新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

渡航医学業界もかまびすしくなるぞ。SOSがラッフルズに買収される?

2015-09-01 11:47:02 | 雑感/他分野ニュースから連想

渡航医学「業界ローカルネタ」なのですが・・・
ラッフルズグループがinternationalSOSの株式、55%を握るそうです。

internationalSOSといえば、渡航医学業界知らぬ人いない存在感。管理人もアフリカ在勤中から緊急移送ではさんざんお世話になり、北京にゆけばSOSクリニックの先生方には、公私にわたり、足向けて寝られない状況です。

一方でシンガポールのラッフルズグループは日本進出、大阪で外資系トラベルクリニック進出のうわさ(一度だけ「どうでっか?」と某筋からお声かけいただいてましたが、その後どうなってるのか不明)など今後存在感を発揮しそうです。

のれんの行方など、どうなるのかなあ。

ソースは株屋さん向けサイトにて、ようわからんですが、今後の提携中身が気になるところです。

ソースはedgemarket
http://www.theedgemarkets.com/sg/article/raffles-medical-group-unit-acquires-55-stake-international-sos

Raffles Medical Group unit acquires 55% stake in International SOS

 


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黄熱病イエローカードは偽造しほうだい(スーダン)

2015-09-01 08:33:43 | 雑感/他分野ニュースから連想

管理人がスーダン在勤中も確かに耳にしてはいた話ですが、ここ最近ますます顕在化しているらしい件。イエローカードの偽物がヤミ両替と同レベルで路上展開していると。

  • 首都ハルツームの路上。物売りの少年が声をかけている。「ドル両替しませんか?レート良くしときまっせ。それともタバコいかがですか? そうそう、イエローカードほしくないですか?」
  • この国で黄熱病ワクチン接種には200スーダンポンド(約32米ドル) かかるが、黄熱病偽造イエローカードは50スーダンポンドで買えるので、子だくさん家庭を中心に需要がある。
  • 現地の開業医インタビュー。この国で黄熱病患者なんか見たことがない。だから注射を希望せずに偽造カードに走る人々がたえない。
  • スーダンでの針刺しを嫌がる外国人にも需要があり、相場の4倍200スーダンポンドで売れたりすることさえある。
  • ラマダン期間中には、1日に250枚売り上げたこともあると豪語する者も。
  • その背景には保健省役人の腐敗、警察の腐敗(路上密売人いわく、この2か月で警官から5回カネをせびられた)貧困(この密売をやらなければ仕事がない)がある。
  • ワクチン証明書の偽造は世界的傾向で、ナイジェリアでは空港で係官が売っているし、南スーダンでも、あるいはパキスタンのポリオワクチン接種担当者でも。

実はこれ、必ずしも目新しい話ではなく、管理人のスーダン在勤中も現地人からも外国人社会でも耳にしたことはあります。そして、首都ハルツームにいる限り、黄熱病ワクチンの必要性を実感する場面がまず無くて危機感が共有されにくいのも事実。しかし、このニセ証明書が、ひとりの売人だけで1日250枚売り上げる状況下、丸はだか状態でハッジ巡礼だ何だとどんどん国外を行き来するのはお寒い限りの現状です。

これを防ぐには、現行の様式、ちょこちょこっと書いてスタンプポン!で出来上がるのではなく、ICチップ式にでもする必要がありましょうが、そのようなコストを上乗せすることは誰がどう見ても困難なわけで(篤志家があらわれても、そのお金はもっともっと優先順位の高いものがいくらでもある)、媒介蚊対策の徹底がのぞまれます・・・と書いてはみたものの、ポリオワクチンにせ証明書や他のワクチンもありますから、どうしようもなく頭の痛いところです。

ソースはThe daily beast
http://www.thedailybeast.com/articles/2015/08/31/sudan-s-vaccination-card-black-market.html

08.31.151:03 AM ET

Sudan’s Vaccination Card Black Market


ProMED

http://www.promedmail.org/direct.php?id=3613781

 

 


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わずか1週間前に世界の地震専門家がネパールに集まり対策協議していた!

