新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

ミステリートレインの旅@カナダ(インフルエンザ類似症状?)

2008-05-11 21:42:37 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

カナダ大陸横断鉄道の旅を楽しんでいた老婦人が、”インフルエンザみたいな症状(flu-like symptom)”を呈する”ナゾの病気(unknown illness)”で急死しています。

ロッキーを眺めながら心地よいリズムに揺られていたおばあちゃん、車内で1名が急死し他の乗客6名(byCNN)~10名(by google news)も”インフルエンザみたいな症状”を呈している。。。という事態を受けて、カナダ当局は列車を一時封鎖するという処置に出ています。1名はヘリコプターで緊急移送。

同乗医師によれば、急死した1名とヘリで緊急移送された1名とその他”インフルエンザみたいな症状”を呈している人々との間にお互い関連はなさそうとのこと。

原因もまだ特定されず、感染症かもしれないし毒素かもしれないし食中毒かもしれない。。。と。

この大陸横断鉄道は丸3日をかけて長駆するもので、30両編成(!)という壮大なスケールです(”のぞみ”の約2倍)。その中で、この騒ぎが起こっているのは1~2両のみとのこと。

また、列車が留め置かれた人口4643人の田舎町は蜂の巣をつついた様な騒ぎで、一時はスワSARSか・・なんて噂も流れたようです(カナダもSARS流行に思い切り巻き込まれた国のひとつ)。

まあ、各報道を読んでいる限り、とりあえずパンデミック発生!じゃなさそうな雰囲気が漂っておりますが、車内感染のリスクは考えないといけませんね。

SARS流行のとき、体制が整った04年のSARS散発では、患者が乗った列車の列車番号や号車まで中国の新聞では公表されました。 しかし日本の列車はどれも数時間で着いてしまうものがほとんどで、乗客はあっという間に拡散してしまい、フォローアップしにくいのが難点です。 また、フリークエンシーの高い日本の鉄道では、後で患者の乗車した列車が公表されても、自分がそれに乗ったかどうかわからぬ難点も。
 たとえば、この週末の私の行動は、土曜が神戸の甲南大で研究班会議、日曜は岡山で瀬戸大橋祭り。2日間で乗った列車は新幹線×2+新快速×1+普通×1+阪急特急×1+山陽電鉄特急×1+マリンライナー。 これで○月×日の○○○○Mの○号車に乗った人は申し出て・・といわれても不可。

考えさせられる1件です。

ソースは5月9日付globeandmail↓
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/RTGAM.20080509.wtrainnew0509/BNStory/National/home?cid=al_gam_mostemail

5月11日付googleニュース↓
http://ap.google.com/article/ALeqM5gFlSjtUIBDMVj9iFqsaSYEypMdpAD90I9BJO0

5月11日付CNN日本語版↓
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200805100019.html


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