哲学者か道化師 -A philosopher / A clown-

映画、小説、芸術、その他いろいろ

今週の『機動戦士ガンダム00』と『キミキス』と『バンブーブレード』

2007-10-30 | アニメ
『機動戦士ガンダム00』第4話「対外交渉」
 なんか、変な格好だけどヒロインぽい人がもう一人出てきた。滅亡に瀕する国家の女王ということで、リリーナ様? 正直妙な人が出てきたなと思った。しかも、国民は難局を乗り越えるために民主主義を捨てて王政に戻したっていうし、どうなんだろう?
 しかし、ソレスタル・ビーイングのガンダムがどんなに力を持っていたって、普通に考えたら大国にいいように踊らされるだけで、割に合わないと思うのだが。それに、超国家的な体制と戦うとなると、あの少数では罠を張られてたこ殴りとか、核兵器でどかんとかでやられてしまうと思うのだが。この辺は設定の穴なのかなあ。

『キミキス』第4話「step in」
 今回は相原くんが主人公だが、彼もうろたえすぎだろうw。ある意味、犬に噛まれたようなものじゃないか。一方で甲斐くんもオラにゃん振りを見せ始めているし。突っ込む以前に脱力してしまうんだが。
 ところで、今回サッカー少女の咲野さんがサッカーボールにキスしていたし、やっぱりこのアニメ、毎回何かしらのキスシーンがある模様。さっきまでやろうどもが土の上でけっ飛ばしてたボールにキスするかなあ。
 とりあえず、能登まみまみの出番を増やして欲しい。今期は能登まみまみに代わり、広橋涼嬢大躍進の予感。

『バンブーブレード』第5話「室江高と町戸高」
 とにかく、広橋涼嬢が一番広橋涼嬢らしいアニメである。まあ、ダウナー系不思議ちゃんなわけだが。
 みやみやのキャラも、大した突っ込みもないまま定着し、5人目がそろわないのに、早くも町戸高との試合。相手もなかなかくせ者ぞろいのようで。
 ところで、このアニメの中で珠姫のレベルが今のところいきなりマックスで、パワーバランスが取れるんかいなと怪しいんだけど。いきなり超高校生級ではないか。対戦相手については、珠姫と同じくらい強い相手をもってくればいいけど、室江高の他のメンバーとの実力の違いは、なかなかうめられないだろう。あるいは、剣道初心者のみやみやとかは珠姫の指導で超レベルアップとかするのだろうか? 普通こういう部活話は主人公が強くなっていくのが面白いと思うんだけど、その役割はみやみやに来るのかなあ。珠姫はあくまで最強で。
 ところで、CMのおまけアニメみたいのが面白い。『死亡遊戯』をパクッた『Kill Bill vol.1』をさらにパクっているではないか。

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今週の『CLANNAD』と『ef』

2007-10-28 | アニメ
ef - a tale of memories. OPENING THEME euphoric field feat.ELISA
天門,ELISA,酒井伸和,西田恵美
GENEON ENTERTAINMENT,INC(PLC)(M)

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『ef-a tale of memories』第4話「honesty」
 OPテーマの『euphoric field』がさっき届き、今聞いているところ。CMで女の子が走っている映像を流しているけど、確かに駆け抜けるような印象の曲だ。必ずしも網羅しているわけではないけど、10月から始まったアニメのテーマの中では(『CLANNAD』の『メグメル』はとりあえずおいておくと)一番良い感じだと思う。強いて言うなら『sola』のOPの『colorless wind』に似ているけれど、『euphoric』の方がロックっぽくて、良くも悪くも音が乱暴な印象。私的には『colorless』の大久保薫氏の編曲にやや軍配をあげるかな。『euphoric』も良い曲には違いないのだけど。日本語バージョンと、英語バージョンと、英語ショートバージョンとイントゥルメンタル・バージョンまで入っているのが心にくい。ついでに言うと、英語まで歌える新人を用意したのはエライ。
 本編は、意外に進みが早い感じで、どちらの話にもちょっと転機が。まあ、それはとりあえずいいんだけど、アニメの背景の空とかの描写がどこかで見た感じだなと思っていたら、そういえば『ef』の原作のminoriといえば、新海誠のムービーで有名なところで、新海流の景色描写なのだと思った。どうりで自然が登場人物たちの心情描写を描きまくってくれる。これはこれでセカイ系か。

