大府市議会議員 たかばとくこ の日々

2007年、政治の素人が議会に飛び込んでみました。

【23年6月議会】文化交流の杜契約 反対討論 全文

2011-07-01 12:02:17 | 議会
討論の原稿を掲載します。
前日までに用意しているので、当日の他の方の発言を聞いて内容を加除することがありますが、原稿のまま掲載しますので、当日の変更点は書き加えられていない状態のものです。

(原稿転載 以下)
議案33号 特定事業の契約について

 反対の立場で討論いたします。討論に先立ちまして、当会派は議案に対する賛否を全て100%一致させることを旨としておらず、事前に話し合ったうえでどうしても賛否が割れるものについては無理に統一しないこととしておりますことを申し上げます。
 大府市が健康都市であるために、心の健康もひとつの大切な要素であるとしても、将来的な財政負担が過大であり、政策的な優先順位とコストのバランスを欠いている点、3次総合計画で設置の方向性を示されてからその踏襲・延長上だけで議論されており時勢にあった必要性の再検証がなされてこなかった点などをもって、設置は認められないとして、おおぶ文化交流の杜の設置について私は初日に反対をしております。しかし、議員の皆様方の多くが積極的に設置を認める旨の討論とともに賛成され、議会の決定としては設置をすることとなりました。その、多数による決定は議会の構成員として受け入れねばならないと理解しております。
 そこで、この議案で判断すべき点は、「この相手先からこの内容でこの価格でサービスを購入してよいか」という点にあるとして審査した結果、やはり契約は認められないと考えたものです。なお、ここでいうサービスは、施設の建設整備も含めたものとご了解ください。
 より効率的によりよいサービスを市民に提供するために、民間活力・専門的なノウハウを活用すること自体は一定有効であると考えております。BTO方式により施設完成をもって施設所有権が市のものとなる点、それが果たして大規模修繕のリスク管理も民に移管することより効率的であるのかは疑問が残るところもありますが、典型的な日本版PFIとして見るならば、当市の契約形態が他のPFI先例と比して大きく誤っているとも思われません。また、指定管理として施設管理運営のサービスを購入することについては、ビルメンテナンスを専門とする企業、イベント企画やプロモーションを専門とする企業、図書館管理運営を専門とする企業などの共同体に託していくことは、行政職員がそれらの専門知見や経験をそもそも要求されていないことからも、適正であり市民の受益は大きくなるものと考えます。
しかしながらどうしても認められないとするのがサービス購入価格であります。繰り返しになりますが、この103億4539万1648円という金額は、市の経営全体から見て、政策的な優先順位とコストのバランスを欠いております。契約に基づき購入するサービスは、市が予め示した要求水準によるものであり、その水準に対する適正な価格であるとするならば、市の身の丈以上の要求を設定しているとしか考えられません。文化や市民の交流に対して、お金で買えないととらえる向きもありますが、市民からの税金を投じる以上、その使途を厳しく監視することも市民から信託を受けた私の責務であります。
 施設の設計から15年間の管理まで託していく以上、施設単体としてのモニタリングは当然のこととしても、この巨額を投じ核となる施設を整備することで、健康都市の推進に明確に寄与することがこの計画の命題であります。それに対し委員会での質疑では、利用しない市民も含め市民全体の心の醸成にいかに寄与できるかの評価軸を想定してきていないことが明らかとなったことも、設置者の責務の自覚が不足したまま要求水準をつりあげた疑義をもちました。
以上のことからこの額面でもって契約することは認められないと結論し、反対の討論といたします。