
1960年から1970年代の海外のクリスマスソング6曲が途中で流れ、
クライマックスでは、
当然のことながら山下達郎の“クリスマス・イブ”が、
そして、エンディングでは、
竹内まりやが歌う“THE CHRISTMAS SONG”と、
山下達郎が歌う“HAVE YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS”が、
メドレーで流れる。
物語もさることながら、
音楽を存分に楽しませてもらった。


山下達郎の“クリスマス・イブ”(CHRISTMAS EVE)は、
1983年12月14日に発売された通算12作目のシングルで、
以降、毎年末に季節限定商品として、
カラー・ヴィニール、ピクチャー・レーベルと趣向を変えてリリースされ続けた。
当初はオリコンシングルチャート最高位44位だったが、
1988年、JR東海「ホームタウン・エクスプレス(X'mas編)」のCMソングに使用されたことで知名度が上昇。


1989年12月にはオリコンシングルチャートで、30週目のランクインで1位を獲得。
以降、毎年クリスマスの時期が近づくと、
定番曲としてチャートで浮上するようになり、
1991年にミリオンを突破、
2013年の時点で累計185.1万枚を記録している。

山下達郎の“クリスマス・イブ”にのせて繰り広げられる映画としては、
山田邦子、斉藤由貴、加藤昌也(現・加藤雅也)、大江千里などが出演した、
25年前のラブコメ『君は僕をスキになる』(1989年11月3日公開)を思い出すが、
『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』もまた、
山下達郎の“クリスマス・イブ”が流れる映画として、
長く人々の記憶に残ることであろう。


12月4日、
『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』の大ヒット御礼舞台挨拶に登壇した際、
相葉雅紀は、

うちの親父も見に行ったそうで、だいぶキュンキュンしたらしい。
「榮倉(奈々)さんのファンになっちゃった」って言ってた(笑)


と明かし、会場の笑いを誘ったとか。
また、観客から寄せられた感想文を読んだ犬童監督は、

奥さんについていって泣いてしまった旦那、
娘に付き合わされたお母さんたちが、
思いがけず感動してくれているのがうれしい。


と語っている。
若者向けの映画と早合点せず、
中高年の皆さんにも十分に楽しめる映画になっているので、
映画館にぜひ足を運んでほしい。

クリスマスまで、あと2週間。
あなたはどんなクリスマスを迎えることだろう……

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