『CLANNAD』第4話「仲間をさがそう」
 『クラナド』といえば、やたらとエピソードやルートの多い作品でもあったけど、アニメはどれくらいそれらを消化できるのかなあと思った。本番は明らかにアフター・エピソードだから、そちらにも尺を十分に回さないといけないし。椋と柊くんのエピソードとか有紀寧のエピソードとか先生とのエピソードとか、野球するエピソードとか、そういうところまで描いていたらきりがないと思うのだが。それに、もろ恋愛がらみのエピソードの杏とか、描きにくいだろうなあ。適当なところで切って、あくまで渚がメインともっていくのだろうか。

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「アニメ製作者が、アニメの違法アップロード&ニワンゴに問題提起」ということについて

2007-10-27 | Weblog
 『ドクロちゃん』のプロデューサーのUPLIFT氏たちがアニメ業界の時事放談としてやっているインターネット・ラジオでの発言が話題になっているらしい。

 要は、アニメ業界はただでさえ既得権益にはさまれてぱつぱつなのに、ニ○ニコ動画にTV放映されたアニメだけではなく、DVDの特典映像とかまでアップロードされて、権利侵害されており、アニメが売れなくなってきている、ゴラァという話だ。

 まあ表現にはどうかと思うところもあるけれど、基本的にUP氏たちの主張は正しいと思うし、掲示板とかを見てもけっこう同情的な意見がある。最近、大学院の友だちと飲んで話していて、「ニコ厨氏ね」みたいな意見はけっこうあると聞いたけれど、このことかと。

 別に自分に累が及ぶのを避けるわけではないけれど、僕はニコ動を見たことがない。ちょうど昨日アカウントは取得したんだけど、それも最近話題の初音ミクを見てみたいと思ったからだし。それでもって、ニコ動にそこまでアニメの違法アップロードがあったとも知らなかった。なんか、いろいろと時代は(良くも悪くも)先を行っているなあという気はする。

 掲示板とかを見ていてちょっと興味が湧いたのは、地方に住んでいる人だと、ほとんどアニメが放映されて無くて、リアルタイムで高いDVD代とかを払わずに見る方法といえば、ニコ動とかしかないんだという。うちの田舎もそうだから、ちょっと同情した。まあ、アニメなんか見ないほうが良い人生を歩めるかもしれませんよ?という気もしなくはない。

 しかし、アニメのTV放映はDVDのコマーシャルだ、みたいな話は良く聞くけれど、アニメ業界ってほんとうに(1本5000円からの)DVDを買ってもらえなければ、もたないんだなあ。僕はアニメのDVDは『serial experiments lain』の廉価DVDボックス(13話1万円)しか買ったことしかなくて、アニメを観ようと思ったらツタヤでDVDを借りて観ている。レンタルだって、アニメを作っている側としてはイマイチらしいが、違法ではないし、画像は良いし、部屋にかさばらないし、特に問題もなく一番いい観方だとは思うのだが(とはいえ、『ローゼンメイデン』とかやたらとレンタルDVDになるのが遅いのもあるが)。

 あと掲示板の話にも出ていたけれど、アニメ業界が合同か何かで、アニメを1週間視聴無料で流すアニメ特化版Gyaoみたいなサイトを作って運営とかできないんだろうか。『アイドルマスターXenoglossia』をBiglobeで1週間無料放映したり、『いろはにほへと』みたいなGyao初出アニメとかもあるし、それほど敷居が高いとは思わないのだけど。どうせ深夜アニメを観る人は、生活リズムが不規則かつ、ネットに詳しいみたいな人が多いだろうし。現にアニメ関係のインターネット・ラジオは盛況みたいだし、行けると思うんだけど。気に入った作品はそこからリンクで通販とか。音泉とかやらないかな。

