★口福厨房★

中国エンタメ☆うちごはん☆日々のできごと

恋するトマト~クマインカナバー

2006年08月07日 | 電影
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両親と3人で暮らす、45歳の野田正男(大地康雄)。
農家の長男ゆえに嫁をもらえず、今度こそはと思った景子(富田靖子)との縁談も
破談になってしまった。その後フィリピンパブで働くリバティ(ルビー・モレノ)
と付き合い、結婚式を挙げるためにフィリピンへ向かうも、
待っていたのは結婚詐欺という辛すぎる現実。
失意に沈んだ正男は、数年後、フィリピンでやくざまがいの仕事に就いていた。
そんな彼は、ある日、故郷の風景に似た農村で稲刈りをする
クリスティナ(アリス・ディクソン)と出会う。
彼らの収穫を手伝ううちに、正男は失った農業への情熱を取り戻していく。

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名脇役としていつも主役を食うほどの存在感を見せる大地さんを
よく目にはするものの、そのむさくるしい風貌ゆえ(失礼
『トマトを育み、愛を育んで大きく実らせる』という
ラブストーリーってどーなん!?大丈夫なん!?と、半信半疑だったのですが、
そのオヤジ味ゆえに『農家の長男』はハマリ役で
演じている、というより実在する人物に見えてくるほど!
献身もカッコつけてるキレイ事に見えず、彼独特の優しさや、
不器用な一生懸命さがひしひしと伝わってきて、
人間の魅力は容姿ではなく生き様、というコトを証明してくれます。

クリスティナ役のアリス・ディクソンも美人なうえに、表情が素晴らしい。
彼女が微笑む、彼女が歩く、彼女が農作業する。それが美しい。
心の美しさが表情と動きに出る、という感じ。
そんな二人の気持ちが美しい自然の中で、少しずつ寄り添っていく過程は
感動的で、『オヤジの純愛』に何度も泣きそうになりました。
素敵で濃密な作品で、日本映画もすてたもんじゃない!と実感できる傑作です!!

それにしても、『食べ物をつくる』という人間にとって一番大切で
尊い仕事をしている人たちが抱える、嫁不足と後継者不足という問題が
想像以上に厳しかったことに衝撃を受けました。
つい最近、日本は『先進国の中で食料自給率が最低』で
将来、食糧不足に陥ることは避けられない、というコトを知ったのですが
この作品は『これからの日本をどうするのか』それも問いかけています。
泣いてばかりいられないゾ。

Spirit~霍元甲

2006年07月27日 | 電影
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病弱だった少年は、やがて成長し天津一の格闘家となるが、
その傲慢さゆえに恨みを買い、家族に向けられた凶刃によって
悲劇のどん底に落ちていく。いくつもの苦悩と、数知れない戦いの果てに、
彼を待受けていたのは歴史に残る大舞台。史上初の異種格闘技戦だった。
全世界から集まった屈強な男たち。会場に渦巻く興奮と野望。
しかし、彼の胸にある思いは、勝者の栄光を掴むこととはまったく無縁の
静かにたぎる情熱だった…。

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中国の至宝、功夫皇帝と讃えられる李連杰(リー・リンチェイ=ジェット・リー)
彼のアクションは力強いのにしなやかで美しくて、
『見惚れていたらエンディング』ってくらい
時間を忘れて惹き込まれるのですけど
この作品を最後に「アクションは封印する」と断言しているだけに
過去に見た彼のどの作品よりも、生き生きとしていると同時に
全身全霊を込めているように感じました。

さらに、アクションだけに的を絞った従来のカンフー映画とは違って、
武道の精神(スピリット)に目覚め、その精神を広めようとしていく
主人公の内面がきちんと描かれていたり、
当時の民族風習文化が非常に細かく表現されていて、
作品としてもとてもよかったと思います。

私は実在する主人公「霍元甲(フォ・ユァンジア)」をよく知らないので
この作品が彼の自伝なのか、フィクションてんこもりなのかは
分からないのですけど
「強さ」だけを求道するあまり「武道」の崇高さに気づかず、
取り返しのつかない過ちを犯してしまった彼が、その後、
自分を見つめ直し、本当の“強さ”の意味を悟ってゆく過程には
グッとくるものがありました。
哀愁を漂わせる連杰にヤられる日がくるなんてーっ><
連杰も演技が巧くなったもんだ(笑)

