初心者にすすめたい洋ラン
ギンギアナムの仲間はデンドロビュームの中でも特に寒さに強く栽培が比較的簡単です。初心者にも育てやすい洋ランです。
この説明の通りあまり手もかけてやらなかったにもかかわらず、ましてや冬は寒く、夏は暑い戸外で過ごさせたのに、5月の今にはこんなに綺麗に咲いてくれています。
キンギアナムの仲間の特徴は
①寒さに強く冬越しが簡単最低温度が3度Cあれば冬越しができるので、室内においておけば特に保温の必要はありません。
②花に芳香がある3~5月の開花時には、ほのかによい香りが漂います。
③同じ茎(バルブ)に毎年花を咲かせるほかのデンドロビューム(ノビル系)とは違って前の年に花が咲いたバルブにも花が咲きます。
キンギアナムの仲間
デンドロビューム属キンギアナム種は、オーストラリア東部の山岳地帯が生まれ故郷で、主に海抜1000m位の岩に生えています。
キンギアナム
花色はピンクが普通ですが、白い花もまれにはあります。
スペシオ・キンギアナム
キンギアナムに近い品種、デンドロビューム・スペシオサムとの交配によって生まれた園芸種で、通称「スペギン」です。キンギアナムよりも強健で、花もよく咲きます。花色はキンギアナムよりも淡いピンクで白花もあり変化に富んでいます。
ベリー
キンギアナムの改良種で花の姿はそっくりです。花色は濃く、株全体の姿がやや細長いのですが、丈夫な感じです。
イースターパレード
スペシオ・キンギアナムを交配して生まれた園芸種で、量産されています。株の姿や花色がスペシオ・キンギアナムに似ていて区別がつきにくいのですが、丈夫で花つきもよく、育てやすいのが特徴です。
開花中の管理
ガラス越しの日光がよくあたる室内におきましょう表土が乾いたら水を与えます。肥料は施しません
花後~夏の管理
春から初夏は新芽が伸びる成長期。夏の間は成長がストップします。
☆置き場 花が終わってからは戸外で栽培します。一日中ずっと日光が当たるところに置くと、二津には葉が日に焼けてしまうので、朝から午後1時頃までの半日の間、当たれば十分です。また、鉢と鉢の間を少しあけて風通しをよくします。都市の中心部などでは、風通しの悪い場所で栽培していると新芽が徒長(肥料の過多や光線の不足などが原因で、植物の茎葉が伸びすぎること)し、花つきも悪くなります。風通しのよい郊外や田園地帯では酷暑の時には、30%遮光のネットを張り、その下に置きます。
☆水やり 水は植え込み材料の表面が乾いたらすぐに与えます。梅雨の間は雨よけをして長雨に当てないようにしたほうが、花つきもよくなります。7月中旬~9月中旬は少なめにし、植え込み材料の表面が乾いて白っぽくなってもさらに1~2日待ってから与えます。
☆肥料 花の終わった直後には施しません。生育の盛んな5月中旬~7月中旬頃に水に溶かして使う肥料を月1から2回施します。
秋から冬の管理
秋は再び新芽を出して成長。冬の間花芽を伸ばします
☆置き場 戸外の日光が半日当たるところに置き、霜が降りる直前に室内に入れます。暖房のある部屋は避け、ガラス越しの日光が当たる廊下などに置きます。冬越しは最低温度3℃あれば十分です。
☆水やり 秋は新芽が伸びるように水やりの回数を増やし、植え込み材料の表面が乾いて白っぽくなったらすぐに水を与えます。初冬の一ヶ月は与えずに乾かし、以後は再び秋と同様に与えます。冬の期間は夕方を避け午前中に与えます。
☆肥料 再び生育が盛んになる9月中旬~11月中旬ころに水に溶かして使う肥料を月1~2回施します。冬は一切施しません。
NHK「趣味の園芸」1997MAYより