フロイト「潜在意識」理論の証明?「イラク侵攻は不当」ブッシュ氏、言い間違い
5月19日 ロイター時事
ブッシュ元米大統領は18日、南部テキサス州ダラスでの集会で、自らの政権のイラク侵攻を「野蛮」「不当」と誤って非難した。直ちに、イラクとウクライナを言い間違えたと訂正、聴衆は爆笑した。集会でブッシュ氏は「一人の男の決定で全く不当で野蛮なイラク侵攻が始められた」と言及した。すぐに気付いて、首を振りながら「ウクライナのことだ」と修正した。(抜粋)
ブッシュ氏「イラク侵攻は不当」ウクライナと混同し即座に訂正
米国のブッシュ(子)元大統領(75)は米テキサス州ダラスで演説し、自ら率いていた政権が仕掛けた2003年のイラク侵攻を「全面的に不当で野蛮」と形容、その直後にロシアによるウクライナ侵攻と言い間違えたと訂正する一幕があった。
元大統領はロシアの選挙は操作されており、政敵は投獄されたり、選挙プロセスへの参加から排除されていたりしていると主張。「その結果はロシアにおける抑制と均衡の不在であり、一人の男の決定で全く不当で野蛮なイラク侵攻が始まった」と述べた後に、「いや、ウクライナのことだ」と言い直した。その後、忍び笑いを見せながら、小声で「イラクもだ」と述べた。
場内に笑い声が起きる中で、「私は75歳になった」ともつけ加えた(★注、日本人では有り得ない話だがキリスト教では死後の「永遠の命」魂の救済が最優先なので、極悪人程、自分の死を意識すると真実を喋り出す驚きのハプニングが起きる)
ウクライナのゼレンスキー大統領にも触れ、「格好良い小さな男」「21世紀のチャーチル」と評した(★注、第二次世界大戦の同盟国ソ連との冷たい戦争をアメリカにけしかけた張本人は英国首相チャーチル)
「善」と「善」との醜い争い
西方キリスト教の壮絶な覇権争いは1645年ウエストファリア条約で終わったが、ビザンツ帝国文明を継承したロシアの東方正教とカトリックなど西方キリスト教とのキリスト教世界の覇権争い(疑似クリミヤ戦争)は終わるどころか益々過激化する一方なのである。(★注、第二次世界大戦で最大の被害を出したのはソ連の2700万人、ポーランドの800万人、ユダヤ人の600万人だが、プロテスタント優越論のナチスドイツの絶滅対象として無神論のソ連、カトリックのポーランド、異教徒のユダヤ人の順で殺した宗教戦争だったとも解釈できる)極悪人が悪事を働くのは当然でも、普通の善人が極悪非道を行うためには宗教的情熱が是非とも必要なのである。
アメリカCIAがでっち上げた偽の証拠を元に「一人の男の決定で全く不当で野蛮なイラク侵攻」にNATO加盟国であるであるドイツやフランスが反対したら、アメリカではフレンチフライをフリーダムフライに言い換えるなど同盟国ドイツやフランスにまで露骨で低級な嫌がらせを行っていた。しかしイラク戦争強行の結果は悲惨で、世界帝国アメリカの威信が決定的に傷ついた。しかもアメリカ軍が侵攻したアフガニスタンやイラクは破綻国家として今もダラダラと武力紛争が続いていて収まる気配さえない惨憺たる有り様である。誰の目にも失敗は明らか。
ところがアングロサクソン同盟イギリス(労働党ブレア首相)を除き先進国で真っ先に賛成した小泉純一郎首相は9・11直後の2001年、翌2002年に続き2003年5月に訪米した時はテキサス州クロフォードの私邸を訪問、ロカビリー歌手プレスリーの真似をする下品パフォーマンスでブッシュ大統領家族から呆れかえられる。
バイデン初訪日なのに、
ウクライナのホストメリ空港にウクライナ軍 5月5日ロイター
「ロシア批判」というブーメラン