&公開時には、主題歌を配給会社が差し替えて、大論争が巻き起こりましたが
DVDでは元通り、周杰倫の曲になっていてよかったー♪
この作品のエンドロールに「日本語」が聴こえてきたら雰囲気ブチ壊し!
余韻もへったくれもないっちゅーねん

玲玲の電影日記~梦影童年

2006年07月06日 | 電影
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映画を観ることを唯一の楽しみに北京で働く青年ダービン(夏雨)は、
ある日、自転車で転んだ拍子に見知らぬ若い女に頭を殴られてしまう。
警察に連行されたその女は、あろうことか金魚の世話をダービンに託し
部屋の鍵を手渡す。やむを得ず向かった部屋で目にしたのは、
壁一面を覆う映画のポスターやスターのピンナップ、そして一冊のノート。
どうやら彼女の日記らしいが、ページを繰るうちにダービンにとって
懐かしい風景が甦るのだった…。

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中国好きの私は、『文革前後の厳しい時代+家族愛』という映画に滅法弱い。
このテーマはいやが上にも人生の厳しさ、やるせなさを連想させるけれど
主人公は貧困や差別に負けることなく、前を向いて生きていく。
その姿に、私の涙腺は8割がたゆるみ、これだけで胸がいっぱい。

なのに、その上、『映画』を軸にした作品なので、
劇中に日本未公開の古い中国映画が散りばめられ
往年の大明星・ 周[王旋](チョウ・シュアン)の天使の歌声と清純な笑顔を
映し出す。これまた映画好きには新鮮で、とことん弱い。

野外映画が唯一にして最大の娯楽だった時代だけに、
登場人物の全てが『映画好き』で
眠らずして『夢の世界』に連れて行ってくれる映画に
目を輝かせ、食い入るようにスクリーンを見つめている姿を見ると
改めて「映画っていいもんだな」と感じさせられました。

ただ、子供時代のエピソードが長いので、主演であるはずの夏雨の
出番が少なかったのが残念・・・でしたが
夏雨の少年時代を演じた子役があまりにも夏雨似だったのはツボ!
人口が多いとはいえ、よく探してくるよな~(感心)

世界~The World

2006年06月11日 | 電影
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北京郊外にあるテーマパーク“世界公園”でダンサーとして働く
タオ(趙濤:チャオ・タオ)。
皆から「姐さん」と慕われるしっかり者だが、心の中では移り行く
周囲の変化と自分の未来に不安を隠しきれなかった。
そんな時、恋人のタイシェン(成泰生:チェン・タイシェン)が
他の年上の女性に惹かれていること知る・・・。
激しい変化を遂げる北京とそこで懸命に生きる人々の姿を描いたドラマ。

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外国に憧れ、少しでもいい生活をしようと
田舎から北京にやってきて働く若者たちが
寄り添いあって生きる様には温かい気持ちになれます。

しかし、彼らの現実は厳しくて、本物の世界を夢見て来たけれど、
結局は「世界公園」という「作り物の世界」から出られないまま。
何かを得たくても、彼らはあまりにも非力で
捨てることも変えることもできず、同じ毎日が繰り返されていく。
そんな希望のない焦りと孤独な日々が淡々と綴られ
やりきれない、鬱蒼とした思いがにじみ出ていて
観ていて切なくなりました。

最近の中国は、経済の勢いのよさばかりが目に付いていたのですけど
社会主義という枠を保ったまま、資本主義経済を推し進めているので
日本以上に『勝ち組・負け組』の差が顕著なのですね。

置かれている状況は違えど、私も『勝ち組』とは言えない
『だたのパンピー』なので(涙)
彼らの抱える心情にはかなり共感できました。
映画館を出てからも、なにかこう考えさせられてしまう
いい意味で「重い」作品でした。

美しい夜、残酷な朝~Three Monsters

2006年05月14日 | 電影
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イ・ビョンホンとハセキョーの共演作だと思い込んでいたのですが、
三池崇史、パク・チャヌク、陳果(フルーツ・チャン)監督による
短編オムニバス映画だったのですね~。陳果作品を見たくて借りました。

三作品とも映像は美しかったんですが、
ストーリーは、人間の深い欲望に迫る非日常的で深層心理を突く内容。
芸術グログロ作品なので、見ていて何度か顔が引きつりました・・・。

