哲学者か道化師 -A philosopher / A clown-

映画、小説、芸術、その他いろいろ

『氷の微笑』

2009-07-06 | 映画
氷の微笑 [DVD]

パイオニアLDC

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 元ロックスターがセックス中にアイスピックで殺される事件が起こる。ニックはその殺害手段と小説としてすでに描いていた作家のキャサリンを疑い、捜査を行うが、その妖しい魅力に侵されて行く。やがて、キャサリンとの関係から元恋人との関係を揺さぶられ、さらに何度も捜査中に通行人を射殺してしまった過去を探られ、ニックも狂い、捜査は二転三転していく。

 シャロン・ストーンの妖しい魅力、迫力は定評通りで、なんと言ってもエロい! 痴女かもしれないが。
 が、シャロン・ストーンのエロさばかりが有名な映画だが、サスペンスとしてもかなりよく作られてくいる。ちょっとオチは分かりにくいのだが、要は衝動殺人に魅入られた作家が、他人の衝動殺人を取材して小説を書き、自らの衝動殺人を最高の快楽として身をゆだねようとしている、という話なのだろうか。キャサリンは非常に頭の良い人物として描かれているが、その彼女が具体的な意図をもって行動しているのではなく、その自分自身すら超越するような衝動に興味をもち、身を委ねているというのが、物語の最大のポイントなのだろう。その頽廃がなおさら、この映画をエロティックに見せるのだろう。ま、こんな小難しい理屈よりも、観客はシャロン・ストーンはたいへんエロかったという記憶を残してこの映画を見終えるのだが。けしからん。

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