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから約2カ月が過ぎた。開戦当初はロシアの国内世論が反戦に傾くことで、プーチン大統領の行動が抑制されるのではないかという期待も語られたが、当面そうした展開が生じる気配はない。その原因として挙げられるのは、ロシアのメディア、とりわけすべてのテレビ局がロシア政府の厳しい統制下にあり、テレビが流しているのはプーチンのプロパガンダであり、人口の大半がこのプロパガンダを信じているうんぬん。早い話が、「テレビにだまされているロシア人は哀れ」というわけだ。
日本はどうか
ロシアのテレビ局がプロパガンダ・マシンと化しているのは事実であろう。しかし、われわれ日本人にそれを嗤(わら)う資格などあるのか。2012年の第2次安倍政権以降、日本のテレビ局が呈してきた権力への屈服、伴走、媚態(びたい)の姿勢は、惨状的劣化を示している。
その延長線上で、新型コロナ禍にあっては、大阪府が全国で最悪の死亡率をマークしてしまったにもかかわらず、吉村洋文知事がテレビに出ずっぱりだった(そして、大阪の高い死亡率のことについてはほとんど言及されない)おかげで日本維新の会への評価が高まり、同党が21年秋の総選挙では大勝利を収めるという珍事まで発生した。日本人がプロパガンダ漬けにされたロシア人を哀れむなど、まさに天に唾する行為にほかならない。
ソ連への先祖返り
さて、それにしてもソ連崩壊以降のロシアがなぜこうした袋小路に入ってしまったのだろうか。その原因についてはさまざまな観測がなされているが、ともかくプーチンのロシアが、いくつかの面でソ連に似た国に先祖返りしてしまったのは確かであるように思われる。
その最も重要な共通特徴は、鋭い批判や反抗的な勢力が出てくると、すぐにそれらを「秩序の敵」と見なす思考様式、そうした思考様式を統治の基礎とすることであり、そうした体制は通常「権威主義的体制」と呼ばれる。今次の紛争の最中にあって社会統制を強めるロシアは、個人を解放し、権力批判や異議申し立てを抑圧するのではなく許容することによって、それらを社会発展の力とするという発想を結局のところ育てることができなかったように見える。そうした体制の中心に鎮座するのは、治安・国防関係者たちである。プーチン大統領自身がソ連時代にはKGB(国家保安委員会、現FSB)の職員だったことはよく知られて・・・以下省略
一言も「間違い」は書かない白井さとし君(^_^;)「ロシア批判」のブーメランのタイトル以外、大事なことも一行も書いていない
お前たちは間違っている(今までが間違っていた)とのオルタナティな政治ブログ「逝きし世の面影」では何回も強調して指摘しいる核心部分とは、正誤が単純な自然科学とは大きく違い、扱う対象物がとてつもなく大きく(しかも小さく分割できない)政治や経済などの社会科学では、正誤や善悪はそれほど大事ではない。最も大切な思考法なのは「何が一番大事であるか」であり、何がそれ程大事ではないかとの「すべての物事の優先順位」こそが最も肝心なのである。
小さな正誤や善悪に拘る分だけ、社会科学では間違いの迷宮に嵌りやすくなる。
白井聡「必ず戦うはずだったのに、・・・戦わなかった本土決戦」(敗戦の否定)アッと驚くまさかの蹉跌
残念ながら先祖返りというか元の木阿弥というか、これでは日本共産党(志位和夫)のそっくりさん。白井聡と志位和夫は別々に生まれた一卵性双生児である。それ以上でもそれ以下でもない未熟で不出来な恥ずかしい政治的論評。(★注、白井聡「永続敗戦論」の根幹部分とは、ドイツ軍降伏から3カ月後のソ連軍対日参戦こそが「一億玉砕」本土決戦だった日本が即座に無条件降伏した原因だった。それから、今の日本共産党(志位和夫)の対ソ歴史観は根本的に誤り)