【CUT~割愛:韓国編】
誰もが羨む成功を手にした映画監督・ジホ(イ・ビョンホン)が帰宅すると、
見知らぬ男(イム・ウォニ)が妻(カン・ヘギョン)を人質にしていた。
男に究極の選択を迫られていく中で、ジホは隠していた素顔をさらけだしていく。

清く正しく見える人でも心の奥底には、憎悪を押し隠していて、
追い詰められると本性がが露出されるということを
改めて思い知らされました。結局、自分が一番大事なのよね・・・。
犯人の復讐劇が理不尽で、展開もハチャメチャ気味でしたが
犯人以外のキャストが皆、縛られて動けないという、
制約のある設定が面白く、意欲的な作品だと思いました。

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【BOX~箱:日本編】
哀しみをたたえた若き女流作家(長谷川京子)の隠された過去。
その謎の鍵を握る男(渡部篤郎)が夢から現われ、
幻と現実が交錯する悲劇に巻き込まれてゆく。

夢か現実かが分からぬまま混沌としたペースで
主人公の過去に秘められた悲劇を紐解いていくのですが
単調で面白みがなく、結末も「?」でした。
色調が青で統一され、静かではりつめるような空気感が演出されていて
視覚的に美しかっただけに、ストーリーの弱さがイタイ・・・。

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【dunplings~餃子:香港編】
夫(梁家輝:レオン・カーフェイ)の愛と衰えた美貌を取り戻すため、
謎の女メイ(白霊:バイ・リン)が作る禁断の餃子を口にした
元女優のリー(楊千[女華]:ミリアム・ヨン)。
恐ろしい中身を知った日から、永遠の悪夢が始まる。

餃子の中身は、香港ホラー映画のお約束のアレ(笑)
察しがつくと思いますが、常規を逸した恐ろしいブツです。
そうと判っていながらも、いつまでも美を保ちたいという欲望から
内面が壊れていく主人公の姿に薄ら寒い想いがしました。
つねに『香港の現在』を撮りつづけてきた陳果だけに
現実にありえそうで、  『八仙飯店之○○饅頭』も実話だったしね~
グロテスクな恐怖感は三作品の中でダントツでした。

天生一對~2 become 1

2006年05月08日 | 電影
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広告会社に勤める冰冰(楊千[女華])は、ある晩バーで知り合った
臨床心理医・V仔(任賢齊)といい雰囲気になるが
V仔は冰冰の胸にしこりがあることを発見。
検査の結果、乳癌であることを告げられた冰冰は、大きな衝撃を受ける。
片方の乳房を失うことで、もう男性は誰も自分を愛してくれない、
結婚のチャンスもなくなったと思いつめた冰冰は、
ありとあらゆる民間療法を試すが、どれも失敗。
自暴自棄になる彼女を、V仔は何かと励まし、心の支えになろうとする。
そんなことがある一方で、冰冰はとても綺麗な声を持つ
恥ずかしがりやな少年(側田)と出会い、
彼を励まし、歌謡コンクールに参加させようとする。

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乳癌がテーマですが、そこは香港映画。
悲壮感のない、明るい雰囲気のラブコメ風に仕上げられていました。

私は香港映画というと、それだけで点が甘くなってしまうので
実際、同じ病気を抱えた人が見たら、どう思うのかはナゾなんですけど
勝気で自由気ままなバリキャリだった冰冰が、
一時は自殺まで考えるほどの無気力感にうちひしがれる様、
そして、周囲の助けで現実を受け入れ、人間的に成長し強く生きる様が
きっちり描かれていたので、重いテーマにもかかわらず
笑いを誘う場面が多くても嫌な感じはしませんでした。

楊千[女華]といえばドタバタお転婆娘的コメディというイメージでしたが
冰冰の感情の起伏を上手く演じていて、手術室に向かうシーンでは
ジーンとくるものがありました。
可愛いんだけど同じようなパターンの映画ばかりだった彼女の今後に期待

冰冰を励ます、不真面目でおおらかな性格の医師が
任賢齊だったところもよかった!やっぱりイイね、この人♪
決して二枚目ではないけど、優しいお兄さんといった雰囲気のなかで
時折見せる男気が何とも頼もしいし、彼のコミカルな演技には
なんだか和んでしまうので、ハマリ役だったと思います。

