IT'S NOW OR NEVER 

こどもと、ねこと、その親の日常雑事。
さて、初の海外暮らし、
どうなることやら。

ウルルの旅 その2

2012-07-19 08:44:50 | 日記

最初の1、2日はただ走るだけの予定。

2日目は クーバーピディ という町に泊まるつもりで走って行く。
ここはオパール採掘で有名なところで
町の名の意味は
「白人の住む穴」
ということだそうだ。

1日目は、ただひたすら走っていたので
夜にガソリンスタンドの広い駐車場の端っこで
車を止めて眠った。
そしてまだ明けきっていない朝、



車を出して、今夜はきちんとしたキャンパーズグラウンドで
泊まりたいな、と考え、少し急ぐ。



(なにしろ、きちんとした電源のあるサイトにとまらないと
シャワーや、電気ヒーターや、エアコンなどの、もともとついている立派な設備を
ありがたく使うことができないのだ)

10時くらいになって、子どもが起きたので
食パンにツナやきゅうりなどはさんで朝ごはんにする。



小さな町を出て一本しかない道をひたすら走って行くと景色がこんな風になって行く。



何もない。



メルボルン郊外を走ると、何もない大地が広がっていると思っていた。
でも、何もないと思っていたところは実は広大な牧場で、羊や牛がそこかしこに居たり、
手入れされたブドウ畑が広がっていたりしていたのだということが
今にしてわかった。



大地が赤くなってきた。何キロも何キロも走っても、後続車もいなければ対向車にも出会わない。

道沿いに300~500キロに一軒位?ガソリンスタンドと軽食を商う店がある。
それだけ。
この道は、センターオーストラリアを縦に走っている
Stuart Highway という。

クーバーピディまであと400キロくらいのところにある
そんなガソスタ兼軽食の食べられるところ、
グレンダンボ、という場所で
休憩兼遅いお昼ご飯を取る。

車でサンドイッチもイマイチ、と思ったのだけど
どっちにしても、ハンバーガーかサンドイッチだよね。

リフレッシュして、今日は明るいうちにサイトにつけるね、と言いながら
走り出した。またひたすら走って行くうちに
げ。
燃料ランプが点いた。

最前あげたような景色の中、ガソスタなんかあるわけもなく
車もめったにいない。
スピードを落として経済速度でだましだまし走る。が。


午後4時すぎ。

クーバーピディまであと24キロ地点。

まさかのガス欠。

路肩に車を止め、車から降りて、後続の車を待つ。

数分後、1台の車が通りかかる。
私とイラン氏は大きく手をあげて車にとまってもらおうとした。

親切なことに、その車は止まってくれ、スキンヘッドの大きなお兄さんが下りてきた。

「ガソリンがなくなっちゃったのよ」
というと、

「クーバーペディを通るから、あんたたちのどっちかが一緒に乗って行け」という。
「ガソリンスタンドで下してあげるから、そこでなんとかするといいよ」と。

イランちゃんが私を見る。

「え?私に乗って行けと?(ココロノコエ)」
だって乙女だし、私に何かあったらどうするの(またココロノコエ)

でもここはもめている場合じゃない。

「ありがとう」
と、車に乗せてもらう。

すると、助手席には子どもが座っていた。
ほっ。
(親切な運転手さん、怖がってごめんなさい)

何処から来たのだとか、どこに行くのだとか、着いたらガソスタの人に聞けばいいだとか
多分(笑)そんな話をしながら、24キロ先の町にはあっという間につく。

そう、ここは今でもオパール掘りをやっている、町。人がある程度住んでいる。
ガソリンスタンドに着いて、子どもさんに「チョコでも買って」と20ドル紙幣を渡し
ありがとうを繰り返し、店に入る。

スタンドのお姉ちゃんに

「24キロ先でガス欠になっちゃって、ここまで乗せてきてもらったんだけど
どうしたら良いかしら」と聞くと

「あっちの棚に燃料用のポリタンクがあるから、それ買って、ガソリン入れて
反対方向に行く車を捕まえて乗せて連れて帰ってもらったら?」

と言われたので、棚を見に行くと
あ、あったあった、日本で使ってる灯油のポりタンクみたいなの。
それを持ってレジに行き、バーコードを読んでから
外のセルフのスタンドでディーゼルを入れ
(10リットルタンクでした)
水より軽いなぁ、さすが軽油?なんてことを考えながらレジに戻ると
レジのお姉ちゃんが

「このひとがそっち方向に行くってよ。頼んでおいてあげたから乗せてもらって。
すぐにまた会いましょうね」

と言ってくれる。

今度の車は男兄弟で3週間のホリデー中だという
すごく男臭い車だった。
乗ると、オニイの寝起きの部屋の匂いを100倍したみたいな(笑)
後部座席は半分荷物で埋まっていて
私の隣にはプロパンのタンク。

別の意味でちょっと怖い(笑)