プーチン大統領がソ連時代にはKGB(国家保安委員会、現FSB)の職員だったことは事実だし、今のロシアがソ連に似てきているのも事実だが、しかし、今のロシア(プーチン)と旧ソ連以上にもっと似ているのは世界帝国アメリカ(居眠りバイデン)である事実を完璧に失念しているとは面妖な。政治学者としては有り得ない大失敗だった。
もちろん白井聡は日本の新進気鋭の代表的な左翼有識者なので「知らない」のではなくて知らないふりで胡麻化しているだけ。
私の予測ではアメリカとロシアの出来レース(八百長プロレス)なので、リベラルメディアが世界規模でわざと大騒ぎしている猫だましの赤いニシンでロシア軍ウクライナ侵攻の不思議な騒動には大きな意味はない。
ソ連崩壊から30年以上経過した今も、「左翼嫌い」のロシア・プーチン大統領 \(^o^)/
ロシアのウクライナ侵略と国際秩序 ―― 分離紛争と軍事同盟
5月2日 東京大学・本部広報課
長年、現地に入ってウクライナ政治を追ってきた法学政治学研究科の松里公孝教授は、2014年と2017年にドンバス地方を訪れ、分離政体(ドネツクとルガンスクの人民共和国)とウクライナ軍との攻防が激化し、宿泊していたホテルのすぐ近くに着弾した。今回の戦争の直前、「ロシアがドンバスの2共和国を承認することはあるかもしれないと思っていたが、ウクライナ全土で戦争を仕掛けるとは予想外だった」ロシア帝国史や旧社会主義圏の政治を研究してきた松里先生に、ロシアの軍事侵攻の背景にある領土問題やNATO東方拡大などについて話を聞きました。
袋小路に陥ったドンバス問題
―― ウクライナ東部のドンバス地方とはどのような地域で、なぜロシアは分離政体を支援してきたのでしょうか?
ドンバス紛争に対するロシアの政策は、時期によって変化してきた。
ドンバスの、ドネツクとルガンスクの2つの州は、1920年代から30年代に、ウクライナ・ソヴェト社会主義共和国の一部として成立しました。もともとロシア語話者地域で、2014年ウクライナでユーロマイダン革命(ヤヌコヴィチ政権打倒)に反抗する急進派(★注、クーデター政権が非合法化した共産党など左翼)が両州で州庁舎を占拠。州ごとに「人民共和国」を名乗り、ウクライナからの分離(★注、独立宣言)住民投票を行い、その後、ウクライナと戦争になりましたが、2015年までには軍事境界線が引かれ総面積の3分の1くらいが人民共和国の実効支配下に入りました。
2015年、露・独・仏の仲介で、ウクライナを連邦化することによって両人民共和国をウクライナに戻すことを目指す第2ミンスク合意が結ばれましたが、連邦化を嫌うウクライナにとっても、ウクライナに戻りたくない人民共和国にとっても、魅力的な解決策ではありませんでした。
プーチン政権の政策は、2014年8月まで、2014年8月から2019年まで、それ以後の3段階に分けられる
2014年春に紛争が起こってから8月までは、プーチン政権はドンバスの分離運動に対して冷淡でした。
理由の第一は、ロシア大統領府決定のクリミア併合とは違って、ドンバス分離運動は社会のマージナル層(★注、辺境、過激の意味で今回は左翼共産党)が勝手にやったことで、プーチン政権としては助ける義理を感じなかった。
第二に、ドンバスの分離運動は、「人民共和国」という名からもわかるように、反資本主義、反オリガーク(反新興財閥)の社会革命的な性格を帯びており(★注、分かり易く言えば左翼の革命運動)、これは右派的で保守的なプーチンたちにとって受け容れられるものではありません。
(★注、理由第一と第二はほぼ同じで、寺島実郎など評論家たちも「プーチンの根幹部分がロシア正教回帰」である明確な事実を指摘して、暗に右派的な保守派「ソ連とは全く無関係」を、それとなく指摘している。ところが、はっきりと「プーチンは左翼が大嫌いな保守派。宗教右派だ」とは絶対に言わないので、善良だが愚かな一般読者を間違いの迷宮に誘導している)
