逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

テロリストに期待する日本政府(金賢姫VIP待遇で来日)

2010年07月23日 | 東アジア共同体

『極悪テロリストに対して国賓待遇』日本の非常識

9・11以後の世界では、アメリカ軍やNATO加盟の欧州各国の同盟軍は、『テロリスト』に対する終わることの無い不毛の『対テロ戦争』に全力をあげて戦っているが、世界最強の軍事力を持つ軍隊や最強の軍事同盟をもってしても勝てずに、現在苦戦(負け戦?)状態である。
日本にとって『一番大事な身内である』ともいえるアメリカや欧州各国が『対テロ戦争』の泥沼にはまり込み悪戦苦闘の真っ最中のこの大事な時期に、よりによって日本国は大韓航空機を爆破して乗客乗員115人を殺した最悪のテロリストで既に死刑判決も出ている自称日本名蜂谷真由美、韓国名金賢姫(キム・ヒョンヒ)を、あろうことが政府チャーター機で来日させ前鳩山由紀夫首相の別邸に滞在させる国賓待遇での厚遇ぶり。国際的な恥さらしの愚行を重ねている。
日本政府は対テロ戦争を行っている世界各国に向かって正反対の行動をして見せて『喧嘩でも吹っかける』心算なのだろうか。?
今回『日本政府の拉致問題のいき詰まり』の隠蔽という目先の小さい政治目的を優先して、日本が世界の流れに逆らっているとか、日本の国益やイメージにどれだけの損害を与えているとかの自覚がまったく無い。
今の日本の外交感覚は1998年の北朝鮮の衛星打ち上げ失敗のテポドン騒動以来『脳死状態』であると世界から思われる危険なレベルに達している。
今回のテロリストの国賓待遇には『ジェット機爆破事件の北朝鮮元工作員が日本で歓迎される』と題する記事で英インディペンデント紙や英ガーディアン紙が批判的に報道している。
韓国紙では、『訪日で金元工作員に3000万円の謝礼が支払われた』と報じているし、日本国内の移動では10台程度の警護付きで信号を全て青に変え、高速道路では一般車両を締め出し調布飛行場から搭乗ヘリが飛び立つ時は5・5キロ圏内の民間ヘリの締め出す徹底振り。30キロ離れている東京江東区へリポートに40分かけて遊覧飛行までさせる。
4000坪の長野県軽井沢の元首相別邸で滞在後22日の宿泊先は千代田区の高級ホテルのスイートルームで一泊105万円の豪華仕様。
警備や滞在、移動など全てにわたって国家の賓客として遇されていたが『国際感覚』とか『遵法精神』とかが日本政府には全く無い。
日本政府の愚行をそのまま批判せずに報道する日本の大手メディアに比べれば、まだしもスポーツ紙の記者の方が少しは常識が残っているのか、それとも記者クラブの縛りがゆるいのか見出しを読むと『歓迎一色』では無く、『拉致被害者についての新証言・新事実無いまま』、『金賢姫 ヘリ豪遊40分間70万円ナリ』、『「テロリストにVIP待遇か」批判の声』など少しは冷静な視線が残っている。
今回北朝鮮では全て横並びの大手メディアの中では朝日新聞が『ヘリ・警備…金元死刑囚来日、異例ずくめ 乏しい新情報』と題して海外メディアの冷めた対応も紹介して、他の新聞と少し違う報道姿勢でこの変化は何か意味があるのか、これからの姿勢が問われている。