そして、楽しみにしていた側田ですが、ちょこっとしが出てなくて残念><
劇中何度も流れる歌にはきゅ~んでしたが、
肝心のセリフが棒読みに近かったから仕方ないか・・・
  けど、その棒読みを
  『「自分に自信がもてない、極端な恥ずかしがり屋」という役柄を表現できててよかよか~♪』
  と思ったのは、単に私のヒイキ目か?(笑)

大事件~ブレイキングニュース

2006年05月07日 | 電影
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香港の市街地で、ユアン(任賢齊)率いる銀行強盗団と警察との銃撃戦が発生。
激しい攻防戦の末、警察は犯人たちを取り逃がしてしまう。
市民の厳しい非難を回避すべく、警察は組織犯罪課の新任指揮官
レベッカ(陳慧琳)の大胆なメディア戦略を採用する。
同じ頃、重犯罪特捜班のチョン警部補(張家輝)は
高層アパートに潜入した一味を追い詰めるも、犯人は人質(林雪)をとって篭城。
マスコミが取り囲む中、警察と強盗団の情報戦が始まった。

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犯人逮捕の一部始終を生放送し、警察の威信回復を図るレベッカ。
その意図を見破り、そうはさせるかと警察が見せない「真実」を
ネットで流して反撃。脱出を試みるユアン。

この二人が限られた空間を最大限利用して仕掛けあう
ゲームのようなやりとりが見物!
完璧だったはずのシナリオは、仲間や部下、人質などが
イレギュラー動きをすることによって二転三転、狂い続けていきます。
最後に勝つのは警察か、犯人か、まったく分からないまま進んでいくので、
次にいったい何が起こるのか、ハラハラドキドキ。
一瞬たりとも目が離せませんでした。
ラブコメディから硬派な映画まで、数多くの質の高い作品を送り出す
杜峰監督の仕掛けた罠にはまりっ放しの90分でした。

任賢齊が強盗団のリーダー役なのは意外でしたが、
小気味の良い演技で、頭脳明晰で冷静なんだけど人情味はあるという
どこか憎めない悪役を体現していて「誰だお前は」レベルにかっこよかった!
ラストでのエピソードも意外性があって◎

&不死身のチョン警部補がブラボーでした(笑)

トンケの蒼い空

2006年04月19日 | 電影
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幼い頃に母を亡くしたチョルミン(チョン・ウソン)は
市警捜査課長の父(キム・カブス)と二人暮らし。
お腹が空くと近所の人から食べ物をもらう彼は、
近所の人々から野良犬(トンケ)と呼ばれていた。
ある日警察犬になれなかった子犬を父から与えられ、弟ができたと大喜び。
自分と同じ「トンケ」と名付けてかわいがる。
だが、高校のサッカー部の先輩は、些細なことでトンケを恨み…。
トンケが愛する弟(=犬)のトンケの命を奪う。
怒り心頭のトンケは、警察沙汰を起こしてしまい高校を中退することに…。
しばらくして父は、少女をひきとって家に連れてきた。

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ウソンが、かなり情けない役柄だと事前に知ってはいたものの・・・。
男前・ウソンの『超ダサ白ブリ姿』は衝撃でした。
しかし!惚れた弱みか、"あの美男がよくぞ、ここまで!"と、
潔いほどの変身ぶりにちょっと感動(笑)

真の演技派といわれながらも、クールに澄ましてる2枚目役ばかりだったので
ウソンの本当の演技力と真価を知るためにはよい作品だと思いました。
演技の幅が広がりそうだし、今後のウソンが楽しみです

ただ、作品自体は私にはよく分かりませんでした。
コミカルかと思ったら、シリアスだったり
最後のタイマンのシーンもミョ~に生々しくてちょっと引いてしまいましたし・・・。

描きたいものはなんとなく分かるものの
恋に友情に家族(父親)に事件にとちょっと詰め込みすぎで
ひとつひとつのエピソードに物足りなさを感じました。

ウソンはもちろん、父親役の俳優さんも
『頑固一徹だけど実は思慮深い、昔気質の父親』を好演していたし
父子の家で暮らすことになる少女役の女優さんも
初めははすっぱな感じででパッとしないのですが、後半どんどん魅力的になっていく。
俳優陣の演技が素晴らしかっただけに
活かしきれてないな~、もったいないな~、という印象が残りました。