第三に、一般にロシアの政権は、自力で生存する能力のない外国勢力を援助しても仕方がないと考える傾向があるので、ドンバスの分離政体が生き残るかどうかを観察していたのでしょう。1992年のアブハジア戦争、2008年の第2次南オセチア戦争、2020年の第2次カラバフ戦争に際しても、ロシアは、自分が助けるべき相手の生存能力を見極めてから介入するかしないか決めています。(★注、これは新自由主義「白でも黒でも鼠を捕る猫は良い猫」のプラグマティズム過激派?あるいは「勝ち馬券だけを買えば必ず儲かる」との「選択と集中」のロシア版で、日本が30年間実行して大失敗し続けた愚劣極まる自滅的政策)
2017年8月、数キロ先の前線から爆発音が聞こえるなか、ドネツク市の公園でローラースケートに興ずる少年少女。松里公孝
2014年8月になるとウクライナ軍のドンバスに対する全面砲撃が始まりマレーシア機撃墜事件も起こってプーチン政権としても放置出来なくなる
そこで両共和国を支援しはじめるのですが、その際、(1)ウクライナからの分離運動をそれまで指導していた共産党やドンバス急進派を排除すること、(2)社会革命を止めること、(3)長期的には、ウクライナに戻ることに同意すること――という3条件を突きつけました。これらをドンバスが飲んだのでロシアが支援するという関係が2019年くらいまで続きました。
このような比較的穏健な(世界帝国アメリカと二人三脚の)政策をプーチン政権がとったのはなぜかというと、プーチン政権は、大量の親露票を持つドンバスをウクライナに押し戻すことによって、ウクライナのNATO加盟を内側から阻止したかったから(★注、この部分は最初の「袋小路に陥ったドンバス問題」の思考方向とは明らかに逸脱する論考なので「そのような面もあった」程度の些細な話である)
(★注、残念ながら、これは松里教授が自分で書いた最大の核心部分「社会のマージナル層(左翼共産党)が勝手にやったことで、プーチン政権としては助ける義理を感じなかった」を無視、矛盾する単なる推測に過ぎない。そもそもプーチンは左翼共産党主導のドンバス「人民共和国」をロシア国内には入れたくなかったのである。もちろん国内選挙の側面もあるが一番大事なのは欧米から「ソ連への先祖返り」だと見られることを死ぬほど恐れていたのである。
2000年当時はロシア自身がNATO加盟を目指していた。
アメリカもロシアを加えたG8でロシアNATO加盟で同調していたのである。しかし米露蜜月は長く続かず14年前の2008年中国北京オリンピック開会式にグルジアのサーカシビリによるロシア軍平和維持軍への奇襲攻撃とか、8年前の2014年2月ソチ冬季オリンピック開会式欠場など嫌がらせに続き、露骨なマイダンクーデターから明確に「ロシアバッシング」に舵を切って現在に至っている)
第3の時期は、2019年4月大統領選挙で(★注、ミンスク合意での平和解決を公約した)ゼレンシキーが勝つが半年で頓挫。12月パリで露、ウ、独、仏首脳による和平交渉でゼレンシキーがプーチンに第2ミンスク合意の実施不可能を伝え、ウクライナ和平は無理と判断したプーチンは、ロシア国籍をドンバスの2共和国の市民に容易に与えるようになる。これはプーチン政権がドンバスをウクライナに戻す気を失いつつあることを示す危険な兆候でした。(★注、この部分は松里公孝教授の論考が混乱しているので、分かり易く編集する)
NATOをポピュリズムのスローガンにする危険性
―― プーチン大統領は、ウクライナのNATO加盟阻止も戦争目的に掲げたと思いますが?