『軍人大統領盧泰愚当選の「神風」、大韓航空機爆破事件』

当事日本人を自称した蜂谷真由美の裁判権は元々韓国には無く、旅券を偽造された我が日本国か、それとも現地の中東ドバイか拘束された場所であるバーレーンにある。
当事も今も日本と韓国の間には日米両国にあるような犯人引渡し協定は無い。
いったん日本側(現地の外務省職員)で身柄を確保した(連合赤軍などの破壊分子かもしれない)日本人を名乗る限り、蜂谷真由美が韓国に引き渡される何らの法的な根拠は何処にもないのである。
また日本側が確保している日本人犯罪容疑者を簡単に外国(韓国)政府に引き渡すようでは日本国外務省の看板が泣く。
日本であれ何処であれ自国民の保護は駐在外交官の基本的任務なのである。
しかし、対北融和政策で人権派の金大中と自国民を大量に虐殺した光州事件を引き起こした職業軍人盧泰愚が大統領を争った大統領選挙の『投票日の前日』にソウル入りする為には、日本が裁判権を放棄する必要がどうしてもあった。
大事な大統領選挙の投票日の前日、タラップを降りる猿轡姿の美女というような三文映画風の大芝居が大成功して、人権派で北朝鮮との緊張緩和を訴えていた金大中は惨敗し、その反対に空挺部隊を指揮して大弾圧(大虐殺)を行った盧泰愚が大統領に当選する。
この大統領選挙の逆転劇の最も大事な工作員は、間違いなく蜂谷真由美こと金賢姫(キム・ヒョンヒ)であろう。
金大中の様な純粋な思想犯(政治犯)なら有り得るが、『特赦で減刑』とは誰が考えても死刑が無期懲役になる程度のことですよ。
数人を殺しても有り得ないのに、115人を殺した実行犯として死刑判決を受けた金賢姫が特赦で無罪放免は絶対に無い。
今度の天安沈没の経緯でも分かるように、市民を馬鹿にするにも程ほどにして欲しいが、この連中は世間を舐めているとしか言いようが厚顔無恥な厚かましさである。
この『特赦』なるものの意味は、軍事政権側の盧泰愚大統領当選の幸運の女神への『褒賞』の意味であろう。
海外逃亡犯には幾ら時間が経ったとしても時効は成立しないので、今でも日本の偽造旅券の行使の罪は消滅していない。
今の様に本来逮捕拘留すべき『犯人』韓国名金賢姫(キム・ヒョンヒ)を逆に警察が守るなどは、無様で見苦しい限りである。
日本国が近代的な法冶国家であるなら、今すぐに日本の警察は自称蜂谷真由美こと金賢姫を逮捕、連行して大韓航空機爆破の経緯や日本人拉致問題との関連を聞くなどの法の公平で厳格な執行が求められている。

『天安沈没が20年前の事件なら軍事政権が大勝利』

2年後に大統領選挙の勝敗を占う中間選挙的な意味合いを持つ韓国の6月2日の大事な統一地方選挙。
投票一週間程前までは軍事政権継承政党の与党ハンナラ党の優勢で『大勝利間違いなし』の雰囲気でしたが、最終盤で野党民主党(旧ノムヒョン政権)が大逆転して大勝利(与党の大敗北)。
38度線で北朝鮮と直接対峙している韓国では、昔から大事な選挙の直前には決まって『北風が吹く』(安保政策重視の軍事政権が有利)と言われてきた。
今回も哨戒艦沈没の調査団発表の5月20日からは北風が吹き続けて、治安や安保優先の与党側優勢になっていた。
ところが結果は太陽政策(対北融和、緊張緩和政策)の野党側が大勝利する。
野球なら9回裏逆転満塁さよならホームランのような話です。
一昔前の韓国の民主主義は、日本などとは比べられない位に大きく立ち遅れていて長い間、南も北の朝鮮半島は野蛮な軍事独裁政権が政治を行ってきたのですが、人権派金大中の大統領当選以来大きく日本と韓国の立場が入れ替わり、北風などには影響されないほどに健全化されたのでしょうか。?
日本の民主党政権ですが、正に金大中以前の韓国の軍事政権と同じような危険な『北朝鮮カード』を使っています。
日本での『北朝鮮カード』は実に有効で絶大な威力があり02年の小泉訪朝以来、日本国中に『北風』が吹きまくり、今では左派の護憲政党は一桁代の弱小政党に成り果てている。