2015-04-26 18:44:56 | 雑感/他分野ニュースから連想

わずかたったの1週間前、地震や社会学の専門家たち50名がカトマンズに集合して話し合っていました。

ここで大地震が起こったら、被害は甚大。今から対策、なにから手をつけるべきかと・・・彼らはそれが時間との闘いであることはわかっていたけれど、具体的にいつがXデーなのかはわからなかった。。。

物理学的にも地政学的にも、まさに我々が恐れていたことそのものが起こってしまったと、ケンブリッジ大学教授のコメント。

MSFの科学者も、今回のエリアを歩き回りながら、(地震が来たら)相当なトラブルになるぞと考えていたとコメント。

活断層の問題だけじゃなくて、現地事情、人的問題から被害拡大するぞと。

おなじ震度でも、カルフォルニアなら人口100万あたり10~30人の犠牲者のところ、ネパールでは1000人の被害、パキスタン・インド・中国の一部では1万人の被害を予測(So the same level of severe shaking would cause 10 to 30 people to die per million residents in California, but 1,000 maybe more in Nepal, and up to 10,000 in parts of Pakistan, India, Iran and China, said USGS seismologist David Wald.)

う~ん。あと5年10年遅く発生していたら、結果は違っていたかもしれないのに。
大自然の非情さを再確認です。

ソースはUT Sandiego
http://www.utsandiego.com/news/2015/apr/25/experts-gathered-in-nepal-a-week-ago-to-ready-for/

 


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ネパール救援第一陣出発!

2015-04-26 14:09:49 | 雑感/他分野ニュースから連想

ネパール震災救援第一陣。送り出し行ってきました。

AMDAネパール、そしておそらくは周辺国のAMDAから合流して総勢100人ぐらいの活動規模になるかと思います。

 

http://amda.or.jp/

 

****************************************************
(以下コピペ)

 

本日、4月25日15時11分(現地時間11時56分)頃、ネパールの首都カトマンズから北西77km(北緯28.16度、東経84.72度)地点を震源とする、マグニチュード7.9の大地震が発生した。(米国地質調査所による)

カトマンズでは、煉瓦造りの建物が多い旧市街地を中心に甚大な被害が発生している模様である。カトマンズのAMDAネパールの支部長サロジ・オジャ医師らの安全は確認できたが、現地との通信が大変繋がりにくい状況が続いている。

この甚大な被害に鑑み、AMDAでは日本からの緊急支援チームの派遣を決定した。明日のうちに、マレーシアのクアラルンプールまで行き情報収集などを続け、カトマンズ空港が再開次第カトマンズ入りし、AMDAネパール医師団とともに医療支援活動を行う予定
である。

■本部からの派遣
4月26日
関西空港発16時55分 クアラルンプール着 22時40分
(エア アジアD7 537)
岡山駅発 12時49分 (のぞみ24号) 新大阪経由
関空着 14時34分

岡山駅新幹線改札 12時20分集合

■日本からの派遣者プロフィール
大政 朋子(おおまさ ともこ)GPSPクアラルンプール事務所長
(4月のサイクロンパム緊急支援活動から帰国後、本部滞在中)

柴田 幸江(しばた さちえ) プロジェクトオフィサー 看護師

■現地協力団体
AMDAネパール
AMDA ネパール支部は、91年のビスヌ村プロジェクト、巡回診療プロジェクトを皮切りに、様々な医療プロジェクトを実施してきた。また93年のジブチのソマリア難民緊急医療支援以来、04年スマトラ沖大地震大津波、10年ハイチ大地震他、数々のAMDAの多国籍医師団の緊急医療支援活動に参加している。

■これまでのネパールでの主な活動
(AMDAネパールとAMDAの共同事業)
1991年 カトマンズ近郊ビスヌ村地域保健及び巡回診療プロジェクト
1992年 ブータン難民緊急救援医療支援プロジェクト
1993年 東部洪水緊急救援プロジェクト
1994年 タンコット村眼科診療及び母子保健プロジェクト
1998年 シッダールタ母と子の病院開院

【皆様からの募金を受け付けております】
●郵便振替:口座番号01250-2-40709
口座名「特定非営利活動法人アムダ」
●楽天銀行:ロック支店 店番202 普通預金7002547
口座名「特定非営利活動法人アムダ」
●銀行振り込み:中国銀行(銀行コード168) 一宮支店(店番188)
普通口座1347410 口座名「特定非営利活動法人アムダ」
●クレジットカード募金:
◇AMDA全日信販カード
http://amda.or.jp/content/content0001.html

