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哲学者か道化師 -A philosopher / A clown-

映画、小説、芸術、その他いろいろ

『フライトプラン』

2007-09-08 | 映画
フライトプラン

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

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「すごい母親だ」(『フライトプラン』)

 ジョディ・フォスター主演の『フライトプラン』を観た。もともと映画館で予告を観て、ちょーおもしろそーとかなり期待していた映画なのだが、いざ公開してみると「この展開はナシ」みたいなレビューがあったので、結局観ずじまいなってしまっていたものを、観た。

 事故で夫を亡くした妻カイルは、娘のジュリアをつれて、ニューヨークへ引っ越すべく飛行機に乗る。カイルは飛行機のエンジニアでこの飛行機の構造を熟知していた。カイルが飛行機でうたた寝しているといつのまにかジュリアがいなくなっている。周りの人に聞いてもジュリアを見たものはおらず、フライト・アテンダントや機長に聞いてジャンボ中を操作しても見つからない。カイルは誘拐ではないかと取り乱す。のみならず、アテンダントが空港に確認を取ったところ、娘の乗降記録はなく、さらに娘は夫とともに死んでいるという。機長らや乗客に白い眼で見られ、イカレた客だと毒づかれながらながらカイルは強引な捜索をはじめるのだが。(我ながら箇条書きみたいなあらすじ紹介だ)

 確かに「この展開はナシ」かもしれない。1時間を超えた辺りでいきなり娘の行方が観客には分かるのだが、いきなり話の流れが変わったような印象があり、そんなヒントなかったじゃんとつっこむ。それ以前に、娘が誘拐されたかもしれないとはいえ、カイルの取り乱し方は度を超している。アラブ人の客を捕まえて、お前昨日窓から娘を覗いていたと詰めより、アラブ人は他の客からも白い眼で見られるって、どんな人種偏見だ。その他、とんでもないことをしでかす。見るこちらは、ハラハラというよりも、イライラを強いられる。やっぱりハリウッド映画って共感できない。まあ、アメリカ人は9.11以来ハイジャックには恐ろしく神経質になっているんだろうなあとは思った。
 まあ、結局娘は見つかるんだけど、カイルを無罪放免するのみならず「すごい母親だ」なんて賞賛していいのかなあ。確かに、カイルの一連の行動がなければ、事態は解決しなかったのだけど、許されないだろう。ジャンボ機のなか全て(貨物室とか含めて)を使って、サスペンスを描きたかったという感じの映画で、ジャンボ機ってすごいなあ、と確かに思うところもあるのだが、設定負けしているところもある。面白いとは思う。けれど絶対に共感できない。典型的なハリウッド映画である。

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