四方を山々に囲まれた会津盆地の北西に位置する「喜多方市」。その会津盆地を形成する北の一辺を担っているのが、喜多方の酒の源「飯豊連峰」です。 秋の実りの時期に真っ白な雪化粧を始める飯豊山は、初夏までその雪を残し、雪解け水はゆっくり時間をかけて平地へと注いできます。喜多方市はその良質な伏流水を使った味噌・醤油・清酒の醸造業が盛んで、中でも清酒醸造蔵数は人口比で全国トップクラスという酒処でもあります。全国新酒鑑評会や福島県の鑑評会、さらには世界的なコンテストでも多数の受賞歴を誇る喜多方の酒は、地元だけでなく全国的にも頷ける美味しさです。
喜多方の酒蔵「大和川酒造店」は、江戸時代中期の寛政二年(1790)創業以来、九代にわたって酒を造り続けてきました。変わることのない清冽な飯豊山の伏流水を仕込み水として使用し代々の杜氏の一途な心意気によって「弥右衛門酒」をはじめとした銘酒を生み出してまいりました。
「大和川酒造店北方風土館」を訪れました。
入ってすぐに入るのが「江戸蔵」、江戸時代に建てられた一番古い土蔵です。一階の天井には長い梁があり、大雪の降る会津喜多方の厳しい気候にも耐えることのできる作りが垣間見えます。
平成二年に新工場「飯豊蔵」に移転する前までは酒造りの作業場として使用していましたが、現在は昔の酒造りに使用したさまざまな道具(桶、酒舟、ビン等)を展示しており、当時の酒造りを思い起こすことができます。
そして次に見れるのが「大正蔵」、大正時代に建てられた蔵。現在は当社のさまざまな商品を展示しております。もともとは出来上がった酒を貯蔵するタンクが壁一面に並んでいました。蔵造りの特徴としてその断熱性が挙げられますが、実際にこの蔵に入ると外気を寄せ付けない暖かさを感じることができます。四季を通じて温度の変化があまりなく、夏は涼しく冬は暖かい造りとなっております。
「大正蔵」は酒を貯蔵するには絶好の環境であり、これも先人たちの残した知恵なのです。
「大和川酒造店」では、使用する酒造好適米は、早くから自社田や契約栽培農家で収穫された無農薬、減農薬無化学肥料の良質な米に切り替えました。自社の田んぼやそば畑を耕し、いのちを育む「農」の世界にも挑戦しております。
昭和四年に建てられた蔵の「昭和蔵」、平成2年より新工場に移ったため、今現在は各種イベントに使われるファーメントホールとして利用されています。主にコンサートや講演などに幅広く使われていますが、蔵の壁は音が良く反響するために、生音の楽器による演奏には好条件の構造であります。かつてはピアニストのCDのレコーディングなども行われておりました。文化的・社会的に広く使われており、一般の方にも貸し出しをしております。
又、ファーメントホールの2階には天空回廊のカフェがあります。喫茶でも楽しめれるところです。
見学コースを一通りご覧いただきましたら最後が、利き酒コーナーです。売店と併設している場所で、平成2年に造りの場所を飯豊蔵に移した際に、利き酒コーナー兼売店として改装いたしました。以前は「大正蔵」の下屋(げや)で、瓶詰作業場として活用していた場所となります。
ここでは10種類以上の「弥右衛門酒」を無料で試飲することができ、定番商品や季節限定の生酒、リキュールなどを味わって頂けます。
続く、、、
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