新年あけましておめでとうございます
旧年中は拙文おつきあいいただきありがとうございました。
韓国MERSにヒヤリとしつつ、国内デング熱騒動は発生せず、インフルエンザは比較的穏やかと、まずまず平和な日本列島でしたが、新年はどんな年になるでしょうか。
渡航医学分野では、おそらくは多くのみなさまと同じく、蚊媒介疾患が話題になる一年かなと予測しております。デング熱・チクングニヤ熱に加えて、小頭症で知名度の高まったジカ熱、これらの話題スポットがオリンピックのリオデジャネイロと近接するのがポイントでしょう。オリンピックにはアスリートのみならずTVでおなじみの有名人の渡航が多く、ごく少数の有名人が輸入例として罹患するだけで日本列島騒動になってしまうという展開も懸念されるところです。
しかしながら、「予想される危機」というのは案外起こらず、騒動は本日誰も思いつかない方向からやって来るのかもしれません。H5N1パンデミックは起こらず、エボラ騒動も韓国MERS騒動も、年の初めには(理論的にはあり得ると理解はしてしても)リアルに予想していた向きは少なかったと思います。同様に、2016年のヒール(悪役)は、H7N9、MERS、EVDといった「目を付けられてしまった面々」ではなくて、ひそかにどこかの洞窟でコウモリと仲良くデビューを狙っているなう・・・なのかもしれません。
今年も渡航医学のウォッチング続けてまいります。お付き合いのほど、なにとぞよろしくお願いいたします。
2016年元旦
勝田吉彰