新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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真紀子ショックが医療界に与える影響(医療界はもっと関心を!)

2012-11-04 10:46:52 | 皆さまへ呼びかけ

 この1週間は、田中文科相の大学認可転覆騒動がマスコミを賑わしました。準備をすすめてきた大学関係者や自治体関係者の怒りの声や、追及しようとする野党・・・とマスコミ上は想定内の展開がすすんでいます。今のところ、学術界と自治体と国会が騒ぎの中心ですが、実はこれ、医療界も大いに心配しなければならない事態なのだけれど、誰も言わないのでこちらで問題提起。

ズバリ「看護師をはじめとするコメディカル不足に拍車がかかる」のです。

 いまの看護師およびコメディカル不足(以下看護師不足と略しますがOTPTも含む)を緩和してくれるかもしれない「希望の星」が、定員割れ文系大学という現実があります。これは学生募集において左ウチワ状態の医学部に籠っているとなかなか見えてこない現実ですが、志願者数がめっきり減ってしまい定員割れとなった文学部や芸術学部を抱えた大学が、経営立て直しの切り札として、我も我もと看護学部新設に走っています。看護学部新設に走った結果、見事に定員充足という結果を得て、またさらに・・・という循環です。実際、J-RECINなど大学教員募集サイト(http://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekTop)で検索かけてみると、他のあらゆる学部を圧倒する数の看護学部教員の募集を簡単に目にすることができます。管理人のまわりを見渡してみても、兵庫・大阪・岡山で文系短大・芸術系単科大・専門学校・負債かかえて一度は募集停止した大学・関西の人なら誰でも知ってる進学高校・・・実にいろいろな母体が看護学部を設立(ないし予定)しています(管理人の勤務先は、今のブームの少し前に看護学部新設した結果、はや先輩的存在になっている模様)。 実際、この努力をしなければ医学部をのぞく一般4年制大学は深刻な定員割れで路頭に迷うリスクを意識しなければならない時代なのですから、これは尊重すべきところです。

 他方、医療界に目を転じれば、大都市の一部をのぞいて(大都市だってそうだぞ!の叱声も聞こえてきますが)、スタッフ募集に艱難辛苦しつつ就職課に期待の眼差しと熱烈ラブコールが届いてきます。干天の慈雨、win-winの関係です。

 今回の騒動で、「大学が増えすぎた」「当面新設は認めない」というセリフが飛び出しています。問題は「当面新設は認めない方針」のところ。「当面新設を認めない」で供給路が絞られたままになってしまう医療スタッフ、現場の疲弊状態の継続。今回の3校については、いずれ落とし所が見つかるのでしょうが、管理人が本当に心配するのは、「これが教育界に与えるマインドへの影響」です。医療系学部新設へのマインドが決定的に冷え込んでしまう。将来はと思っていたところがやめてしまう。

医療界はこの問題にもっと関心を!

 

http://island.iza.ne.jp/blog/entry/2915526/


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