 なんか話がよく分からん方向に向かいはじめたな。まあ、UP氏たちが主張し、掲示板でも一定の指示を得ているとおり、まずニコ動を提訴して、アニメをアップロードしている厨に警告、悪質な場合には提訴という具合に、法的な措置をとるのが一番良いと思うし、そもそもまだなんでやっていないのかというくらいである。一度裁判に勝てば(まあ勝てるだろう)判例として残るし、後代への遺産にもなる。正直言って、アニメも結局ただの商売なので、作品だとかクリエーターだとかいうことを気がねせず(あるいはするからこそ)、制作者としての権利は正統な方法で主張していくべきだろう。インターネット・ラジオで酒場トークみたいな愚痴を言っている場合ではない。

 しかし、アニメ業界のもろもろの問題がなくなって、アニメ3話入りのDVDがせめて3000円くらいで売られる時代はこないかなあ。『瀬戸の花嫁』とか『CLANNAD』とか『ぱにぽにだっしゅ』とか私的に殿堂入りのアニメだったら、1話あたり1000円のコストなら買って保持しておきたいとは思うんだが。特典とかいらないし。あーでもとりあえずは、アニメを観てて見苦しくないようにはクオリティを高めてください。だって、DVD買って作画が崩れていたら、欠陥商品みたいじゃん。

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秋田禎信『エンジェル・ハウリング7 帝都崩壊①』

2007-10-27 | ライトノベル
エンジェル・ハウリング〈7〉帝都崩壊1―from the aspect of MIZU
秋田 禎信
富士見書房

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「崩壊する中で、ミズーは剣を投げ捨て、金切りをあげた。
殺意も衝動もない純粋な瞬間へと。
生と死に挟撃される獣の生涯へと。
……何故。
どうして獣の時間の住人がふたりいなければならないのか。
ただひとり、絶対の殺人者が孤独でのみ存在できるはずのその時間に、どうしてふたりで存在できたのか。
その理由が分かった。
それが同じ世界で同時に存在するならば。
なにもかもすべてを殺し尽くすうちに、いずれ互いをも殺し消滅する。
最初から存在しないのと同じことになる。
最後まで存在しながら、最初から存在しない。その空隙に一瞬にならば、絶対殺人武器は存在できる」(P325)

 最近、忙しい合間を見つけて読み直している『エンジェル・ハウリング』のミズー編である。……やっぱりいいなあ。次の9巻がラストでそのときにまとめた長めの感想を載せようと思うので、詳細は割愛させてもらうけど、好きな小説を三つ挙げろと言われれば、たぶん一つはこれを挙げるんじゃないかと思う。今風に言えば「魂の作品」といったところか。僕は「愛」とか観念的なものは信じない質だけど、こういう観念的なものを信じさせるような小説や音楽などの芸術や娯楽を読むと、くらっと信じたくなってしまうし、信じちゃう。それくらい好きな小説だ、ライトノベルだけど。なんか最近読み応えのあるライトノベルを読みたいなという人には、おすすめ。
 しかし、惜しむらくはライトノベルの商品としてのあまりの賞味期限(?)の短さだ。『ブギーポップ』にしても『イリヤの空』にせよ(まあもっと古ければ『ロードス島』でもいいが)、名作と呼ばれるライトノベルも、最近ラノベの読者になった人は読まないんだろうなあ。『ハルヒ』が流行っている現状では、もう「古く」なっているのかもしれないけれど、今読んでもすごい小説なのに。まあ、毎月あれだけラノベが量産されて、本屋の棚に収まらないほどだし。廃刊も多くて、庄司卓先生の(だいぶ前に出たのだけど)『ヤマモト・ヨーコ』の最新刊をアマゾンに注文しようとしたら、無かったし…。名作マンガの文庫版じゃないけれど、良いラノベはちゃんと次代に残せるような愛蔵版みたいのがあればいいと思うんだけど、誰も買わんだろうなあ。

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広江礼威『BLACK LAGOON 7巻』

2007-10-26 | マンガ
ブラック・ラグーン 7 (7) (サンデーGXコミックス)
広江 礼威
小学館

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 いつの間にか発売していたとてつもなく硬派なのかとてつもなく軟派なのかよく分からないマンガ『BLACK LAGOON(ブラック・ラグーン)』の第七巻。

