今から11年前の1997年に、私は一冊の本を読んだ。
当時、少しばかり話題になった本なので、あるいは憶えておられる方があるかもしれない。
ジョン・クラカワー著『荒野へ』というノンフィクション作品だ。
《1992年4月、ひとりの青年がアラスカ山脈の北麓、住むもののない荒野へ徒歩で分け入っていった。
四か月後、ヘラジカ狩りのハンターたちが、うち捨てられたバスの車体のなかで、寝袋にくるまり餓死してい . . . 本文を読む
ネット仲間と三俣山に登った日、雨ヶ池で見たヤマラッキョウの群落が、今も脳裏に焼きついている。
華やかさはないが、なんとなく好もしく思う花である。
あの日、私が、「ヤマラッキョウって、佐賀県ではあまり見ないなぁ~」と言ったら、
「黒髪山系に咲いてるわよ」と、そよかぜさんが教えてくれた。
雨ヶ池のヤマラッキョウはもう終わりかけていたが、黒髪山系ならまだ咲いているかもしれない。
今朝、寝床で、私はグズグ . . . 本文を読む
《この愛は理解されなくていい。やっとあなたという人に巡り会えたのです》
《究極の愛が行き着いた、衝撃の結末》
『接吻』という映画の存在を知ったのは、古湯映画祭(9月13日~15日)でだった。
傍らに置かれたパンフレットを手にしたとき、冒頭のキャッチコピーが私の目を射抜いた。
小池栄子の無表情な写真。
「接吻」の大文字。
接吻……なんと古風な響きがあることか……
現代では死語に近いこの言葉をあえて . . . 本文を読む
《午後3時……なにかするには遅すぎて、なにかするには早すぎる時間……奇妙なひととき》
学生時代にサルトルの『嘔吐』を読んでいた時、そのなかに確かこういう文章があった。今、手許に本がないので正確ではないかもしれないが、大意は間違っていない筈だ。
午後3時……本当に《奇妙なひととき》だ。
なにかするには遅すぎて、
なにかするには早すぎる。
私は昔からこのエアーポケットのような《奇妙なひととき》が好きだ . . . 本文を読む
ネット仲間のkazuさんから、「天山のムラサキセンブリを見てみたい」との要望があった。
以前、天山に登った時に探したけれど、どうしても見つからなかったとのこと。
それではと、不肖私が、ガイドを買って出た。
kazuさんからは、以前より、八幡岳への同行登山も依頼されていたので、こちらにも午後から登ることにした。
今日(16日)は素晴らしい晴天。
きっとkazuさんの日頃の行いが良いからだろう。
上宮 . . . 本文を読む
からつ労山の10月の月例山行は「祖母山」。
いつもは第3日曜日に実施されるのだが、今回は第2日曜日の10月12日と、次の日の祝日(体育の日)の連休を利用しての山行となった。
本当は昨年9月に計画された山行であったが、台風の影響で中止になった。
台風シーズンなので、「ひょっとしたら今年も……」と心配していたが、週間予報では両日とも晴れ。
台風の心配はないようなのでホッとした。
私にとっては、初めての . . . 本文を読む
10月4日(土)・5日(日)に、ネット仲間が集まって「坊ヶつるテント泊で満天の星空と早朝朝駆け登山を楽しもう会」というのをやりますので、タクさんも参加しませんかと、そよかぜさんからお誘いを受けた。
いつもは土曜日は仕事をしている私であったが、ある事情で今週は土日連休を取っていた。
テント泊は、今年5月に屋久島縦走して以来なので、久しぶりにテントで寝てみたいと思い、「ぜひ参加させて下さい」と返信した . . . 本文を読む