『効果は絶大だか副作用も大きい北朝鮮カード』

今の日本では、拉致問題が何か国家の一大事であるかの如き絶対命題とされているが、良く考えてみれば分かるように拉致問題は30年前の十数人の日本人が関係しているだけの、極限定された矮小な過去の事件である。
確かに暴力により無理やり拉致された本人達にとっては大問題中の『大問題』であるかも知れませんが、それ以外の人々、日本国民1億2千万人もいる中で考えれば小事中の小事に過ぎない。
70年前の日本が行った数百万人の朝鮮人中国人の拉致(強制連行)や65年前のソ連による日本兵60万人の拉致(シベリヤ抑留)のような過去の話を例に出さなくても、今現在会社の意向一つで強制的に行われている何十万人もの出向や単身赴任などは、人権意識の高い欧州の基準なら有り得ない人権侵害であり、限りなく『拉致行為』に近い蛮行である。
今日本国は自殺が1997人以降毎年毎年3万人が以上である。これは毎日毎日100人が死んでいるのです。未遂を含めると膨大な数字ですよ。
これだけ熱いと1日の海水浴客の溺死者でも何十倍にもなるし、日本政府の労働や経済対策の失敗に因る一日の過労死や労災死でも拉致問題よりもっと多い。
日本国全体の為に『何が大事なのか』の優先順位(価値判断)が根本的に間違った方向に向かっています。

『無邪気に信じ込む日本と、信じない韓国』

韓国軍哨戒艦天安沈没での北朝鮮魚雷攻撃との軍調査団発表ですが、日本では『北朝鮮は悪い』は無条件で信じられているので、調査結果を疑うなどは有り得ないのですが、韓国ではその正反対で韓国の軍事政権も北の軍事政権も程度の差こそあれ同じ程度であることが良く知られている。
天安沈没の衝撃の結果発表から投票日が2週間近くあったことで、大韓航空機爆破事件の時のように投票日前日の美女の爆破犯人ソウル入りの時とは大違い。
冷静に調査団の証拠を考える時間的な余裕があった。
韓国は国策としてインターネット導入を行い人口比では今や世界一のインターネット大国で、人権派前ノムヒョン政権もネットにより世論に押されて当選している。
もともとの発表だった魚雷部品の破片なら信憑性は高かったのに丸ごと本物は駄目です。『北朝鮮は怖い』と匂わせる程度なら良かったのに軍事政権継承政党のハンナラ党は欲を出しすぎて『やりすぎた』のです。今回もネット世論は大きく影響しているでしょう。

『宣伝広報など情報戦をするのが情報機関の役目』

20日、上院情報特別委員会で米国のCIAなど16情報機関を統括する国家情報長官(DNI)の承認公聴会が開かれ指名されたジェームズ・クラッパー国防次官(情報担当)は、、『北朝鮮が韓国哨戒艦「天安(チョンアン)」への魚雷攻撃に続き、再び韓国を直接攻撃する恐れがある』と、書面回答をしている。
つい最近アメリカ国内でロシアの情報機関員が10人も纏めて摘発されニュースに成っていたがロシア人スパイ達のやっていたことは普通の街中に有る情報の合法的収集であったと言うし告発された罪状は外為法や出入国での書類の不備程度(不実記載)で、極秘機密等に関するスパイ罪ではない。
第二次世界大戦中にアメリカの情報機関は普通に出版されている新聞や雑誌、各種の会報などの合法的に集められる情報を全て集めて分析することで日本軍の配備に関する重要な必要情報の8~9割を蒐集することに成功している。
多分この事実は、今でもそれほど大きく事情が変わっている訳ではないのだろう。
そして、これらの情報収集だけなら日本の商社マンでも同じことを行っているし、勿論普通の報道機関も同じ仕事をしているのです。
実は情報機関の特殊任務とは情報を集めるのが主なる仕事ではない。それは付随した事柄にすぎないのです。
集めた情報を、そのまま流すのは情報機関ではなく『通信社』の仕事です。
情報機関にしか出来ない任務とは、集めた情報を使って『宣伝広報』や後方攪乱の目的での『情報操作』や意識的にニセ情報を流して『情報攪乱』を行うことなのです。
今回のジェームズ・クラッパー国家情報長官(DNI)の『北朝鮮が韓国を攻撃する可能性』とは、まあ情報機関の本来の役目を考えれば、当然と言えば『当然』でしょう。

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これでいいのだ (疑問に思う人)
2010-07-22 12:47:57
所詮、取り戻す気なんかない単なるアフォーマンスなんだから、これで十分でしょう。うちの親は、呼んできて何になるのか分らんと、実に素朴な疑問を発していましたが。
ちなみに、拉致問題は北朝鮮による国家的犯罪で、テロ行為うんたらかんたららしいんで、人数の大小は問題じゃないのでしょう。
それに、自殺対策だのその他の対策しても注目されないが、拉致問題は絶大なパフォーマンスになりますし。
というか、取り戻すのが目的なら、どんな手段も考慮されるべきなのに、なぜか強硬策一辺倒。何時になっても解決しそうにありませんねえ。
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左翼護憲派のために良くない (逝きし世の面影)
2010-07-23 10:59:00
疑問に思う人さん、コメント有難う御座います。