その通りです。プーチン大統領は、「ウクライナをNATOに入れない」という確約をアメリカに求め、それを拒否されたことを侵攻の口実にしたのです。
冷戦期のオーストリアのように、自国の意思によってではなく、国際条約(1955年)によってNATOに入れなかった国もあります。現在NATOが掲げる門戸開放原則(「現加盟国が賛成するなら誰でも入れる」)は、1997年のNATOマドリード・サミットで採用されたもので、国際法上の主権尊重とは別次元の問題です。
これまで、1999年にポーランド、チェコ、ハンガリーが、2004年にはその他の東欧7カ国が加盟し、NATOは東方に拡大してきました。さらに2008年4月に開催されたNATOブカレスト・サミットでは、ウクライナとグルジア(ジョージア)を将来的にNATOに加盟させることが決議されました。その直後の第2次南オセチア戦争、2014年のクリミア併合などで、ロシア指導部のグルジアとウクライナに対する執着がバルト3国やルーマニア、ブルガリアなどとは比較にならないほど強いことが明らかになり、NATOの拡大は鈍化しました。
ブカレスト・サミットで無謀な決定が採択された背景には、同年のアメリカ大統領選挙に向けて共和党のマケイン候補が苦戦していたこと、グルジアとウクライナで現職大統領(サアカシヴィリとユシチェンコ)の人気が低迷していたことがあったのは明らかです。マケインは人気取りのために対露強硬姿勢をとり、サアカシヴィリとユシチェンコは、自国が西側の一員として認められる日が近いと国内的にアピールしたかったのです。
2019年にウクライナが憲法改正をして、NATO加盟を憲法条項にしたのは、ポロシェンコ大統領が、目前に迫る大統領選挙でのゼレンシキーの優勢を覆そうとする必死の試みでした。(★注、汚職まみれの現職ペトロ・ポロシェンコは「軍隊、言語、信念(宗教)」という危険な過激国粋主義スローガンを掲げたが、ミンスク合意で平和解決を公約したゼレンスキーに大敗している)
ゼレンシキー大統領も、支持率が下がるにつれNATO早期加盟をNATO諸国に強く要求するようになり、このように、NATOという軍事問題が、どこの国でも選挙政治のネタにされてきたのです。
本音ではウクライナをNATOに入れる気はない欧米諸国は、なぜ、かつてのオーストリアのように「ウクライナはNATOに入れない」ことを条約化できなかったのでしょうか。そうすれば、プーチンの口実の一つは潰すことができたでしょう。これは、開戦に至るまでの間、研究の世界でも、ジャーナリズムの世界でも、多くの人が主張したことです。
(抜粋)
★注、NATO加盟云々はポピュリズムの危険なスローガン(本質とは無関係な世論誘導とか情報操作)ではある。ところが、それ以上でもそれ以下でもない些末な話で決してメインの主題ではない。
松里公孝 法学政治学研究科教授
東京大学大学院法学政治学研究科修了、法学博士。北海道大学スラブ研究センター教授などを経て、2014年より現職。著書に、「東大塾 社会人のための現代ロシア講義」(共著、2016年、東京大学出版会)、「ポスト社会主義の政治」(2021年、ちくま新書)など。
耳にタコ状態の日本や欧米リベラルメディアの陳腐なプロパガンダに終始
日本共産党(志位和夫)に遠慮(忖度して自説を全面変更)する白井聡に比べれば元共同通信の田中宇の論評の方が圧倒的に優れているが、一番肝心のウクライナ騒動の不愉快極まる核心部分「左翼嫌いのプーチン」の事実を一切触れていないのですから不可解。ロシアのプーチンが左翼嫌い程度は誰でも知っている大人の常識の範囲なのに不思議。普通なら見落とすはずがないのである。
今回の松里の視点に比べ、左翼嫌いのロシアのプーチンに一言も触れない植草一秀や桜井ジャーナル、田中宇などの記事や論評、判断は大きく見劣りする。(★注、欧米リベラルメディアや有識者では最悪なら人類滅亡の米ロ核戦争まで心配されるが、「左翼嫌いのプーチン」のピースを一枚加えるだけで米露馴れ合いの出来レース、不真面目な「八百長プロレス」に見えてくるから不思議)
アンデルセンの「裸の王様」
今回の記事を書くにあたって、散々探した挙句に白井聡Twitterでやっと東大教授松里公孝(ロシアのウクライナ侵略と国際秩序 ―― 分離紛争と軍事同盟 5月2日)を見つけたのですから、「ロシア批判」というブーメランの白井さとし君は自分が志位和夫(日本共産党)に忖度し説を曲げた悲しい事実を密かに告白しているのでしょう。(★注、過疎の限界集落である「左翼ムラ」では何とも致し方ない成り行きである)
何も政治学者でなくとも普通の大人としての読解力があればロシア正教と二人三脚のプーチンが「左翼嫌い」の穏健保守的な右派のポピュリズムである程度は直ぐに分かる。単純な「善と悪の戦い」ではない程度は日本人の大人なら全員が知っている常識の範囲なのである。正直に真実を喋ると袋叩きに遭うので黙っているだけ。
ところが今回の東大教授松里公孝以外では誰一人もはっきりと指摘しない不思議。(★注、一応は評論家の寺島実郎などが誰にも分からないように指摘するが、共産党=ソ連=ロシアの連想ゲームのような固定したイメージが邪魔して一般読者は誰も気が付かないらしいのである。あるいは見ざる聞かざる言わざる「知らぬ。存ぜぬ」で押しとおす不思議)
「左翼嫌いのロシアのプーチン」は、タブー中のタブーなのだろうか???
