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「東アジアの論理」岡本隆司

2024年07月01日 07時47分47秒 | 読書(台湾/中国)


「東アジアの論理」岡本隆司

P23
「中国革命の父」というのは、「革命」を推し進めた国民党・共産党の生みの親だからである。台湾では「国父」と称するし、大陸でも「孫中山」といい、決して「孫文」と諱を呼び捨てにはしない。

P39
朝鮮王朝は500年以上つづいた、東アジアで最も長持ちした王朝政権で、そのモデルはおそらく、同じ時期に成立した中国の明朝である。

P107
そもそも儒教は、人間の上下関係を是認するところから出発した教理であり、それを哲学まで高めたのが朱子学である。そのため上下の区別をことさら強調した。エリートは非エリートがいないと存在しえないからである。
陽明学は朱子学をつきつめるところから生まれながら、はっきりと朱子学の経典解釈を批判した。王陽明の思想はむしろ区別・差別を否定する、逆の方向に展開したのである。

P108
陽明学は近世の日本にも、大きな影響を与えた。大塩平八郎や吉田松陰は、最も著名な人物だろう。(中略)
それに対し、陽明学を蛇蝎のように嫌ったのが、朝鮮王朝である。

【ネット上の紹介】
強権的な姿勢を強める習近平政権、慰安婦問題や徴用工判決で悪化する日韓関係…。中国や韓国は同じ「漢字・儒教文化圏」に属すと言われるが、日本人にはわからないことだらけだ。日本には日本の立場がある一方、両国にもそれぞれ固有の思考・論法があり、それを理解するには歴史をひもとくのが最善である。本書は、近年の時事的な話題を切り口に、歴史的アプローチから日本・中国・韓国の違いを知るためのヒントを示す。
1 歴史から見た中国政治
2 皇帝制度と指導者論
3 中国経済を見る眼
4 中華意識と儒教的世界観
5 韓国の論理
6 日本の対中観と対外観
7 東アジアと日本の運命
8 歴史学の役割

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