逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

(続)共産党のテサロニケ的党名変更問題

2010年07月28日 | 共産党
『政党の目的は政権をとること』

今回歴史的な大敗北を喫した第22回参議院選挙以前の、今までの日本共産党は得票率7~8%450万の得票で有権者全体の5%弱程度でしょうか。
此れでは確かに政権は執れません。
その事を党中央も知っていているので『確かな野党』なのです。
しかし1980年代以前は民主連合政府と言うれっきとした政権構想を持っていた。
共産党であれみんなの党であれ、政党とは政権を執ることを目的に結成されているものなのである。
今の共産党に何が必要で何が不足しているのか。?
共産党に限らず、『問われるのはその党の中身』であり、共産党の最大の問題点は『党の主張や中身がホントは伝わっていない』ことであり『問題はイメージや党名ではなく、運動のあり方や、やり方』であるとするのが一般的な共産党執行部の考え方である。
この考え方を短く要約すると、『名前(外見)よりも中身に意味が有る』と考えていると解釈出来ますが、それなら私と共産党執行部は全く同じ考えで有ると思います。
では何が違うのか。 
現在において『共産』は正確な翻訳語では無いと私は思っています。
時代によって世界は変わりますし、言葉も変わります。
日本の1945年8月15日の日に実際に起こったように。政治体制が変われば『善悪』さえも簡単にそれまでの正反対に変化するのです。
90年前には正しい常識でも今は通用しません。
90年前の明治大正時代の言葉は、今現在の日本においては殆んど通用しません。
『言葉』は1945年の敗戦後に大きく変化してそれ以前の普通の日本語は、古文と同じで専門的知識が無くては理解出来ないのです。
今の日本でそういう知識有る人達は5%ぐらいと言うことでしょうか。此れでは確かに政権は執れません。
政党にとって一番大切なのは如何すれば政権を執れるかです。
日本人の多くは共産=独裁(とのイメージ)と考えています。腹立たしいことに95%の日本人が共産=独裁と考えているのですよ。
残りの5%以下の少数の日本人だけが正しく中身を判断して、共産党を支持しているのです。
この状態を何とかしたいと共産党員や党執行部は思わないのでしょうか。
ソ連崩壊で党名変更が支持者の間に持ち上がった時に其れを静める為に、党綱領に有った独裁を執権に改めたのです。
共産=独裁と言う反共宣伝を防ぐ為に行われた変更自体は良い事ですが、こんな当たり前の単純極まる変更が40何年掛かったのですよ。愚かしい喜劇的話です。
みなさんは何故日本共産党は政権を執れないのか、理由は何だと考えて居られるのですか。
ぜひお聞かせください。

『共産=独裁というイメージ』

常識と言うのは、半分以上の人が信じていれば、其れは常識です。
正しいか、正しくないかは、この際問題では有りません。
現在、『共産=独裁』は日本の常識です。情けないことですが。
20年程前まで共産党自身が党綱領で『独裁』を目指すと大きな声で主張していたのですよ。
国民が馬鹿だから『共産=独裁』と思っているわけでは有りません。
一部党幹部が馬鹿だったから、『共産=独裁』と日本の皆が思うようになったのですよ。
『一度決まったことだから』という理由で『独裁』と言う言葉に頑強に、あくまで拘った一部党幹部が日本共産党幹部には居たのです。

『共産党』

日本における最大の組織政党は日本共産党です。
自民党員の内で、自分で党費を払らって居るのは極少数に過ぎません。
日本の政党で、党の綱領を読んでいて党費を払って居て党員を数十万人も持っているのは共産党だけです。
自民党員と言えるのは厳密に数えると600人足らずです。(総裁選挙の投票資格者数)
自分で党費を払って居る者の数は数万人でしょうか。たぶん公明党と同じか其れより少数でしょう。(公明党は自分で党費を払っていますが綱領を読んでいる者は小数です)
共産党は年季だけは誰にも負けません。
党員数も日本最大です。機関紙においては日本どころか世界最高の水準を誇っています。
経済政策でも自民党より優れているのは、幾らかの保守政治家も認めています。
経済界でも『資本主義のルールを守れ』と言う共産党の主張は、良心的な人々の共感を呼んでいます。
政党はいかに政権を執るかを目標にするものです。
その為に何を成すべきか、共産党執行部は考えて下さい。

