今、イスラム世界は巡礼月です。世界中の巡礼者がサウジアラビアのメッカに集まっています。
聖地メッカの最寄空港はジェッダ空港。ここでは、ピリピリした雰囲気で、4~5月頃の成田・関空みたく「水際作戦」が展開されている模様。で、その成果が報道されています。
- 空港検疫にて、サーモグラフィーで検温。感染疑われると、空港近くのKing Saud病院に隔離処置。
- これまでに9名の発熱巡礼者が隔離された。しかし、新型インフルが確認されたのは2名だけであった。感染者の国籍は明らかにされていない。
- 回復後は、元の巡礼団に合流することが許される。
- これまでに60万人の巡礼者が同空港から入国している。
- 今年は、妊婦・5歳未満・65歳以上・慢性疾患罹患者の巡礼を認めていない。
- 巡礼者に対してはマスク着用・手洗い・咳エチケットが呼びかけられている。発熱やインフル症状のある巡礼者はただちに最寄の治療センターにかかるよう求められている。
メッカの巡礼は、世界各地の先進国・途上国から集まったイスラム教徒が、それはそれはものすごい人口密度で何日もすごします。管理人がスーダン在勤時、巡礼月のTVは連日、この巡礼の様子を延々と流し続けていました。その映像を見ると、「1月1日の明治神宮or川崎大師状態」が延々と1ヵ月続くように見えました。
ですので、この期間にどこかのイスラム国で感染症流行があると、サウジ当局はピリピリします。 管理人がセネガル在勤中、ブルキナファソなど”髄膜炎ベルト”とよばれる地域で、細菌性髄膜炎w135型なるものが流行しました。この時も、w135のワクチン接種していない者は入国すべからずとか強硬なことを言ってました。
逆にいえば、サウジ当局は、メッカ巡礼月における感染症対策に手慣れているともいえます。案外、さほどの(米国ほどの)迷惑をかけずに巡礼月を乗り切るのではないか・・・そんなことを考えた報道でした。
ソースは11月12日付arab news↓
http://www.arabnews.com/?page=1§ion=0&article=128353&d=12&m=11&y=2009&pix=kingdom.jpg&category=Kingdom
H1N1 cases minimal among Hajis
Mohammed Rasooldeen | Arab News