GW中に東京都美術館の『日本の美術館名品展』を見てきた。これは日本各地の公立美術館から目玉作品を選りすぐって一か所に展示するという大々的な展覧会である。……たぶん、地方の美術館に人が来てくれないから、一度に紹介し鑑賞者を集めるためのイベントなのだろうなと思うと、ちょっと涙ぐましくなってくる。
だが、公立美術館の総力を集めたような展覧会だけあって、すごい美術展だった! ……休日にもかかわらず、そこまで人はいなかったけど。料理で言えばメインディッシュ級の作品がずらりと並ぶ。あるべき画家の絵はすべてあると言ってもいいくらい。しかも、こてこての料理が次から次へと運ばれてくるので、おなかいっぱいで、それでもまだメニューは続いていく、しかも洋風、和風、和洋風と。というわけで、この展覧会だけで、とりあえず近代美術とはこういうものだ、ということがだいたい分かり、これまであまり見なかったジャンルの作品(たとえば近代日本画)にも無理やり目を開かせてしまうすごい美術展だった。テーマ性がないから、面白いわけではないが、とにかくすごいので気になる人は観にいくべき。難点はと言えば、上記のような構成のため、美術史の流れを読んだりという「勉強」の要素が全くないこと、作品が雑多なため一人一人の画家の画風をじっくりと楽しむことができないことなどである。まあ、後者については今までコンテクストに載せて観ていた画家の作品を、純粋に鑑賞しやすいという副次的な効果もあるけれど。
とにかく、濃い作品が膨大にあるので、観る者に体力と集中力を要する。理想的には、二回くらいにわけて、一回目は西洋画家、二回目は日本の画家という風に観た方がいいくらいだ。公立美術館の総力を挙げた力技を、是非受け止めてほしい。
だが、公立美術館の総力を集めたような展覧会だけあって、すごい美術展だった! ……休日にもかかわらず、そこまで人はいなかったけど。料理で言えばメインディッシュ級の作品がずらりと並ぶ。あるべき画家の絵はすべてあると言ってもいいくらい。しかも、こてこての料理が次から次へと運ばれてくるので、おなかいっぱいで、それでもまだメニューは続いていく、しかも洋風、和風、和洋風と。というわけで、この展覧会だけで、とりあえず近代美術とはこういうものだ、ということがだいたい分かり、これまであまり見なかったジャンルの作品(たとえば近代日本画)にも無理やり目を開かせてしまうすごい美術展だった。テーマ性がないから、面白いわけではないが、とにかくすごいので気になる人は観にいくべき。難点はと言えば、上記のような構成のため、美術史の流れを読んだりという「勉強」の要素が全くないこと、作品が雑多なため一人一人の画家の画風をじっくりと楽しむことができないことなどである。まあ、後者については今までコンテクストに載せて観ていた画家の作品を、純粋に鑑賞しやすいという副次的な効果もあるけれど。
とにかく、濃い作品が膨大にあるので、観る者に体力と集中力を要する。理想的には、二回くらいにわけて、一回目は西洋画家、二回目は日本の画家という風に観た方がいいくらいだ。公立美術館の総力を挙げた力技を、是非受け止めてほしい。