新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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インドには結核コントロールが存在しない!と老教授のお怒りコメント@ProMED

2015-01-09 10:20:52 | 結核

「みんなショックだろうが、真実を話すと、インドには結核コントロール政策が存在しない!」 とショッキングな”つかみ”で始まるコメント。投稿主はインドTamilNaduの大学を引退した老元教授。

  • 1962年には結核コントロール政策がありBCGが行われていたが、1990年までにインドではBCGが無効だとわかり、1993年からの改正計画では治癒率85%を目指すことになった。
  • 2002年には、2015年までに1990年比で感染者を半減させるという目標がたてられた。しかしながら、結核サーベイランスが行われていないから、現状はわけがわからない。
  • ターゲットもなく抗結核薬が市場に広く流通してしまっているという状況では、耐性菌の出現は不可避だ。特に私立病院に対して耐性菌の観点から我々は批難してきた。しかし政策不在、結核コントロールのしっかりした計画なしに、逃げ道として抗結核剤が使われてきたことに。using it as an escape route without facing the deficient design of TB control
  • 現計画では結核コントロールの定義がはっきりしていない。私は、それは子供の結核を一年で5%減らすことだと言ってきた。
  • 我々は結核コントロールのやり方を知っている。しかし政治にその意志はないのだ。いまのところ、私の主張は孤立無援だ。国際社会の注目とアドボカシーが必要だ。毎年インド経済に230億ドルの損害をもたらしているが、コントロールの予算は5億ドルにも満たないのだ。We know how to control TB, but there seems to be no political will. Mine is a lone voice as of now. International attention and advocacy will help.

 

私はロンリーだと結ばれているこのコメント、この投稿主のインドにおける立場はわかりませんが、かなり気になるコメントではあります。

インドは、いまや経済界のチャイナ・プラス・ワンの動きに乗り、日本企業戦士の駐在先として東南アジアと並んでますます在留邦人の増えている場所であります。もちろん駐在だけでなく、出張や現地社員の研修呼び寄せ含めて人の行き来はさらに増えます。日本にとって、ギニアやシエラやリベリアとはかなり異なる意味合いの国であり、ここで、結核コントロールが事実上骨抜きにになり警鐘を鳴らす人が”lone voice"なのはかなり困ったことではないでしょうか。

ソースはProMED
http://www.promedmail.org/direct.php?id=3077424

Published Date: 2015-01-07 19:41:49
Subject: PRO> Tuberculosis - India (02): comment
Archive Number:20150107.3077424

TUBERCULOSIS - INDIA (02): COMMENT
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Date: Tue 6 Jan 2015
From: T Jacob John <tjacobjohn@yahoo.co.in> [edited]

 


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