【お問い合わせ】
AMDAボランティアセンター
〒700-0013 岡山市北区伊福町3-31-1
TEL:086-252-7700 FAX:086-252-7717
E-mail: member@amda.or.jp
http://www.amda.or.jp


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旅に出たら触っちゃダメ!なところ

2014-12-14 23:11:11 | 雑感/他分野ニュースから連想

インフルエンザがらみで、ここを触ったらアブナイ、ドアノブ・リモコン・蛇口・・・という報告がありましたが、今回は休日シーン編。クリスマスや正月休みにはご注意を。

  • 今年のインフルエンザはH3N2を主流とするイヤなシーズンとなる。ここではウイルスの見逃されがちな潜伏場所7か所を紹介。
  • 機内食のプレートとシートポケット。シートポケットの材質でMRSAは168時間生きながらえる。O157は座席の肘掛で96時間生き延びる。
    http://www.sciencedaily.com/releases/2014/05/140520100420.htm
  • 自動改札機があぶない。電車やバスで通勤する人は6倍のリスクと。
  • オフィスのコーヒーサーバーとウォータークーラー。40~60%。
  • トイレの液体石鹸入れ。4個にひとつは細菌検出(糞便成分含む)。
  • 航空機、列車、劇場の通路側席は危険。2008年に嘔吐下痢のノロ感染者のグループがボストン⇒LAを移動した際に二次感染が多数おこった。その際に二次感染したのは、患者の隣席の人か、通路側席の人だった。
    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20353365
  • 塩・こしょう入れ
  • ジムのエクササイズマシン

う~ん、管理人的に目からうろこだったのは、通路側席ってリスクが高いのですね。そういえば、LCCのピーチでは、座席指定料金が窓際席が通路側席よりも高額になっています(↓プレジャーシートが窓際席、スタンダードシートが通路側と真ん中席)
http://www.flypeach.com/jp/ja-jp/fares/feesandcharges.aspx

ソースはMarketwatch
http://www.marketwatch.com/story/7-unexpected-places-germs-hide-during-flu-season-2014-12-12?mod=MW_video_trending
Don’t touch anything this holiday season<iframe id="google_ads_iframe_/2/marketwatch.com/travel_story_0__hidden__" style="vertical-align: bottom; display: none; visibility: hidden; border-image: none; border-width: 0px;" name="google_ads_iframe_/2/marketwatch.com/travel_story_0__hidden__" src="javascript:&quot;&lt;html&gt;&lt;body style='background:transparent'&gt;&lt;/body&gt;&lt;/html&gt;&quot;" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" width="0" height="0"></iframe>

Published: Dec 13, 2014 8:09 a.m. ET

 


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スーダン難民キャンプで原因不明死バタバタと

2014-11-05 09:15:51 | 雑感/他分野ニュースから連想

スーダンのダルフール難民キャンプ。管理人がスーダン在勤中には、ダルフール問題をしょっちゅう耳にしておりましたが、ここ最近、小児の原因不明死が相次いでいます。

  • ダルフールのチャド難民キャンプ。
  • この2週間で小児6人が連続死、原因不明。Azum locality, Central Darfurで流行している原因不明の発熱。
  • Um Shalaya campでは、2歳児、11歳児の犠牲者。症状は発熱・下痢・全身腫脹。
  • El Gezira 州保健当局は、今年から11674例のマラリア患者が発生し79例が犠牲になっていることを報告。また、今年は首都ハルツームやEl Gezira, West Kordofan, and North Darfurでもマラリアが激増している。
  • また、現地では悪性腫瘍も増えていて、El Zurra Hospitalでは1200例の新ケース、111例の死亡例がでている。

マラリア激増、がん多発、原因不明の発熱下痢腫脹で小児が次々亡くなる。キャンプ外を含めて、修羅場が展開しています。

管理人がハルツームに在住していたあいだも、ごく近い同僚家族がマラリア感染したりしておりましたが、首都においてもマラリア激増というのは悲しいお話です。

ソースはRadio Dabanga
https://www.radiodabanga.org/node/83046

More children die in Central Darfur refugee camp

 
AZUM / WAD MADANI
 

3 Nov

 


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ベルギーの川にポリオウイルスが45リットルも流れ出しちゃった件

2014-09-17 08:47:30 | 雑感/他分野ニュースから連想

ベルギーのグラクソ工場から、人為的ミスでポリオウイルスが45リットル流出しちゃった騒動。

流出域は「the Rosieres water-treatment plant and then, after treatment, into the river Lasne, which flows into the river Dyle, which in turn flows into the Escaut/Scheldt.」。

