新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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クリスマスをICUで過ごしますか?(カナダ当局の余剰ワクチン対策プロパガンダ)

2009-12-12 15:34:27 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

カナダ当局が、ワクチン余剰対策で、”あおりキャンペーン”をやっているとオンタリオ州前主席医務官が批難。

  • クリスマスを病床やICUで過ごしますか?そんなつまらない事にならない唯一の方法は、多くのカナダ国民がワクチン接種を受けることです! とカナダ保険当局責任者David Butler-Jpnes氏。カナダ国民にワクチン接種を呼びかける新たなキャンペーンを開始。
  • カナダは5040万人分のワクチンを発注したものの、3500万人分(!)が余剰となる見通し。4億ドル相当が余剰!
  • この膨大な無駄になりそうなワクチンをどうするか、当局は困惑中。余剰の原因はワクチン遅延にある。
  • そこで、カナダ政府は、余剰になりそうなワクチンを前にして、ワクチン接種接種キャンペーンをやろうとしていると批難。
  • カナダ当局は、鳥前提、その後も1957年程度の行動計画にて、軽症への舵の切り替えが遅れている。

要は、カナダ政府がいっぱい発注してしまったワクチンの過半数がドブに捨てられそうで、それじゃあ批難轟々が見えているので、政府当局が(とっくにピーク過ぎてるのに)不要なワクチン接種誘導プロパガンダをやっている・・・ということのようです。

このニュースを見て、はっと連想はたらいたのが、
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090425-436828/news/20091211-OYT1T00722.htm
これ、紙面よりかなり省略してあるのですが、冬季オリンピック主催するバンクーバー当局が、各国選手団に対しワクチン接種を強く求めているらしいです(紙面では↑より強いニュアンスだった。あと、紙面では外岡先生のごく常識的コメントも)。

バンクーバー当局の”強い要請”の裏にはこんな事情もあるようです。
↑記事の本来の趣旨は、「なのに、日本の優先順位がガチガチで融通きかないから、日本選手がワクチン打てず丸裸でカナダへ・・・」ということで、厚労省のガチガチぶりは確かに眉ひそめるべきことですが、他方、カナダの要請も多面的に見るべきでしょう。 もし、ワクチン未接種の日本選手団をカナダ当局が批難するようなことがあれば、(この国のこれまで様々な右往左往ぶりを念頭に)「アンタに言われとうないわ!」と言い返しましょう(笑)

ソースはhealthzone.ca↓
http://www.healthzone.ca/health/newsfeatures/swineflu/article/737495--health-bosses-accused-of-flu-mongering
Health bosses accused of flu-mongering

 

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