 今回は、全巻からは始まったロベルタ再び編の続きで、まだ途中のまま次巻に続く。なんとロベルタが追っていた相手は米国の非正規軍だったらしく、ロアナプラがひっくり返るほどの危機の予感。
 それにしても、いろんな国のいろんな組織や人の名前が出、アンダーグラウンド用語が続出して、背景も難しく、読みにくい…。というか、理解難し。面白いんだけど、読んでて苦しい。ただ、作者自身が言うように、作品の根幹に触れているエピソードで、けっこう深い。まあ、すごいマンガだよな。おすすめ。

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『CROSS†CHANNEL』のパクリ、『メビウスの輪』が受賞を辞退したこと。

2007-10-25 | Weblog
 10月14日に、「ケータイ小説の大賞を取った咲かない花(というペンネーム)(23歳男性)の『メビウスの輪』という小説が美少女ゲームの傑作『CROSS†CHANNEL』のパクりではないかという話が持ち上がっている。ちなみに、作者は100万円の賞金をもらって、講談社から本を出してもらえるらしい」という話をしたけれど、咲かない花氏はパクリ説を否定しながらも、パクリと言われるからにはしょうがない受賞を辞退したとのこと。まあ、話を聞く限り副賞100万円はもらったみたい(?)なのだけど(でも、主催者側の利益としてリターンしないんだから、賞金も引き上げかな?)。

 まあ、とりあえずよしとしよう。さすがに、天下の講談社から書籍されたら、映画化とかなし崩しにメディアミックスに持って行かれた可能性があるし(というか、ケータイ小説自体メディアミックスだし)、そうなるとほんとうに名作『CROSS†CHANNEL』が吹き飛ばされてしまっただろう。そこまでいって『メビウスの輪』が市民権を得てしまったら、「美少女ゲームのパクリだ!」という批判は、三流週刊誌レベルの非難にしかならなくなってしまうし、結果黙殺。裁判したら『咲かない花』が負ける案件だとは思うけど、誰が訴えるんだ、という話だ。
 もちろんパクリには問題があるけど、こちらからは検証しようがないし(まあ黒だとは思うけど)、それほど大きな影響にはならなかったわけだし(ただ、主催者や出版社側のチェック能力の甘さは今後の多大なる懸念事項だが)、咲かない花氏がこれから変な気さえ起こさなければ、あえて追求しようとは思わない。
 正直なところ、これから懸賞小説的なものは、こういうパクリの嵐にさらされることになるだろうが、あまりにも広まったメディア環境のなかで、ある作品がパクリかどうかというチェックをいかにしていくのか。気の遠くなるような話である。同人誌とか、まあパクリみたいなジャンルのおかげで、オタク産業は賑わっているわけでもあるし。オタク評論家の東先生をもじれば、「すでに検索可能なデータベースとしては成り立っていないデータベース」「データベースのデータベース」「飽和するデータベース」と言ったところか。

 でも、最近初音ミクがTBSの「アッコにおまかせ」で取り上げられたことについてバッシングが起きたり、不謹慎な話ではあるが、ちょっとヤジウマ根性を引かれる事件がオタク領域で起きている。僕は歌とか曲とか作れはしないだろうけど、素直に「初音ミク」みたいなものはすごいなあと思うし、オタク的な領域でこそ、けっこう面白いものは出てきているハズなんだが、評価はされないなあと。あくまで利益や数字を求めるメジャー・メディアの力と、VIP的な草の根(?)で支えられているローコスト・興味ベースなマイナー・メディアの衝突と言ってしまっていいのだろうか。こうメディアを区切ってしまうとわかりやすくはあるのだけど、すでにアメリカの政治的メディア論とかの学説では、マルチメディア、インターネット化することで、人々はさらにメディアに足をすくわれるようになり、イメージを用いた政治的な動員に踊らされるという議論も出ているし、微妙なところ。日本では良くも悪くも、2ちゃんねると2ちゃん的なものがメジャー・メディアに対する防波堤になっているような気もするんだけど、まあ良かり悪しかりだしね。こんなブログでも、未だに『クロスチャンネル+パクリ』で検索して来て読んでくれた人は結構多かったし、全く何の力もないというわけではないということなのだろう。大したことは書かなかったけれど、書いておいて良かったとは思った。

 と、うぉう。なんか壮大かつ殊勝な話をしてしまった。まあ、たまにはこんなのもいいかな。

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『BALDR FORCE EXE RESOLUTION』