あるいは「王様の耳はロバの耳」
米高官 露のウクライナ侵攻“極めて高い”
アメリカのバイデン政権で安全保障を担当するサリバン大統領補佐官などが中国北京オリンピック冬季大会の開会中の「2月16日」と日付まで特定してロシア軍がウクライナに侵攻すると言い出した。米英両国はロシアへの外交的ボイコットを宣言、世界を思いっきり脅かして戦争気分を煽れるだけ煽っていたのである。
中国北京冬季五輪閉会式翌日の2月21日にロシアが国家安全保障会議を開催してウクライナのドネツクなど東部2州の独立を認めたので大騒ぎに発展する \(^o^)/
プーチンに一番近いはずのロシア連邦対外情報庁(SVR)のセルゲイ・ナルイシキン長官(元大統領府長官)がまさかの言い間違い
最側近の言い間違いに、思わず笑うプーチン大統領(2月21日のロシア安全保障会議を報じたNHKのニュース9の愉快な不真面目画像)
当時にロシアのプーチンが言っていたのはクリミヤ半島のように「ロシアへの編入」ではなくて、ドネツクなど東部2州の独立承認です。ロシアのメディアが大統領側近まで勘違いしていて、それをプーチンが訂正する様子を報道しています
プーチンに一番近いはずのロシア連邦対外情報庁(SVR)のセルゲイ・ナルイシキン長官(元大統領府長官)がまさかの言い間違い
最側近の言い間違いに、思わず笑うプーチン大統領は、ロシア領への編入ではなく独立承認の違いは大きな意味を持っていた。ところが、多くの人々はウッカリ見逃していますが、実は一番大事なところ。
赤塚不二夫「笑ゥせぇるすまん」喪黒福造
最悪なら第三次世界も誘発しかねない核大国ロシアの「ウクライナ侵攻」で不真面目にも笑っているのはロシアのプーチン大統領だけではないのである。なんと「ロシアがウクライナに侵攻は許さない」と経済制裁を声高に叫んでいるアメリカのバイデン政権側も、ロシア(プーチン大統領)と同じで喜びを隠しきれないらしいのですから不真面目が過ぎる。喜劇でも八百長プロレスでも同じで観客が笑うのは良いが当事者が笑ったのでは話にもならない大失策と言うか。出来が悪すぎる3文役者による田舎芝居。木戸銭返せ❣
1936年9月7日に死亡した最後のタスマニアタイガーのベンジャミン
フクロオオカミ(タスマニアタイガー)の絶滅
イギリス・ロンドン動物で飼育されていた個体が1932年に死亡して絶滅したと心配されたが、翌1933年に捕獲されたのが、地球上でタスマニアタイガーの最後の一頭だったベンジャミンである。
メスなのにベンジャミンとういオス名前が付けられたぐらいにタスマニアタイガーは人類にとって未知の動物だった。
捕獲後タスマニア島のホバート動物園で飼育されていたが1936年9月7日に死亡。タスマニアタイガーは地球上から完全に絶滅してしまう。
有袋類最大の肉食獣フクロオオカミは、トラのような模様をもつ事から『タスマニアタイガー』とも呼ばれていますが、見かけや生態が似ているオオカミやトラのような食肉目(ネコ目)の動物とは非常に遠い特殊な動物だった。
タスマニアデビルやフクロアリクイなどと同じフクロネコ目の動物で、カンガルーなどと同じ有袋類の動物ですが、コアラやカンガルー、ウォンバットのような草食性ではなく、これらウォンバットやワラビー、鳥類などを主食とする大型の肉食有袋類で他に近隣の種がない特別貴重な珍しい動物だった。政府がフクロオオカミに懸賞金をかけて駆除を奨励したが最後の一頭だったベンジャミンが死んだ後、貴重な動物であるここがわかり態度を180度転換、絶滅2年後の1938年に保護獣に指定したり保護区を設けたが時すでに遅し。(ネットではベンジャミンの生存時の動画映像が、上野国立科学博物館にはフクロオオカミの剥製標本が見られる)