マラソン

2006年04月14日 | 電影

シマウマとチョコパイが何より好きなチョウォン(チョ・スンウ)は
自閉症のため5歳児並みの知能しかない20歳の青年。
感情がコントロールできずいつも周囲に騒動を巻き起こしてしまう。
そんなチョウォンに人一倍の愛情を注ぐ母キョンスク(キム・ミスク)は
チョウォンにマラソンの才能があると気づき、それを伸ばしてあげようと
元有名ランナーのチョンウク(イ・ギフン)にコーチを依頼する。
最初はまともに指導する気のなかったチョンウクだったが
チョウォンの純真さに次第に心動かされていく。

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友達が「この映画いいよ~っ!見な!」と、半強制的に貸してくれました(笑)
『韓国500万人が涙!』というコピーに、ひいちゃわないか、
シラけちゃわないか、と心配だったんですけど
「泣かせよう泣かせよう」というあざとい意図もなく
お涙頂戴モノになってなかったところがよかったです。

自閉症という重たい映画かと思いきや、笑いを誘う場面もあったし
障害のある青年が意識していないにせよ
目標をもってひたむきに生きる爽やかな作品で
私にとっては泣くというより、すがすがしい気持ちになれる映画でした。

主人公が、母親の手を自ら離し、初めて本当の自分の意思で
走り出すシーンもよかったし。
純粋な心を持った主人公の健気さと最後に見せる
“とっておきの笑顔”もすばらしかった。

ただ、『自閉症の子供』と『その子に依存する母』の関係だけに重点が置かれていて
家族である『兄に母の愛を奪われた弟』と『悩み苦しむ父』の心の葛藤が
あっさりし過ぎていたのが、残念でしたけど。
ま、母親側からの視点で作られてる感じだから仕方ないのかな。

最後の字幕で『自閉症は1000人に1人の頻度』とあって
その数字に驚きました。
私は自閉症がどういうものなのか、よく知らなかったので
自閉症=自分の殻に閉じこもった暗い子、だと思っていたのですが
天真爛漫なんですね。
ほんの少しだけでも、勉強になったような気がします。

見てヨカッタ友よ!ありがとう!<(_ _)>

20、30、40の恋~twenty thirty forty

2006年04月12日 | 電影

20歳の小潔(アンジェリカ・リー)の夢は歌手になること。
歌手になるためにマレーシアから台湾にやって来た彼女は、
複雑な社会の中で自分の夢を叶えるために模索している。
30歳になったスチュワーデスの想想(レネ・リュウ)は結婚を夢見ている。
しかし、彼女には妻子持ちと遊び人の恋人しかいなく、
しだいに疲れを感じ始める。
40歳の莉莉(シルビア・チャン)は亭主に浮気をされて離婚を決心する。
独身生活を始めた彼女は第二の青春を追い求める。

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年齢や立場が違う3人の恋や仕事、挫折といった日常の風景が
リンクしながらも直接の接触はせず、同時に進行されるので
一見、オムニバス風で難解なんですけど、
きめ細かく丁寧に描かれているので、物語にす~っと入っていけます。

誰もが愛すべきキャラクターで、壁にぶちあたってもがく姿は
女性だったら身につまされるところも多いはず!
私も「うん、うん、わかるわ~」と共感しまくりでした。
自分が友人と、お喋りしてたコトややってたコトが、
そのまま映像になっているような雰囲気なので
一緒に笑ったり泣いたり抱きしめたりしたくなるような
優しい映画なんです。

特に、監督であるシルビア・チャンが自ら演じる40代の女性。
好きな仕事をしながら、家庭の主婦として幸せな一生を終えるはずだったのに
夫の浮気で離婚→一人娘も留学で、気がつけば一人ぼっち。
強がってみても、本当はモ~レツに淋しいわけで
「早く新しい恋を・・・」と焦るものの、そう上手くいくもんじゃなく
夜、一人で韓ドラに涙しながらお菓子を食べまくる姿には
「あ~、アタシもその立場になったら、そうなるかも」って感じ。

そうやって、必死に幸せ探しをしながらも、最後には
現実を受け止めて自然体で生きようとする彼女の決断は
カッコよくて、清々しいものがあります。
3人3様、ハッピーエンドとは言えないんだけど、見終わったときには
『年をとるのも悪くないじゃん♪』なんて前向きになれました。

女性はもちろんのこと、女心が知りたい男性にも