『共産=独裁は常識』

日本は世界的に見ても文盲率が低い国で、60年以上前に共産党は合法化され、国会にも議席が有る有力政治組織です。
組織政党としては日本共産党は日本最大の政党で、共産党の存在を知らない日本人は日本にはいない。
戦前には共産党の存在そのものが秘密で、敗戦直後の衆議院選挙の時、国民の多くは初めて共産党の存在を知ったのですが、殆んど党員がいない状態でも35名の当選者が出ている。
現在共産党の得票数は党員数の十倍程度でしょう。
しかし他党は党員数の最低でも百倍以上の得票を得ているのですよ。
何故そうなのか。何故得票数が伸びないのか。その本当の理由を共産党幹部達は考えたことが有るのでしょうか。
『共産党』と言う『言葉』は普通の一般市民にとっては『タブー』なのです。
『共産党』を人前で喋ることは、暗黙の内に日本の一番大きな差別用語を使うタブーを犯す、其の事をみんなは気が付いています。
差別語を使用する時、聞き手と喋り手双方に大きなプレッシャーを与へます。
善良な人達はこの時、雰囲気だとか臭いだとか曖昧な意味不明な言い訳をしたがります。
党名として『共産党』を使い続ける弊害は、とんでもなく大きいのです。
党名が真面目な党員や支持者を苦しめ続けています。
この事を党幹部は知っていますが、自分達の怠慢の責任追及を恐れ、知らないふりをしています。責任を先送りしています。
あまりにも官僚的な態度だと思いませんか。

『官僚主義の弊害』

旧東ドイツにトラバントと言う名前の800CC2サイクルの自動車が有りましたが、35年間も東ドイツ崩壊まで最初の設計図のまま、全く変更せずに同じ自動車を作り続けていたのです。
何故彼等はこんな馬鹿な愚かしい事が出来たのでしょうか。
理由は簡単です。
最初の『設計』が『間違っていない』と判断されたからです。何故なら『車』はちゃんと走ります。変える理由が有りません。
幾ら設計が古くて一般利用者の使い勝手が悪くとも『間違っていない』のですから『変えません』。
何とも悲劇的な愚かしい話でしょうか。 否、喜劇そのものかも知れません。

『心優しい若者達と言葉使い』

面と向かって話す時、若者達がはっきり自分を主張しない。特に目の前の相手に対して、反対意見を言いたがらない。
昔から日本では人前での政治と宗教の話はタブー(礼儀に違反)とされていましたが、益々この傾向は強まっています。特に若者には。
インターネット世界では、過激な言葉の応酬が見られますが、本当は心優しい若者達の現実世界での抑圧の反動でしょう。
心が痛む話です。
現在の志位委員長の言葉使いの特徴に例えば、教育基本法改正案は教育勅語の復活です、とはっきり言い切れば良いのに彼はそうしません。
志井さんは『教育勅語の復活では無いでしょうか。?』などと演説しています。
皆さんは此れに対して何か感じませんか。?
『OOでは無い』は否定語です。 
しかし其の後に続く『でしょうか。?』も問いかける曖昧な否定語なので、否定の否定は肯定になる。
故にこの言葉は『です』と同じ意味に為るのですが、それなら何故志位委員長は分かりやすく簡潔に『教育勅語の復活だ』と言わないのか。
党首の志位さんが断定表現をせず、二重否定を連発するのは共産党の持つ『怖い』と言うイメージを幾らかでも弱めようと思ったからでしょう。
多くの共産党候補者も此れに習い、『○○では、無いでしょうか?』を連発していますが、私には異様に見えますが、他の有権者も同じような感想をもつでしょう。
小泉人気の一因に彼の、ネットウヨの様な単純な断定表現がある。
話が単純で明快、断定口調である。
難しい複雑な問題を『単純化』して一般市民に『判りやす』と思わせることに成功したのである。
此れまでの老練な保守政治家や官僚は簡単な問題でも複雑に、複雑な問題はより複雑に話した。
不利な話はなるべく曖昧表現にして意味が判らない要にしたのですが、小泉純一郎はこの正反対である。
だからあの不思議な小泉人気が生まれたのです。
ところが誰よりも確定的に話すべき『革新勢力』が曖昧表現をしているのですから、これでは志位さんや共産党の人気が出ないのは当然の結果である
自分の主張に自信が有るなら、小泉純一郎を真似て短くはっきりとした『断定表現』に改めるべきである。
今こそ共産党は党名などのマイナスイメージを変え、出直す時であり幹部の面子などは問題外でしょう。

