トヨタがプリウスに対するアメリカの魔女裁判もどきが進んでいますが、今度は、富士通で昨年、健康問題で辞任した社長が問題を起こしています。
ニフティ譲渡交渉の際、「富士通が取引等の関係を持つことはふさわしくないと判断した企業との関係を継続していたため」と解任したのが真相だったとのこと。(富士通の言い分)
これは問題が3つあります。
(1) 富士通は東証一部上場企業でありながら、社長の人事という投資家にとって
重要な情報で、社長を辞任させた(解任したでもOK)と言わず、うそをついた。
⇒ こういうことがバレルと投資家からの信頼が落ちる。
(2) 富士通の野副州旦前社長が、「辞任の取り消し」を要求する文書を富士通に
送付していることが社外にばれた。
⇒ たいていの場合、社内で権力闘争が行われ、その結果、うやむやにしてきた。
このように社外に漏れるのは珍しいが、権力闘争で敗北した陣営にアメを
あげることができなくなったということなのだろう。
(3) 会社がつぶれる前兆現象である。
⇒ 会社に不満がある人やグループが、会社にとって不利な情報をマスコミに
リークするのは、恐怖で組織を縛り上げていたリーダーシップが破綻しつつ
あることを示しています。 恐怖が恐怖でなくなった瞬間、いままで統制
してきた組織は、バラバラになります。
この動きは、富士通に限った話ではなく、多くの大企業に見られます。
つまり、滅びに至るリーダーシップである「依存文化」に染まった会社が、いよいよ行き詰って、バラバラになろうとしている段階といえます。
すぐには倒産しないまでも、確実に力が失われていきます。
富士通の問題も、トヨタと同様、リーダーシップの問題なのです。
今年は大企業がどんどん苦しくなっていく様子が、いろんなシーンで見られます。
いよいよ、小手先のリストラでは対処できなくなったことが明らかになってきました。
ここまで悪化した場合、大きな組織を維持するのは、大変エネルギーが必要ですから、いくつかの組織に分割して、得意な分野に集中するといったダイナミックな変革をした方が、いろんな人たちが苦労しないで済みます。
ですが、それをするには、組織が大きければ大きいほど、関係する人たちを説得して、納得していただくまで、時間もかかるし、説得のためにリーダーが汗を流す必要があります。
いまの富士通のリーダーにそういった根本的な解決ができるはずがありません。
あとは静かに滅びるのみといった段階の企業群に、富士通も仲間入りしたということで、遠くから生暖かい眼で見守りましょう。
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ニフティ譲渡交渉の際、「富士通が取引等の関係を持つことはふさわしくないと判断した企業との関係を継続していたため」と解任したのが真相だったとのこと。(富士通の言い分)
「信頼消えた」富士通、前社長を相談役解任
3月6日18時11分配信 読売新聞
富士通は6日、臨時取締役会を開き、昨年9月に社長を辞任した野副州旦(のぞえくにあき)相談役(62)を解任したと発表した。
「会社との信頼関係が失われたため」としている。
また、昨年9月に野副氏が辞任した理由も訂正した。
当初は、「病気療養のため」と説明していたが、「当社が取引等の関係を持つことはふさわしくないと判断した企業との関係を継続していたため」と改めた。
これは問題が3つあります。
(1) 富士通は東証一部上場企業でありながら、社長の人事という投資家にとって
重要な情報で、社長を辞任させた(解任したでもOK)と言わず、うそをついた。
⇒ こういうことがバレルと投資家からの信頼が落ちる。
(2) 富士通の野副州旦前社長が、「辞任の取り消し」を要求する文書を富士通に
送付していることが社外にばれた。
⇒ たいていの場合、社内で権力闘争が行われ、その結果、うやむやにしてきた。
このように社外に漏れるのは珍しいが、権力闘争で敗北した陣営にアメを
あげることができなくなったということなのだろう。
(3) 会社がつぶれる前兆現象である。
⇒ 会社に不満がある人やグループが、会社にとって不利な情報をマスコミに
リークするのは、恐怖で組織を縛り上げていたリーダーシップが破綻しつつ
あることを示しています。 恐怖が恐怖でなくなった瞬間、いままで統制
してきた組織は、バラバラになります。
この動きは、富士通に限った話ではなく、多くの大企業に見られます。
つまり、滅びに至るリーダーシップである「依存文化」に染まった会社が、いよいよ行き詰って、バラバラになろうとしている段階といえます。
すぐには倒産しないまでも、確実に力が失われていきます。
富士通の問題も、トヨタと同様、リーダーシップの問題なのです。
今年は大企業がどんどん苦しくなっていく様子が、いろんなシーンで見られます。
いよいよ、小手先のリストラでは対処できなくなったことが明らかになってきました。
ここまで悪化した場合、大きな組織を維持するのは、大変エネルギーが必要ですから、いくつかの組織に分割して、得意な分野に集中するといったダイナミックな変革をした方が、いろんな人たちが苦労しないで済みます。
ですが、それをするには、組織が大きければ大きいほど、関係する人たちを説得して、納得していただくまで、時間もかかるし、説得のためにリーダーが汗を流す必要があります。
いまの富士通のリーダーにそういった根本的な解決ができるはずがありません。
あとは静かに滅びるのみといった段階の企業群に、富士通も仲間入りしたということで、遠くから生暖かい眼で見守りましょう。
2009/03/08 橘みゆき 拝
水素文明を産み出す士官学校ML
内容は、私が管理している2つのブログ「水素文明への転換」と「兵隊よりも士官になろう」に関連した話題が中心です。