大府市議会議員 たかばとくこ の日々

2007年、政治の素人が議会に飛び込んでみました。

野犬の一生。

2012-05-26 23:58:58 | 日常あれこれ
野犬化した野良犬について、友人議員のブログに手を焼いている様子が書かれている。

純血種の野生の犬というのは存在しないので、もとは飼い犬が飼育放棄や遺棄されて野犬化する、あるいは、そうして野犬化した犬の子孫だ。
友人議員が動物保護管理センターとどのように連携しているかはわからないが、知多地区の動物保護管理センターの子犬の譲渡犬のほとんどは、凶暴になる前に保護した野犬の仔だ。野犬がいるところに捕獲器をかけたり、子犬をかくしている場所を見つけて、親犬がいない間に保護してくるらしい。
成犬になると警戒心も強いし力もあるし足も速いしで、そう簡単にヒトに捕まることはない。
まだ、親犬から「ヒトは怖い」と教え込まれる前の仔のうちに保護すれば、凶暴化することもなくヒトにもなつきトレーニングしてしつけることもできる。だから、仔犬の保護をして、親犬は天命果てるまで待つしかない、のが現状。
とはいっても、野犬は、ケガや病気のケアをしてもらえるわけでもないし、栄養状態だって管理されたドッグフードのようにはいかないから、丁寧にケアされる家庭犬よりは寿命が短いと思うのだが。
保護した野犬の仔は、ヒトに慣れさせてから、飼い主募集に出され譲渡される。飼い主に名乗りをあげる人は順番待ちのような状態とのこと(といっても、一時期よりは手を上げる人は減っているそう)。
しかし、保護が遅れ、親犬から警戒心を教わった後になってしまうと、見かけはコロコロと愛らしい仔犬の姿をしていても、保護してしばらくは子犬どうし団子になって飼育職員を遠巻きに見る、職員のそばには寄ってこない、という状態になり、この時期を早く脱しないと、大きくなってからでは飼い主として手を上げる人が減ってしまう。
ともあれ、こうして仔犬を保護しては飼い犬にすることで、ネズミ算のように代々増えてしまうことのないように尽力するしか、できることはないのが現状。

さて、冒頭の、手を焼いている友人議員の地区では、成犬の野犬で被害が出ているそうで。
捕獲器をしかけているらしい。

人馴れの見込みのない成犬が保護された場合、ほぼ間違いなく殺処分となる。
被害が出ている現状、飼い主が存在しない、捕獲後に人馴れして家庭犬になる可能性はゼロに等しい、
動物保護管理センターとて、助けられる命は助けたいし、譲渡の可能性のある個体はできるだけ譲渡に向けてがんばるけれども、野犬は手のつけようがない。
野犬が人馴れして家庭犬になるのは、相当にレアケースといっていい。
処分されるまでの数日間を、センターのオリの中で、伏せて警戒心を解くことなく過ごしてその日を迎えることになる。雨露はしのげるが、冬は寒いまま暖房はない。食べることは困らないが。

人目につくところに出れば厄介者として追い回され、エサをくれる人も頭をなでてくれる人もなく、自分で食い扶持をさがし生きている彼ら。
もちろん、安心して家庭犬として暮らした記憶がないなら、それで不満も寂しいも何もなく、そういうものとして生きているのだろうけど、
ガスによる殺処分を迎えれば、追われることも嫌われることも飢えることもない。



彼らの犬としての一生は、どうなんだろう。

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