私が何度もブログで拉致問題に言及しているのは『日本人拉致問題』に興味があるからではないのですよ。
記事を書く動機は正反対で、まったく自分的には興味が沸かないが、これが日本の政治、特に左翼護憲派のために『悪い』(選挙で負ける)からなのです。
天安沈没で何度も記事を書いているが、これも全く同じ動機からで、哨戒艦沈没には何の関心も無いが、日本の政治、特に事件結果の発表直後の参議院選挙に影響すると思うから何べんも触れているのです。
共産党など左翼護憲派が大敗北すると予想するから、(悪い意味で)天安に興味があったのです。
このブログは政治ブログでは珍しく宗教のカテゴリーを持っていて何度も宗教に触れているのですが、これも『宗教』に興味があるから宗教のカテゴリーの記事を書いている訳ではない。
目的や動機は全く逆です。
記事を読んだ人なら気が付いていると思いますが、無神論の立場から『宗教嫌い』は徹底的なので『宗教』などは触れる事自体、嫌で嫌でたまらないが、このことが原因で大変な事(災難)が自分達に起きているから仕方なく原因について考察しているのです。

しかし、それにしても左翼護憲派で拉致問題も大韓航空機撃墜事件も天安沈没事件でも書いているところは少ないし内容的にも満足のいく記事も少ない。宗教を取り上げているところはもっと少ない。
自分の持っている弱点を避けるのではなく真正面に対峙しない限り左翼護憲派の復権は何時まで経っても無理でしょう。
『攻撃こそ最大の防御である』とは、日本の護憲派にこそ必要な標語ではないでしょうか。?
日本の政治事情とは大違いで、哨戒艦天安沈没の北風に、正々堂々避けることなく真っ向から反論した韓国の野党は歴史的な大勝利をしているのですよ。
今回天安問題では共産党は赤旗紙上で全てのマスコミに真正面から対決して天皇ヒロヒトの戦争責任キャンペーンを行ったように、韓国の野党民主党や民主勢力の主張を紹介して正々堂々と論陣を張れば十分に勝てたのですよ。
アメリカ製の謀略事件とは大違いで、メイドイン・コリアの謀略事件は出来が悪くて、即座に反論しても十分に論証が可能です。
今回の管直人の消費税10%の参議院選挙ですが、鳩山由紀夫の『日本が先頭をきって制裁』など幾らでもネタは多過ぎて困るほどで、日本共産党は負けるはずはなかったのです。
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ドン詰まり (疑問に思う人)
2010-07-23 11:26:20
しかし、そういう主張をしたところで、復権できますかね。余計に逆効果になりそうな気もするのですが。それとも、護憲左派の支持を得る為には、その方が良いのでしょうか。
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効果抜群で、韓国では大勝利 (逝きし世の面影)
2010-07-23 15:14:35
日本のマスコミの選挙分析では、選挙前は与党ハンナラ党が勝つと思っていたし、選挙で大敗北後には、韓国市民は『戦争か。平和か』で、『平和』を選んだから野党側が勝ったのだと事実とは正反対に描いている。
何時もなら北風事件が起こると必ず、今回の李明博大統領の『戦争も辞せず』との勇ましい安保論を掲げる軍事政権側が支持されて常に勝っていたのです。
『勝てる』『選挙に有利だ』と李明博政権が考えたから(何時もは勝てたから)あの怪しすぎる証拠をでっち上げてまで無理やり『北朝鮮犯人説』を主張したのですよ。
日本とは大違いで韓国と北朝鮮とは経済的に不可分に結びついており今更(日本と北朝鮮のように)完全分離は出来ないのです。
ですからハンナラ党政権の勇ましいポースはあくまで恰好だけで本物ではない。
何時もの、単なる選挙のパフォーマンスなので選挙が済めばなるべく速やかに収束したい。
ですから南北朝鮮が今更全面戦争にならないと思っているのですよ。
それで何時でも南の軍事政権が『北風』を選挙で利用して勝利してきた悪弊が、今回の天安に限らず韓国では長年続いていた。