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19 コメント

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ぼくのかんがえ (疑問に思う人)
2010-07-27 12:38:32
みんなの党人気にあやかって、みなさまの党に党名変更するのが良いかと思います。
返信する
これでは、どうしようもありません (影丸)
2010-07-27 16:11:30
7月27日附『赤旗』に、「菅首相は与党の多数独裁を認め」「玄場氏も《独裁》という言葉に抵抗感が薄いようです」との記事あり。
 
返信する
みんなの党は (逝きし世の面影)
2010-07-27 16:21:48
渡辺喜美の『みんなの党』は党首の頭の中身とか主張のレベルと小学生の考えそうな党の名前のレベルがぴったりです。ついでに党に投票した人のレベルにもぴったりの党名でそれで成功したのでしょう。
共産党の実体(内容)は『みなさまの党』とは縁遠い。
特に幹部は大違いで内容を正確に党名にすれば『皆様とは違う知識階級の高偏差値のエリート党』が実態なのですが、それを名乗ったのでは普通の一般市民に喧嘩を吹っかけているに等しい『党名』になってしまうので今のままの『共産党』の名前の方が余程ましでしょう。
今の共産党の本当の実体に近いピッタリの党名は、これはもう矢張り、もともとのJapanese Communist Party( ジャパニーズ・コミュニスト・パーティ)『JCP』に戻すのが最良の解決方法でしょうね。
これなら一部頑迷な『党名を変えるな』との幹部やの党員の主張に反しないのですよ。これは党名変更では無く単なる表記方法の変更でしか無いので反対するのが難しい。
それにもともと歴史的に共産党は社民党右派が第一次世界大戦に『祖国防衛』の名目で賛成した時に『戦争反対』の左派が結党した組織が『共産党』なのですね。
だからそもそもが漢字表記の共産党ではなくCommunist Party(コミュニスト・パーティ)だったのです。
それなら今の日本国憲法の戦争放棄の9条の精神とも全く同じ立ち居地であるの日本語表記にするなら私としては護憲の『9条の会』が適当であると思いますね。
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党名よりも問題の赤旗の問題点 (逝きし世の面影)
2010-07-27 16:54:44
赤旗ですが最盛期は300万部近くあった購読数が200万部を切るまで退潮しているようですが、さもありなん。当たり前です。
赤旗編集部の能力にはほとほと呆れ変えています。何が書いてあるかが楽しみだった20年前とは大違いですよ。
全く面白くなくてタイトルを見れば内容が一字一句連想されてしまい麻生太郎ではないが『見出し』だけ読めば全て内容が分かってしまうのですよ。
一昔前には赤旗にしか載らない記事が多いので政治を語るための必読のアイテムであったものが、今ではそんなもものを期待すれば、管や玄場が独裁を容認的な言葉の揚げ足取り的な内容でがっかりさせられるばかりです。
面白くない原因の一つは編集部の縛りがきつ過ぎてひらめと同じで上の顔色を見て記事を書いているからでしょう。
もう少し商業新聞には載り難い外部の有識者の論文を紹介するなりすれば随分改善すると思うのですが、党改革の最初の一番大事な改革は赤旗編集部の総入れ替え自由うに記者が自分の意見を載せれるくらいに自由化することでしょう。
金を貰って市民に買ってもらう新聞とは客商売でもあることに少しは気が付くべきです。
それにしても幾ら伝統が有ったとしても『赤旗』の名前では時代に乗り遅れても当たり前ですよ。
人前で『赤旗の名前』入りの新聞を広げるのは赤旗の読者にとっては勇気がいるとの認識が果たして編集部にはあるのでしょか。?
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共産主義のイメージについて (naturalfarm)
2010-07-27 20:57:01
最近読ませて頂いてる者です。政治にほとんど関心がなく、日本共産党についてもなにも知りませんが書いてみます。

まずマルクスの資本論が、難しくてよくわかっておりません。
わかっている人が日本人の5%もいるでしょうか。
だから、共産主義になったら、プロレタリア独裁と言いつつも、結局頭のいい受験エリートの役人たちが上からすべて管理することになりそうです。