2007-10-24 | アニメ
BALDR FORCE EXE RESOLUTION 04

トライネットエンタテインメント

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 『BALDR FORCE EXE』のOVA版『BALDR FORCE EXE RESOLUTION(バルドフォースエグゼ レゾリューション』を観た。公式ホームページのキャラクターデザインを見たときから、恐々とはしていたんだけど、まあ及第点かなあ。あまり作画には期待できない。良かったのはCGでモデリングされたと思わしき、シュミクラム同士の戦闘がなかなか迫力があったこと。
 脚本は大作美少女アドベンチャー+アクションゲームをがんばってまとめたなあという印象。ただし、親友の形見のネックレスの設定が一貫しなかったり、原作ゲームの設定を再現し切れていなかったり、妙にグロかったり(憐ちゃん怖い…)と粗は目立ち、こちらもぎりぎり及第点か。
 ただ、『バルドフォース』の世界観の一番良かった部分(サイバーパンクぽくて、ぎりぎりサンバーパンクではない)が再現されていなかったり、透や憐の設定の一番良い部分が再現されていなかったり、原作のストーリーのファンには辛いところか。透の最強の理由たる「自由な狼の魂」や、憐の存在の可能性とか、確かにわかりにくくはあるけど、あっさり省かれてしまったのはほんとうに残念だと思う。まあ尺が短いしね。
 あと、声優は、超豪華。メインキャラについては、主人公、メインヒロイン・クラスの声優さんしかいない。特に生天目仁美さんほんとうにご苦労様です。あのシーンがなかったら、ゲンハの存在感はかなり弱くなっていたのではないかと思います。
 特典映像と音声として、本編を見ながら声優さんがトークするのと、ラジオドラマ風のものが収録されている。ラジオドラマはそこそこなのだけど、なんと言ったって、2巻で生天目さんと中原麻衣さんのトークが面白い。作品を壊してしまうほどのぶっちゃけトークで、聞いているこっちが不安になりつつも爆笑するトークですごかった。出番こそそれほど多くは無かったけれど、本作のMVPは間違いなく生天目さん。
 というわけで、ところどころ「おっ」と思わせる良いところもあるけれど、あまり原作ファンにはお勧めできない。しかし、生天目ファンと中原ファンの方なら、2巻のオーディオ・コメンタリーだけは聞いておくと良いかと。この人たち、大物過ぎ。

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今週の『プリズム・アーク』と『みなみけ』と『バンブーブレード』

2007-10-23 | アニメ
 結局アニメのレビューを毎日ペースに戻してしまった……うーむ、まあインターネットラジオとか聞きながら書いているのでそれほど手間でもないのだけどね。さすがに、書くことが無く更新が滞って見る間に閲覧数が1/3~1/4に減っていくのは寂しいものがあるし。

『プリズム・アーク』第3話「騎士たちの目標」
 単なる美少女ゲームのアニメ化で見るからにあまりお金がかかっていないようなアニメだけど、実は監督が大ベテランの(まあロボットアニメ関係だが)大張正巳氏で、古き良き(というか僕が最近良かったなあと思い出している)90年代中盤くらいの美少女アクションアニメの雰囲気を蘇らせている。『エヴァ』とか『ナデシコ』とかの影に隠れ、アニメのデジタル化やDVD化の波に乗り遅れた不遇のアニメ世代だけど、今思い出してみると(たとえばYoutubeとかでその頃のアニメのOPやEDを見ていると)これがおもしろいんだよね! 庵野秀明的に言えば、アニメがジャンルとして閉塞した時期になるのだろうけど(今もそうらしいが)、煮詰まったなりの良さがあったと思う。というわけで、『プリズム・アーク』もお約束だらけのチープなアニメなのだけど、案外良い。

『みなみけ』第3話「玉蹴り番長再び」
 世間的にもやっぱり『苺ましまろ』に似ていると言われているらしい本作だけど、演出がちょっと違うのと、どうやらラブコメ要素があるところは、違うみたいだ。『苺ましまろ』はそもそもおじいさん以外男がいなかったしね。だけどやっぱり、『苺ましまろ』と比較してしまって、ギャグのシュールさが足りないなあと思われてしまうのは、不遇なところだろうか。