ただ今回は大失敗。
天安問題で選挙で勝つどころか、天安で与党ハンナラ党李明博政権は歴史的な大敗北を喫したのです。

原因はもうこれは、ボクシングでのカウンターパンチと原理と同じで、韓国の野党や民主勢力が天安問題で大反撃して、政府の数々の嘘を暴いた事に尽きるでしょう。
天安沈没が『北朝鮮の攻撃』とは何の関係も無いと韓国の多くの有権者が思ったから与党ハンナラ党は負け、その反対に偽装工作を暴いた野党民主党が大勝利したのです。
韓国は46人も死んだ当事者ですよ。
部外者である日本は韓国よいも、もっと冷静に判断出来る環境にあります。
共産党機関紙赤旗が正しく事実を報道していさえすれば必ず勝てた。
最低限韓国の与党側だけでなく野党側の言い分も公平に報道していれば、今回の参議院の選挙結果とは正反対で、必殺のクロスカウンターが鮮やかに決まり、日本共産党は大勝利していた可能性は十分高いのですよ。


現実に、その作戦で韓国野党は大勝利しているのです。
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昭和天皇の戦争責任追及 (逝きし世の面影)
2010-07-24 10:10:47
20年程前に行われた下血騒動中の『天皇ヒロヒトの戦争責任』追求キャンペーンの赤旗紙上での連載は大失敗に終わっている。
これは共産党が、『戦争責任』という絶対に踏んではいけない虎の尻尾を踏んでしまったので痛い目にあったのです。
一見、似ているようだが、
今度の天安沈没時での韓国側民主勢力のやった事とは正反対に成ったが、仕組みが正反対だからなのですね。
日本共産党は本音と建前、歴史的な客観的事実と便宜上の歴史解釈とを混同してしまい、とんでもない勘違いをしているのですよ。
先ず『天皇に戦争責任は有ったのか、無かったのか』?
これは間違いなく『有った』のです。明治憲法の条文を読めば戦争を起こすなど天皇以外には誰にも無い。
今の右翼連中のように開戦が『天皇の責任でない』『天皇にはそんな権限は無かった』などと帝国の敗戦までに一言でも口外すれば間違いなく憲兵か飛んで来て即座に連行され監獄行きは免れない。
当事は、天皇の帝国陸海軍に対する統帥権こそ、全てに優先する事柄であったのです。
『戦争責任は無かった』などの戯言に対しては、『その同じ言葉を65年前に言って見ろ』と言いたい。65年前には正反対の事を主張していたのに敗戦した途端に、単にその時の時流に乗って強そうな者に媚びているだけ、手のひらを返して正反対を主張する卑怯極まる変節漢に過ぎない。
では共産党の『天皇の戦争責任』追求は正しいのか。?
純粋に客観的な科学としての歴史的事実が正しいのと、
彼我の力関係を考慮して成り立っている政治的政策、方針の主張、判断が正しいとは必ずしも一致しないのですよ。
このこと(科学的事実と政治的判断)が同じでないとの普通の政治家なら誰でもが知っていなければならない原理、原則が共産党には不足しているのですよ。

日本型ファシズムにはドイツやイタリアのような明確な戦争指導者がいないのです。
東条英機は組織のために働く有能な軍事官僚ではあったが、果たして自分の明確な目標を持った『政治家』と言える水準にあったのか。?
開戦を天皇ヒロヒトに上奏するときに泣き出すなど到底政治家などといえない。
五味川順平が『御前会議』が指摘しているように唯一の主権の天皇も、『天皇は拒否しない、そもそも天皇にはNOと言うだけの勇気が最初からない』
のですよ。
戦争責任をおうべき明確な戦争指導者が日本には最初からいないのですから戦争責任の追求も明確には出来ない構造的な曖昧さがあるのです。

しかし、それでも現実に戦争は始まり日本人350万人、中国など近隣アジア諸国では2000万人の犠牲者がでたのですが、これを便宜上東条らA級戦犯の政治責任であるとして決着され現在に至っているのです。

共産党の天皇戦争責任追及は、この有耶無耶決着させた政治判断の胡散臭さを歴史の闇から表にだす、日本人の『誰もが喜ばない』タブーに近い事柄だったのです。
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