夏の間に、ペンギンパレードを見に行こうと思っていた。
ペンギンパレードというのは、うちから車で2時間強のところにある
フィリップ島で、リトルペンギンという種類のペンギンが
昼の間は海にいて餌をとり、
日が暮れると一斉に陸に上がって巣を目指して歩いていくところを
眺めるもの。
リトルペンギンというのは、体長30センチ、体重1キロくらいの世界一小型のペンギンで
オーストラリア、ニュージーランドに生息する。
フィリップ島の向こうはタスマニア、そのまた向こうは南極なので
夜の見学になるし、寒そうだからと、
フリースやひざ掛けをたくさん持って
夕方4時過ぎに家を出発。
いま、日没は大体8時半ごろになっている。
うちを出て、少し走っていくと、両脇はすっかり牧場地帯。
ただただ広いところに牛や羊や馬がなにげなくいる。
でも、車の方も100キロ制限で速く走っているので
写真を撮ろうとしてもなかなかピントが合わない。
気持ちいいスピードと気持ちいい広さ。
これだけでも、なかなか日本では味わえないよね。
しばらくこんな道を走っていると海も見えてくる。
ちょっと単調なくらい広々として何もないところをはしって、
フィリップ島に着いた。
駐車場に車を止めると、さすが土曜の夜、たくさんの人が来ている。
案内もいろんな言葉で出ていて、「ようこそ」という日本語の表示もあった。
観光センターみたいなところで軽食やお土産を買うことができ、
ペンギンの展示もある。
実際の巣箱をのぞけるようなところもあり、
子どものペンギンが親を待っているところを見ることもできた。
ちょうど今、子育て期の終わりごろのようだ。
海岸へ向けてのウッドデッキを歩いていくと、途中にペンギンの巣穴を見つけることもでき、
中からペンギンがのぞいていたり(海に行かない日もあるそうで)
ウサギらしい動物がはねているところも見た。
天敵はキツネなのだそうだ。
いったん観光センターの外に出てしまうと、カメラビデオは撮影禁止。
暗い海から帰ってきたペンギンたちが
フラッシュ撮影で失明する恐れがあるため、なのだそうだ。
案内の入ったipodを首から下げて説明を聞きながら(日本語版もありました)
海に向かって作ってあるデッキに座って待つことしばし。だんだん暗くなってくる。
昨日は8時40分ごろ上がってきたんだって。
フリースを着て、ひざ掛けをかけてちょうどいい寒さ。
そして8時25分ごろ。
あ、と思ったら、すぐそこに10羽くらいのペンギンがよちよち歩いて海から上ってきた。
疲れているのかな、いったん止まってしばらく休んで、
自分の巣穴の方へ一所懸命歩いていく。
巣穴の方からは呼んでいるのか、かしましく鳴き声がする。
あ、また上がってきた。
あ、また。
間隔をあけて、いくつかのグループになって、
総勢100羽以上のペンギンが上がってきた。
そろそろと、デッキに沿ってペンギンたちについて歩いてみる。
立ち止まったりしながら、自分の巣に向かってそれぞれ歩いていくペンギンたち。
巣は、草むらの中に穴を掘って作ってある。
もうあちらこちら、ペンギンが呼びかわす、あまり美しくない声が満ちている。
もうとっくに9時を過ぎている。私たちも家に帰ろう。
観光センターで、あったかいチョコレートやコーヒーを飲んで
明かりひとつない単調な道を、逆にたどって家につく。
楽しかった~。。。。
最後に、観光センターで撮った合成写真。
じゃーん(笑)