『キミキス』第3話「book mark」
 まあ、初々しい男の子と女の子の話。腹がむずがゆくて、画面が正視できない(笑)。いや、最近色ものばかりになってしまった恋愛アニメの王道を越えた超王道として大成しそうな気もしなくはない。
 ところで、考え直してみると、一話の濃厚な(?)キスシーンの印象が強くて気づかなかったが、2話以降も回想やぬいぐるみ同士のキスで、ちゃんと毎回キスシーンがあるのかもしれない。まあ、いろいろと生暖かく見守りたいアニメではある。

『バンブーブレード』第4話「ピンクとブルー」
 この前調子に乗ってみやみやは腹黒!と書いたけれど、実は腹黒でも性悪でもなくて、ツンデレの一変種ではないかと、今回見ていて思った。というのは、腹黒というのは概して何かしらの人に言えない目的があって、そのために男とか友だちを手段に使うみたいな感じだけど、みやみやは段くんを本気で愛しているみたいだし、まあちょっと性格がすさんでいるという程度のものではないかと。今回もあっさり鞘子と仲直りしたし、実はヤンキ的性格というのが先生なんかにあっさりバレてるし。
 図解っぽくすれば、ツンデレが「ツン/デレ」の二層構造なのだけど、みやみやは「猫かぶり/ヤンキー/デレ」の三層構造なのだ(ルーマンをかじっている人なら見たことのあるような記述だけど、あれとはちょっと違う)。猫かぶりの項をひとまず除いて、「ヤンキー/デレ」のところに注目すれば、結局「ツン/デレ」と同じ、一見性格が悪いけれど、実はいい人というだけの話なのである。というわけで、「猫かぶり」のせいでちょっと複雑に見えるし、ツンのところがヤンキーだけれど、結局のところ、(黒)みやみやのエッセンスは「ツンデレ」とそう変わらないんじゃないかと思う。というわけで、一変種。性悪翠星石がツンデレ代表の一人とされているのと全く一緒。
 ただ、みやみやの魅力はやっぱり「黒」にあるわけで、「ツンデレ」の一変種と言いきってしまうと、ちょっと弱い気もなきにしもあらず。みやみやの属性の後続となるキャラがぞろぞろと出てくれば、そのうちジャンル化し、誰か気の利いた名前をつけてくれるとは思うんだけど。となると、やっぱり簡略化と短絡化を被って「腹黒」あたりで落ち着いてしまうんだろうかなあ。うーむ。あ、でも腹黒喫茶ってちょっと楽しそうだな。メイド喫茶もツンデレ喫茶も行ったことないけど。
 ところでEDの『STAR RISE』のサビの「アイコールユー(なんちゃら)スターライズ♪」が「あんこ入りパスタライス♪」と聞こえるとかで評判だけど、言われてみるとそうしか聞こえないな(笑)。そもそも(なんちゃら)のところが何か分からないと意味の取りようもない。OPはともかくちょっと気に入った感じだし、CDを買っちゃおうか。マンガも絵が良いみたいだし、アニメシリーズが終わったら、まとめて買おうかなあ。……月末のクレジットの請求書のアマゾンの項が大変なことになりそ。

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今週のアニメ

2007-10-21 | アニメ
『機動戦士ガンダム00』
 どうやら、ガンダムは卓越した技術で作られていながらも、基本的にはただの高性能機体で、核心はほとんどオーパーツ扱いの太陽炉「GNドライブ」みたいです。ブラックボックスらしくてソレスタルビーイングでも複製は不可能のよう。思うに、200年くらい前に生きていた人らしい、ソレスタルビーイングの架空の代表の科学者が「GNドライブ」を開発し、それを使って今のソレスタルビーイングと同じことを考えたが、その危険性に気づいた近くの人が、科学者を暗殺。「GNドライブ」自体も封印したけれど、科学者の子孫が「GNドライブ」の完成品を見つけてしまって、かつてご先祖様が計画したことを現代で行おうと考えた、というところじゃないかなと思う。まあ、今出ている情報だけで推測するのも無理があるけど。
 ところで、今まではなんで出ているのかよくわからなかった沙慈くんだけど、刹那の隣人となり、視聴者の立場に近い第二の主人公というポジションなのかな。やがて刹那がガンダムマイスターだと言うことに気づき、彼に感化される(とかいうと、なんかやおいっぽいのが思い浮かんでしまうが…)ことによって、第五のガンダムマイスターになるといったところかな。ガンダム四機というのも収まりが悪いし、黒いガンダムとかで参戦。あるいは、刹那が子供の頃に出会ったガンダムか。
 あとは、ガンダムマイスター4人もそれぞれに迂闊、というか若いところがあるみたいで、それはソレスタルビーイング自体の性質になるのではないか。最初の内は介入もうまくいき揚々としているのだけど、いづれ限界ないし弊害が露呈し、挫折を覚えながら、それでもアイロニカルに平和を目指していくとか。ちょっとSEEDっぽいかなあ。