生産手段がすべて国有化されるので、会社がすべて役所になる。
国全体が巨大な役所になり、官僚独裁国家になる。
役所仕事と言うのは、役所では採算性など考えなくても首にならない上に、組織の中でうまく立ち回るとか、組織を拡大することが最大の関心事になるから、財政破綻する。
これは今の日本人も、思い知らされていることでしょう。

社会主義は全体主義の一種で、もともと日本人にはこの傾向があると思います。
組織人間で能力のある者は、権力志向が強く、人を支配・コントロールすることに最大の関心がある。
駄目な奴は人の足を引っ張るのを喜びとするか、羊のように黙って由由諾諾と従うのみ。
これも日本の会社でも同じでしょうけども、共産主義国では社会全体が超管理社会になり、人の顔色を常にうかがい、要領よく立ち回らないと命が危ない。
資本主義社会では、底辺の労働者でも「お客様」でいるときだけは、少しは大きい顔も出来ますが、それもない。

一方で、戦後の資本主義経済は、混合経済であり、社会主義から多くを学んだ結果である。
先進諸国における戦後の資本主義体制が、これまで繁栄し存続できたのも、社会主義思想のおかげであろう。

こんなイメージですが。
そもそもなぜ共産主義陣営が破綻したのか、ちゃんとした総括なり研究なりがあるんでしょうか。
日本にもあんなに沢山のマルクス主義者、大学教授たちもいたはずなのに、何処へいったんでしょうか。
資本主義のほうも破産してしまったようなので、そろそろ総括する人が必要だと思うのですが。
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イメージと実際 (pete hamill)
2010-07-28 00:59:25
ブログ主の言うとおり、イメージと実際はかけ離れていますね。なんともナー

>生産手段がすべて国有化されるので、
 マルクスは、資本主義が発展していく先に「生産手段の私有の消滅」がある、と分析したにすぎず、「すべて国有化すべきだ!」と主張したことはありません。レーニンは一時主張しましたがすぐ取り下げました。スターリンと毛沢東が編み出した技ですね。
 同様に、社会主義は本来民主主義を前提にする思想で、全体主義に仕立て上げたのはやっぱりスターリンです。マルクスは社会主義者の第一の任務は共和制の完全な実現だとして運動をしていました。マルクスとリンカーンとのやり取りをよく共産党が取り上げますが、すっごく応援してたみたいです。
 プロレタリアのディクタトゥーラ(独裁)という言葉の意味ですが、ごく単純に言っちゃえば、カネ(生産手段)のあるやつが権力をもつんじゃなくて、人民一人一人が権力を握る時代が来る、てな意味ですね。もうちょっと言うと、「資本主義社会をよく分析してみると、一労働者に過ぎない人々一人一人が熟慮と合意によって権力的でない共同体を運営する時代がいずれ必ず来ることがわかったよー数百年後かもしれんけど」ということですね。
 ってことでマルクス的な考えから言うと、ソ連も中国もてんで社会主義の体をなしていなかった。そもそもは「客観的な分析結果」の上にたつイデオロギーだったわけですが、スターリンは単なる「イデオロギー」にしちゃった上に、あろうことかそれを実行してしもうたわけですな。
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naturalfarmさん、はじめまして (逝きし世の面影)
2010-07-28 09:47:01
コメント有難う御座います。これからも宜しく御願い致します。

仰られる通りで、その様な『マイナスイメージ』が、今の日本人全部の持っている普通の常識ではないでしょうか。
しかし良く考えてみればですね。
日本共産党は一度も政権を握ったことは無いのですよ。
今まで幾つかの地方自治体で与党となったり共産党首長も可也の数が地方政治を行ったりの地方の実績があるだけなのです。
そしてその多くは市民に好評で、仰られておられるような欠点はまったくない。
ですから、その『マイナスイメージ』とは正しくは外国の共産党の話で、日本共産党と関係ない話なのですね。
ところが今回まさしく国内の政治情勢だけなら『大勝利間違いなし』だったのに『外国の話』で共産党が大きく負けているのですよ。
北風が吹いたのです。
それも、ここが一番私が問題だと思う部分は、その様な『マイナスイメージ』を持っているのが自民やみんなの党にしか投票しない保守的な人々だけでなくて、その反対の人々だったのです。
『天安』がなければ必ず間違いなく今まで共産党に入れてきたコアな支持層の中にも含まれたいたことでしょう。
(共産党の失われた20年を放置した)これはもう幾ら能天気な日本共産党執行部でも危機感を持って当然でしょう。
>『そもそもなぜ共産主義陣営が破綻したのか』<