現在日本が実行支配する尖閣諸島は中国(台湾)も領有権を主張しているが、この島は日本領でも中国領でもなく元々人間は誰も利用するものがない無人島で、アホウドリが繁殖する為に絶対に必要な孤島だった。
そもそも竹島や松島なら日本語的に当たり前だが、普通の漁師や船員が『尖閣』なんて不思議な日本人には馴染み難い漢文名称はつけない。
この日本的に異質で聞きなれない不思議な島名『尖閣』の由来は、『尖』は先がとがっているさまで『閣』は楼閣など高い建物の意味で、19世紀末の英国海軍が測量時につけたイギリス名称ピナクル・アイランド(Pinnacle Islands)を明治時代になって日本側が直訳しただけのもので純粋な日本名とは言いがたい。(ピナクルとは教会の尖塔の意味)
日本でアホウドリは1958年に国の天然記念物、1962年に特別天然記念物、1993年に種の保存法施行に伴い国内希少野生動植物種に指定されている。
1999年における生息数は約1200羽、2010年における調査で鳥島集団の総個体数は2570羽。絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)
日本など先進国では消滅したがヨーロッパ辺境で細々と残る絶滅危惧種の左翼共産党
今の日本や欧米先進国だけに流行る不思議で不気味なネオナチのアゾフ大隊ヨイショ(ロシアバッシング)ですが、これは、あくまで日本や欧米先進国限定の不思議な騒動で、これはエマニュエル・トッドが指摘しているように高学歴の左翼(知的エリート)が右傾化したからにすぎない。
先進国以外の中南米やアジアアフリカ諸国では極めて醒めた目で見ています。もそもロシアのプーチンが悪いなら、飽きるほど世界中に侵攻するアメリカは20000倍ほど悪い程度は中学生でも分かります。2月24日からしか問題としないとすれば、悲しいかな生後3カ月の乳児程度の判断力しかないのですよ。大人ならウクライナだけではなく今の世界ではシリアやイエメンやパレスチナで何十年も前からアメリカ軍やその同盟国の暴力が振るわれている事実を知っている。
知的エリートのマスコミ有識者は「ロシアのプーチンが悪い」と日本共産党(志位和夫)まで一緒になって挙国一致で叫んでいる。
ところが、数少ないその例外なのが香港での民主化運動が、報道とは大きく違い実態が中国人ヘイトの暴動であると冷静に批判していたサッカーライター清義明 のルポ
ウクライナには「ネオナチ」という象がいる~プーチンの「非ナチ化」プロパガンダのなかの実像
左翼が絶滅した今の日本や欧米先進国の動きが根本的に狂っていて滅亡に向かって暴走しているが、ただし、この話はロシアのプーチンが正しいという単純な話ではない
そもそもの話。何事も最初が肝心である
ネオナチのアゾフ大隊のジェノサイドを止めるなら8年前に即座に介入するべきなのですよ。しかしウクライナの2014年2月のマイダンクーデターで即座に動いてロシア領に編入したクリミヤ半島とは違い、ウクライナ東部のドンバスに積極的にロシア(プーチン)は介入したくなかったのです。
この理由は案外に簡単で、頭が空っぽで眼が節穴の低能ネットウヨが盛んに「21世紀の今の世の中で、そもそもドネツク人民共和国と名乗るなど時代遅れも甚だしい。時代錯誤の左翼連中だ」と批判しているのですが、実は、ロシアのプーチン大統領としても左翼共産党が大嫌いだった。
これは第二次世界大戦当時にフランスやイタリアなど西欧のナチスドイツの占領地のレジスタンス(反ファシズムの抵抗運動)のメンバーのほとんどが左翼共産党だったように、ネオナチのアゾフ大隊が支配したウクライナ東部ドンバス地域でも事情はまったく同じだった。
選挙で選ばれた合法政権がアメリカCIAが支援してマイダンクーデターの2014年2月後に、真っ先に行ったのはウクライナ共産党など左翼政党の非合法化と虐殺だったのです。それで、東部ドンバスの人々が仕方なく武器を手に立ち上がってネオナチのキエフ政権に抵抗して、東部2州で「人民共和国」を名乗った。