『ef(エフ)』
 OPの『euphoric field』が気に入ってしまったので(ちょっと音が乱雑な気もするが)予約してしまいましたよ。ひさしぶりにヘビーローテーション曲獲得の予感。
 みやこと景の方のエピソードはイマイチまだ見えてこないけれど、千尋のエピソードはなかなか良い感じ。前向性健忘症かあ。恋愛物語のモチーフにするには、思い切った設定だなあと。明らかに挑戦なのだが。前向性健忘症と言えば、前にこのブログでも紹介した『メメント』があるけど、『ef』も『メメント』ほど奇抜な構成にはしていないものの、『メメント』を踏まえ、参考にしている模様。果たして蓮治と千尋の恋はどこへ行くのか。というか、普通蓮治の立場なら、重すぎて逃げてしまいそうなものだけれど、ボンクラだからか。
 あと、制作会社がシャフトで、新房昭之氏が監修を務めているけれど、これまでギャグにばかり使われていた新房流の演出(OPで女の子のシルエットで遊んだり)が、意外に『ef』の切なさや空虚さの演出に多大な効果を及ぼしている。アニメはセルの枚数じゃないよ。これは……新しいものが生まれそうな予感!

『D.C.Ⅱ(ダカーポツー)』
 今回の脚本担当は、今で言う萌えアニメがそう呼ばれなかった頃からの大ベテランのあみやまさはる氏。『愛蘭島』のときはいまいちだったけれど、今回のエピドードは恋愛のつきあい始めのういういしさとすれ違いと気遣いみたいのが交錯して、ベタベタでくどいセリフがありながらも良いエピソードだった。まさに職人芸。思えば、初めてファンになった脚本家ってあみやまさはる氏なんだよなあ。面目躍如。

『みなみけ』
 ネタ自体は、恐ろしく対したことなかったが(オチが弱い!)キャラの顔をアップにして、さらにリアルに描き込むという演出は功を奏していたと思う。

『バンブーブレード』
 みやみやって黒かったんだ……。ショック? そんなことなくて、むしろ僕は腹黒が好きなので、千尋と並んで今期もっとも印象に残るキャラクターになりそうかも。ただ、残念なのは栄花くんのことはほんとうに好きらしいので。超絶美人なあまり、あまりにも人に言い寄られるので、毒にも薬にもならない栄花くんをとりあえずの彼氏に立て防波堤(ひどいな)、という設定の方が個人的にはうれしかったのだけれど、まあ仕方ない。(今のところ、最高の腹黒は『シンフォニック・レイン』のファル様ことファルシータ・フォーセット嬢)
 ところで、みやみやがヤンデレではないかという意見があるらしいけれど、これは受け入れがたいな。ツンデレはあっさり消費されてしまったけど、ヤンデレというのは未だにジャンル化しきれない過剰さというかラディカルさがあって、そこが良いのに。破綻した人格をそれでもなお愛すというか。
 あと念押しに書いておけば、腹黒とヤンデレは違います。

『キミキス』
 ひょっとして、毎回キスシーンがあるという濃厚なアニメを恐れつつ期待していたのだが、残念ながらそういうわけではないみたい。けれどちょっとおいしいのは、今まで取り上げられなかった男性版ツンデレことオラにゃんな男の子が出てくるところ。まあうれしいわけでもない。
 しかし、このアニメで一番謎なのがIQ190という今まで聞いたこともない化け物みたいな女の子が、キスの実験とかいうIQ90以下くらいのアホなことをやっていること。確かに、僕みたいな凡人にはわかりません。ごめんなさい……。