これに対しては『そもそも共産主義や社会主義でなかった』と共産党は総括しています。
この考え方自体は正しいと思いますが、最大の問題点はソ連や東欧の社会主義が崩壊してから、この考え方を日本共産党執行部が言い出したことでしょう。
崩壊の一日前でもよいから先に共産党が言っていればこの主張の正当性は担保されたのですが、幾ら正しい意見でも崩壊を見てから主張したのでは後出しジャンケンで単なる『言い訳』としか他人からは見られない欠点がある。
経済学的に見れば中国にしてもロシアにしても北朝鮮にしても資本主義の発展段階の到達点として社会主義になった訳ではないのですね。
資本主義どころか元々民主主義の基礎がない社会に最先端の社会主義理論を導入しても、何しろ前例がまったく無い人類最初の試みであったために試行錯誤で色々な失敗をして当たり前だったのです。
実験国家ソ連ですが、残念ながら最初から成功の確率は低かったのです。
その点日本は全く条件が違うのと、そもそも崩壊したソ連と言う悪い見本が目の前にあるわけですから成功する確率は遥かに高いし、そもそも日本という最も進んだ資本主義は今では完全にいき詰まり崩壊寸前なのですが、それなら今こそ共産党の主張の正しさが証明される時なのですが、この辺の理論的な宣伝がまだまだですね。
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最先端の民主主義国家だったソ連 (逝きし世の面影)
2010-07-28 10:47:19
pete hamillさん、はじめまして。コメント有難う御座います、これからも宜しく御願い致します。

第一次世界大戦が終わった世界中で8時間労働制とか婦人参政権など最も進んだ民主主義的な制度を誰よりも早く導入したのは出来上がったばかりのソ連だったのですから、この時点ではもっとも進んだ民主主義国家であった訳です。
イギリスやフランスがソ連を真似て導入するのは何年も遅れてで、この原因は導入しなければ国内の労働者の不満を抑えきれないので仕方なく行った。
決して先進資本主義国の民主主義云々ではなく地続きのソ連で先進的な民主主義が行われれば即座にイギリスフランスにも伝播する必然があったのですが、この『近くてしかも地続きである』との地政学的な要素は大きいでしょう。
今の世界でもっとも社会福祉が行き届いた国々はフィンランドなど北欧諸国なのですが、これ等の国々は、もっともソ連に地理的に近い位置に国家があるのです。
この事は偶然ではなく必然であるでしょう。
これ等の北欧諸国ですが、資本主義の発展段階だけなら中央から遠い周辺諸国であり日本のような独自の発展を遂げた『ものづくり』大国でもない。
イギリスなどから見たら長い間歴史的に欧州の周辺国でロシアのような後進国よりはマシな中進国程度であったのですが、社会主義を目の前に見て、その中にある(民主主義の)最先端の部分の『よいところ』を真似したのです。
ところがイギリスなど先進資本主義国に真似される程の民主主義だったソ連ですが、『一度決まった正しいことは変える必要は無い』との考え方で長い間国家を運営していれば、第一次世界大戦後なら最高の民主主義国だったレベルが、何時の間にか評価が落ちて最低ランクの全体主義国家扱いされて最後は崩壊する。
これは考えてみれば当たり前ですね。
彼等は『何ら間違っていないのだから変える必要が無い』と一度決まった事柄を最後まで守っていたのですね。これでは駄目です。

プロレタリアディクタトゥーラを(プロレタリア独裁)と90年前に訳したのは、当時の天皇独裁の世の中であって見れば実に正しい、誰にでも実感出来て分かりやすい訳語であったと思います。
ただ65年前の敗戦後の価値観が根本的に転換した後では不味すぎる。
いまの民主主義ですが実体はブルジョア独裁であるので、『プロレタリア独裁』で間違いでない。これで良いのだと言い張っていたのですが、これではわざわざ反共宣伝に手を貸すに等しい愚行でしょう。
議会制民主主義とはお客さんのイメージを大事にする『客商売』に近いのだとの認識が残念ながら今の共産党執行部にはないのですよ。
プロレタリアディクタトゥーラの訳語ですが、今の民主主義とは民主主義として完成されたものではなく未熟な『ブルジョア民主主義』であるのですから、これに対する対抗軸としてのプロレタリアディクタトゥーラは今の共産党約の『プロレタリア執権』では無くて『プロレタリア民主主義』の方が分かりやしいと思います。
執権なんて言葉は北条氏と日本共産党ぐらいしか使わないでしょう。
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お返事ありがとうございました (naturalfarm)
2010-07-28 22:26:09
混合経済の一翼としての共産党は、必要な政党だが、大勢を握られるとまずい。
多くの国民はこう思っていると思います。