当局は流域の水や泥を調査する騒動、結果はすべて検出されず。ベルギーのポリオワクチン接種率が95%あることもあり、比較的冷静な受け止めの模様。

ここで思い出すのが、2003年SARS流行の翌年2004年、中国でぽつぽつ数件発生した、研究施設からのSARSウイルス漏出事件。その感染者が乗った列車が公表され前後数列の客に名乗り出るよう要請が新聞に載ったりしていました。このようなことも、起こりうる現実ということですね。

ソースはCIDRAP
http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2014/09/news-scan-sep-15-2014

ECDC
http://www.ecdc.europa.eu/en/publications/Publications/communicable-disease-threats-report-13-sep-2014.pdf

Accidental release of 45 litres of concentrated live polio virus solution
into the environment - Belgium
Opening date: 10 September 2014 Latest update: 11 September 2014

 


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14世紀の黒死病は空気感染だったというお話

2014-03-31 08:36:58 | 雑感/他分野ニュースから連想

ロンドンの工事現場から出てきた白骨を分析してみたら、黒死病の感染様式は空気感染だったと判明。

  • 14世紀にロンドンで猛威をふるった黒死病。歴史の教科書的には、不衛生な環境下、ネズミやノミで感染拡大したことになっている。
  • 今回、ロンドンの鉄道工事現場から出土した当時の白骨を、考古学者と法医学者が分析した。
  • 結果判明したのは、流行のペースが(ノミやネズミにしては)あまりにも早く、空気感染による肺ペストだったのではないかと。

黒死病といえば、死亡率の高い新興感染症があらわれると「現代の黒死病」と形容されることが多いように、致死的疾患の代名詞になっています。その教科書的記述がひっくり返るような話しで、UKではかなりな話題になっている模様。鉄道の新線建設をすると14世紀の白骨がゴロゴロ出てきて、考古学者が飛んできて黒死病のナゾを解明する・・・歴史の重みというか、考古学の重みというか、幾重にも条件が重なってスゴイ話ですね。

ソースはguardian
なかなか実感的な写真が載っておりますので、お食事の済まれた方はクリックしてご覧ください
http://www.theguardian.com/science/2014/mar/29/black-death-not-spread-rat-fleas-london-plague

Black death was not spread by rat fleas, say researchers

Evidence from skulls in east London shows plague had to have been airborne to spread so quickly
 

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カナダでも出血熱騒動が現在進行形(リベリア発?)

2014-03-25 13:31:38 | 雑感/他分野ニュースから連想

いただいた情報。このところ、ギニア・シエラレオーネとエボラ出血熱の報告が続いているのですが、シエラレオーネ⇒カナダと思われるケースがカナダで騒動に。

  • カナダ サスカチワン州の病院にて重症例。病院名はプライバシーを理由に明かされず。
  • 男性。年齢明かされず。症状は発熱とその他とのみ。
  • 仕事でリベリアに渡航、帰国後入院。
  • 出血熱疑いで精査中(注:この会見ではエボラとは言われていない。hemorrhagic feverとのみ)
  • 患者の体液と接触した者は自主隔離をと呼びかけ。
  • 出血熱では、最も高リスクは医療従事者。体液に防護処置なしに接した場合など。

ギニアとシエラレオーネとリベリアの位置関係はこうなっています(外務省HPから)。
同じ国を人工的な国境線で無理矢理分割したかのような位置関係です。

 

ソースはCBC
http://www.cbc.ca/news/canada/saskatchewan/man-critically-ill-in-saskatoon-after-travel-to-africa-1.2584762?cmp=fbtl

Man critically ill in Saskatoon after travel to Africa

Suspected case of viral hemorrhagic fever under investigation

CBC News Posted: Mar 24, 2014 3:26 PM CT Last Updated: Mar 24, 2014 5:57 PM CT

 


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今日から8歳です

2014-03-17 08:26:43 | 雑感/他分野ニュースから連想

ふと気がついて記事一覧見てみたら・・・

昨日が当サイトの誕生日、でした。2007年3月16日。そして今日から8歳に。

8歳といえば小学3年生。中学年になって好奇心ますます盛んになります

今年も何とぞよろしくお願いします

 


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