現在、佐賀市立図書館の富士館で、「原初枝回顧展」が催されている。
原初枝と聞いて、どんな人物かを即答できる人は、ほとんどいないのではないだろうか?
実は私も知らなかった。
地元紙の文化欄に載った回顧展の紹介記事を読んで、原初枝なる少女歌人が佐賀にいたことを初めて知った。
原初枝(1894~1912)は、佐賀県武雄町の生まれで、富士町古湯出身で警察に勤務する父・龍橘(りゅうきつ)の転勤に伴い、佐賀 . . . 本文を読む
山友と賑やかに山を歩くのは楽しい。
山岳会の仲間と、
ネット友だちと、
私はよく連れだって山へ行く。
しかし、また、
私は度々ひとりで山に入る。
山友と一緒に山に行くのと同じくらい、私はひとりで山を歩くことを好む。
どちらが好きということではなく、どちらも好きなのだ。
15年前に徒歩日本縦断をした時、
「ひとりで歩いていて寂しくないの?」
とよく訊かれた。
ひとりで歩いていると、なんだか寂しそう . . . 本文を読む
青春時代に見た映画は、強烈な印象を残す。
中でも、中学、高校時代に見た
『ロミオとジュリエット』(1968)
『いちご白書』(1970年)
『おもいでの夏』(1971年)
の3作は、今でも私の心の中で特別な作品として輝いている。
それは、3作が特に映画として秀でた作品であった……というワケではない。
作品的に優れた映画は他にもたくさんあった。
なぜにこの3作が強く印象に残っているかといえば、そ . . . 本文を読む
今日も正午までに佐世保へ行かなければならない。
いつもは午前中を利用して山に登るのだが、今日は美術展に行ってきた。
からつ労山の仲間・Yさんから招待状を頂いていたのだ。
第22回平和美術展が唐津市近代図書館で開催されるので、ぜひお越し下さいと――。
今から15年前の1995年、徒歩で日本縦断をした。
とにかく歩くことが好きで、日本の端から端までを歩いてみたいと思ったのだ。
1995年の夏から秋に . . . 本文を読む
からつ労山の10月の月例山行は、くじゅうの大船山。
第三日曜日の10月17日(日)は紅葉にはまだ早いかなと思っていた。
ところが、ネット仲間から、御池の周囲は紅葉しているとの嬉しい情報が……
期待に胸をふくらませて参加した。
午前5時に唐津を出たマイクロバスが、5時50分に多久IC入口に到着。
ここから乗り込むのは、今回は私ひとり。
参加者は私を含め20名。
マイクロバスの定員ギリギリの23名の . . . 本文を読む
山と溪谷社の『新・分県登山ガイド』シリーズが、現在、順次改訂されている。
『新・分県登山ガイド 佐賀県の山』は2006年9月に出版されたが、このほど本書も改訂版が出た。
表紙は、旧版の御船山から天山に替わった。
(旧版) (改訂版)
御船山は山の形に特徴があるが、佐賀県を代表する山とは言い難く、天山の写真に差し替えになったのは至極当然という気がする。
ちなみに、旧・旧版は牧ノ山であった。 . . . 本文を読む
ひと頃、脱北者を扱った映画が話題になっていた。
見た人の誰もが感動の涙を流したという。
プロパガンダ的(監督は否定していたが)な映画は、安全地帯にいて鑑賞すると気持ちよく涙を流せるのだが、立場が入れ替わると途端に流せなくなる。
この手の映画の危うさはそこにある。
あの映画を見た人の多くが、
〈あんな国に生まれなくて良かった〉
という感想を抱いたと思うが、もし映画の舞台が終戦前の日本だったらどうだろ . . . 本文を読む
今日は日曜日だが、午後から用事がある。
午前中だけの登山となった。
目的の山は、自宅から車で1時間ほどの登吾留山。
この時期、ダンギクとサクラタデの群落が目を楽しませてくれる。
朝6時過ぎに家を出る。
やや薄暗い。
天気予報では「晴れ」と言っていたが、雲が多く、小雨もぱらつく。
途中、パン屋さんに寄って、できたてのパンを購入。
カツサンド、ピザパン、菓子パン、それにオレンジジュース。
日曜日の朝は . . . 本文を読む
せんべいをバリバリ音をたてて食べながら、
或いは、大きなお腹をボリボリ掻きながら、
或いは、大きな口を開けてアクビをしながら、
〈タクさんは今日は山ではなく映画に行ったのか~〉
などと呟いている、あなた、
そう、あなたのことです。
もはや、若く美しかった頃の面影もなく、
ただの疲れ切っているおばさん、
或いはおじさん。
そんなくたびれているあなたも、
高校生くらいまでは、
ピュアで健気な女の子、
. . . 本文を読む
八幡岳の自然観察会。
毎年、春と秋に催されるこの観察会を、私はことのほか楽しみにしてる。
数年間に初めて参加した時、私は八幡岳について何も知らなかった。
何度か登ったことはあったが、
〈車道が山頂まで延びているつまらない俗な山〉
というのが、八幡岳に対する私の正直な印象であった。
だが、自然観察会に参加して、天山にも負けないほどの貴重な多くの植物があることを知り、仰天した。
〈これほど魅力的な山だ . . . 本文を読む