わたしは単なる「マイナスイメージ」だけが、共産党不振の原因ではないと思います。
悪いのはみな外国の共産党で、日本の共産党だけはまったく関係ない。
日本では共産主義がうまくいくとのお話ですが、それほど簡単には納得できかねます。

『そもそも共産主義や社会主義でなかった』
同じマルクスを解釈しても、読む人によって共産主義ではないものになってしまう。
まるで同じ聖書の解釈をめぐって、宗派争いをしているキリスト教徒みたいです。
では何を持って自分の解釈だけは絶対正しいと言い切れるでしょう。
つまり(自称)共産主義は信用ならないということになります。

外国では(自称)共産主義国がそろいもそろってみな官僚独裁国家になり、財政破綻の上崩壊した。
これは資本主義や民主主義が未熟な段階で始めたからとのことですが、成熟とはどの程度を言うのでしょうか。
どうして日本だけはそうならないと言えるでしょうか。
現に日本も財政破綻していますが、これは資本主義が成熟したからではなくて、年金や健康保険・公共事業など社会主義的な施策・制度の負担や政府のお役所体質が大きな原因ではないですか。
日本は「最も成功した社会主義国」などとも言われてましたよね。

そうなると共産党が政権をとって、日本が共産主義国になったら大変だ。
そう考えるのが正常な感覚ではないですか。
机上の理屈や理想論ばかり妄信して、あまりにも見通しが甘いような気がしますが。
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今の共産党が主張しているのは民主主義革命 (逝きし世の面影)
2010-07-29 12:25:26
naturalfarmさん、コメント有難う御座います。

だんだん耳に痛い話に成りそうですね。私も今のままの日本共産党が総選挙で300議席の絶対多数を握ったらnaturalfarmさんの今の心配も、あながち心配だけに止まらないのではないかと思いますが、しかしですね。
今は間違っても300議席どころか30議席も『夢のまた夢』で、そんな心配は全くの杞憂です。
保守政治家で誰だったか名前が出てきませんが『共産党は日本にとって必要で、山椒のように小粒で辛いのがよい』と言うのがありましたが、言いえて妙。
幾ら魚のネタが良くても山葵の無い刺身は低級な料理である。
しかし、私でも誰でも山葵や山椒を口いっぱい詰め込まれたくない。
今の日本の政治状況ですが与野党馴れ合いで違いが無くまさしくワサビ抜きの刺身か寿司状態で、料理(政治)として最低です。
今の一桁の共産党などは政局に何の影響も無いばかりでなく国会の討論でも持ち時間が少なすぎて共産党抜きで、十分に論議されることなく大事な問題法案が成立してしまうのです。
例えば、派遣労働の解禁法案のように実際の日本の労働事情を考慮されることなく安易に規制緩和で賛成して、後で我々国民が大きな付けを払わされているのが現状です。
製造業への派遣労働の解禁で、確かに企業が目先の経費の削減には成功するが社会保険も満足に無い非正規雇用の労働者の増加は長い目で見れば企業の人材を枯渇させるし、社会全体でも将来の年金や生活保護などの全体として負担する経費は増加してしまうし、
一番悪いのは将来的に社会全体が劣化することでしょう。
そしてこの法案ですが政党そしては共産党だけが唯一反対しているのです。
賛成した民主党や社民党議員は派遣村の惨状を見て『こんなことになるとは(議会で討論している時に)分からなかった』と語っているのですよ。
ところが、この法案の討論段階で共産党議員は正確に予想していたのですよ。
今とは違い、数十議席の共産党の国会議席があれば日本の政治は随分良いものになっている可能性は高い。
>『日本では共産主義がうまくいくとのお話』<

そもそも今の共産党は共産革命を目指したはいないのですよ。
今の日本国に不足しているのは『民主主義』であると考えているので、正しい民主主義的な権利の徹底のために『民主主義革命』を当面の目標として掲げて民主主義の発展を考えているのです。
そもそも共産主義社会などと言うものは、この世では誰も目撃していないのですね。
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