すごく気のいいお兄ちゃんたちで
また、どこに行くのだ、どこから来たのだ、
メルボルンから車で回るにはちょっと休みが足りないだろ、
俺たちは3週間休みでラッキーだぜ、なんて言っていると、
あっという間にイランちゃんの待つ車の所に。

今度のお兄ちゃんたちはコーラ代、と言ってお札を渡そうとしても
受け取ってくれなかった。

ほんとにありがとう、よい旅をね。

イランちゃんは
「あれから何台か車が通って、頼んでないのにみんな止まってくれて、
どうしたんだ、って聞いてくれた」と、教えてくれた。

みんな暖かいな。

無事にタンクに燃料を入れ、
今度は自分たちの車で、またあっという間にクーパーピディに着く。
ガソスタのお姉ちゃんが
「無事に戻ってきたわね」と。

燃料を入れ、タンクにも念のために入れ、
キャンプサイトを探しに行く。

ああ、今夜はちゃんとサイトで泊まれるのね。

いろいろあって疲れたけど
ああ、よかった。

文章ばっかりでゴメンナサイ、この騒ぎの間、おさしん撮る余裕なんか
なかったよ~。

夜はサイトでバーベキューとポテトサラダの夕食。
シャワーも浴びて、洗濯もしました。



え?観光はまだなにも?
ええその通り。

その3に続く。








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10 コメント

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Unknown (みっ)
2012-07-19 10:49:48
ほんとに、あったかい人たちなんだね。

ブラジルに住んでた友人の話を思い出しながら読んでたのだけど、
何百キロも、な~あんにもない、ところまでは同じ状況。
だけど、故障車を装って、親切で止まってくれる人をつかまえて強盗、というのが横行してるから、
本当に故障しても(これがまた、すぐ故障するらしい)、怖がって、誰も止まってくれないのだとか。

なんという違いだろうね。
衣食足りて礼節を知る、ということでもあるんだろうな。

で、サイトには、明るいうちには、、、、着けなかったの?(笑)
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優しいなぁ~オージー(感涙) (ふくの母)
2012-07-19 10:50:55
いやぁ~良いお話を聞いただよぉ
なんちゅう心あたたまるお話だ~
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Unknown (ふー)
2012-07-19 11:00:00
300キロから500キロに1軒のGS…。
それだけで気が遠くなりそう。
そういう環境だから、困っていたら助け合う習慣になってるんだろうなと思ったら、
みっちゃんのコメ呼んだら、単純にそういうわけでもないのか…。
もちろんどんな国でも100%いい人じゃないし、その逆でもない。
日本でだって親切があだになっちゃう可能性はあるけど
見習いたい精神だね。
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Unknown (さちこさん)
2012-07-19 14:34:10
オーストラリアの荒野ど真ん中でガス欠って・・・!
知らない人の車に乗ってガソリン持って往復って・・・!!

無事で何より。

明日はドキドキしない日記だといいな!!



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Unknown (ぱぴよん。(誰?)
2012-07-20 00:06:10
世の中捨てたもんじゃないな~
おおらかでいいな~

ところで、おにいちゃんはなぜ
不機嫌そうな顔なんだ(笑)。

>衣食足りて礼節を知る、ということでもあるんだろうな。

そうか~そういうところの方が
多いのかな~。
キャンピングカーが止まっているのと
オンボロ車両が止まっているのとでは
意味合いが違うかもしれないけど。
私、日本以外では生きられない気がする(笑)。
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みっちゃんいらっしゃいまし~ (ほー)
2012-07-20 22:17:31
ちゃんと明るいうちに着けたよ(笑)
そうだね、すれ違う車もほとんどないので
たまにすれ違うと、フロントガラス越しに
手をあげて挨拶するのよ。
山道で登山者が行きかう時みたいに。
いい感じでした。
でも、痛い目に会う場合もあるとおもうよ。
だから私たちはとてもラッキー。

助けてもらったことを、
誰かに返せたらと思うんだ。
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ふくの母さんいらっしゃいまし~ (ほー)
2012-07-20 22:18:46
ありがたいことでした。
何事もなかったので美談ですけど
何があってもおかしくない状況でもあったのだと思うので
更にさらに気を引き締めなくてはと思うだよ~。
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ふーちゃんいらっしゃいまし~ (ほー)
2012-07-20 22:21:44
ありがたくて、
でもよく考えると怖い話でした。
だけど、
本当に感謝しているんだ~。
ただガソスタのおねぇちゃんは
そういう助けに慣れてる感じがしたよ。
自分の身は自分で守るのが
やっぱり基本だよね、
美談と言ってないで反省しなくちゃでした。
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さちこさんいらっしゃいまし~ (ほー)
2012-07-20 22:23:04
ごめん。
やらかしちゃった。
でももうしないよ~。

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ぱぴよんいらっしゃいまし~ (ほー)
2012-07-20 22:25:57
なんとかならないこと、というのも
あるんだな、世の中には。
というのを感じた出来事でした。
危機管理が甘かったのを大反省したよ。
ホント感謝してもしきれないです。

オニイは、そういう年頃です(笑)
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