その原因が第二次世界大戦当時のフランスやイタリアなど西欧諸国のレジスタンスと同じで、反ネオナチ武装勢力の主力が左翼共産党だったから当然な命名だったのである。原因が分かれは結果は必然。少しも不思議では無かったのです。
最も工業化が進み組織労働者の比率が高い沿ドニエストルはソ連崩壊時にモルドバ政府のルーマニア語公用語化に反発した(ルーマニア語が喋れない)ロシア語住民が分離独立を主張して内戦となり独立宣言した人口50万程度の大河ドニエストルに沿った縦に200キロの細長い地域で、1992年内戦以後はドニエストル河が天然の防壁となり平和が保たれモルドバ本国よりも経済的にも発展、人口も増加している(★注、現在欧州諸国の例にもれず沿ドニエトルも少子高齢化で人口減少に見舞われているという)
大河ドニエストルを表す中央の緑の横帯を除けば旧ソ連国旗と同じ沿ドニエストル国旗のデザイン
ウクライナに隣接するモルドバのロシア語話者の分離独立の沿ドニエストルもウクライナのドンバス地域と事情が同じで最も工業化が進んだ(組織労働者の比率が高い)地域で、必然的に左翼共産党が主導しているので国旗が旧ソ連の国旗のまま。1991年にソ連自体は消滅したが、左翼が消滅せず世界の片隅で細々と生き続けていたらしい。
なんと、今回は動物的な直観に秀でた低能ネトウヨの方が正しくて、論理的な日本の左翼リベラル知識人が致命的に間違っているパラドクス。笑えない「笑い話」というか、左翼が右傾化してほぼ完全消滅しているが、その少しだけわずかに残った絶滅危惧種の最後の生き残りがドンバスの二つの人民共和国や沿ドニエストルだったのである。(★注、不思議なのが「ロシアバッシング」に狂奔する日本共産党(志位和夫)である。このままでは韓国哨戒艦天安沈没事件直後の2010年参議院選挙での歴史的敗北と同じで、目の前に迫っている参議院選挙での大敗は確実なのですから丸っきりの自殺行為)
タスマニアタイガーの最後の一頭ベンジャミンの死と同じようにアホウドリやユキヒョウの最後の一頭が死ぬ時、間違いなく地球は少し寂しくなり悲しい。まったく同じように世界最初の実験国家であるソ連邦の最後の生き残りの沿ドニエストルが地球上から無くなる時、世界は少し寂しくなり間違いなく悲しいのである。
その状況で日本はロシアと直接戦争状態にないにも関わらず、
①“NATOと一緒”に『国会で“ゼレンスキー政権全面支援”を決定』しました
②NATO側について“経済制裁”=“経済戦争”に参加
③非常事態の時こそ“交渉が大切”なのに、『挑発にしかならない“外交官追放”』を実行
④“平和国家”日本なのに、『攻防一体の軍事同盟NATO』への加入を示唆
※今ココ!!
⑤自民党関係者が『9条改憲からの核武装(核シェアリング)』を主張
日本は国連の『敵国条項』対象国ですから、核武装しようものなら、『敵国認定』したロシア等から『核ミサイル』攻撃を受けても世界中が文句を言わないことは周知したいですね。
https://www.asahi.com/articles/ASM2P7SNNM2PUHBI03C.html
☆ロシア外相、「旧敵国条項」挙げ主張 北方領土問題
2019/2/22 朝日新聞
しかし、それを嫌ったのがアメリカでありイギリスだったと思います。世界の中心が欧州と中国というユーラシア大陸に移行するのを阻止すべく、ロシアを悪魔化する策動が進められ、NATOを通じたアメリカの軍事力を背景に欧州との離反が進められたと思います。ウクライナはその集大成でしょうが、結局、ロシアが平気で軍事侵攻出来てしまう程度に、アメリカのヘゲモニーは衰えています。