『スカイガールズ』
 相変わらず、恐ろしくフツーなエピソード。昔の一話完結のロボットアニメみたい(まあ実質ロボットアニメなのだが)。ただ、意外にもエリーゼの存在が番組のテコ入れになっているのが美味しい。

 こんなところかな。毎日連続アニメのレビューをするのをやめて、1週間まるまるをやることにしたけれど、これはこれでちょっと大変。日頃書くこともなくなってしまうし、元に戻すかなあ、時間食うけど。あと今週残念だったのが、WOWOWで始まった『神魂狩』を見損ねてしまったこと。中村隆太郎監督と脚本家小中千昭でオカルトっぽいアニメという、『lain』をこそ神アニメとあがめる僕にとっては夢のようなアニメだが……見逃してしまった。2話以降を見て良かったら、DVD買うかなあ。

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Bunkamuraザ・ミュージアム『ヴェネツィア絵画のきらめき』

2007-10-20 | 展覧会
 Bunkamura ザ・ミュージアムの『ヴェネツィア絵画のきらめき 栄光のルネサンスから華麗なる18世紀へ』(~10月25日(木))を観てきた。まあその名の通り、ルネッサンス以降の(マネリズムだっけ?)の絵画を集めた展覧会だけど、なかなか良かった。ルネッサンスのきらめくような人間主義でも、近代絵画のジャンル的な複雑さでもないという、まあ中途半端といえば中途半端な感じの絵が多いが、その中でもおもしろいものは、ある。ギリシャ神話やキリスト教の寓話をモチーフとした絵画が多いのだが、ファンタジックな絵も多くて、味わいは広く深い。
 いかにもBunkamuraらしい、エスタブリッシュな感じのする展覧会だけど、渋谷で時間が余ったとかなら是非観に行くといいと思う。それほど混んでいないしね。

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秋田禎信『エンジェル・ハウリング5 獲物の旅』

2007-10-18 | ライトノベル
エンジェル・ハウリング〈5〉獲物の旅―from the aspect of MIZU
秋田 禎信
富士見書房

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「眼を瞑っても……逃げても……追いかけてくる。ほんとうに見たくないものは、正面じゃなくていつも背後にいる……」(P41)

「殺すことしか能のない人間なんて、誰が許してくれるの? この世界に、わたしたちの居場所なんてあるのかしら。そんなことを考えることが多くなったわ。怒っている時間よりも、考えている時間のほうが増えた……歳を取ったということなんでしょうね」(P200)

「賢者と愚者。閉じた輪の中にある差異と同化の中から……始まったのだ」
「未知に圧殺されること……無知であること。それを恐れた人間は、賢くなることでその恐怖を埋めようとしてきた。だが、賢くなるとはどういうことなのか?」
「賢くなるとは、見るものを疑うことから始まる。鳥は飛ぶ。考えぬ者は、鳥が鳥であるという理由だけでそれが飛ぶということを認める。鳥が飛ぶ理由を求めるためには、根拠なくば鳥は空を飛べないということから始まらなければならない。賢者はそうして疑うことを覚える。万象に確証を求める。証拠がなければなにも信じることのできない賢者が、こうして生まれる。証拠にもまた証拠を求める。その輪廻……結果として、真の賢者はなにも信じることができない」
「愚者とは、すべてを盲信する。賢者とは、すべてを疑う。この両者にどれほどの違いがある? なにも疑うことのない愚者と、なにも信じることのない賢者。結果においてはなにも変わりはしないのだ」(P228)

 最近忙しくて、更新が滞ってます。まあ、10月から毎日アニメのレビューをするネタを封じたので、書くことがなくなっているえいもあるのだけど。
 
 そんなことはともかく、最近読み直している『エンジェル・ハウリング』の5巻である。相変わらず名言の多いこのシリーズだが、特にこの巻は名言が多い。
 黒衣との戦いの傷を癒し、捕らえられたフリウ・ハリスコーの救助を計画するミズーだが、アイネストの策略により、賞金稼ぎに追われ、いつのまにかフリウはサリオンの手により逃亡していることを知らされる。代わりに、ミズーはジュディアに案内されてベスポルドのもとへ向かいながら、同じくベスポルドを追う黒衣を妨害しようとする。結局、黒衣と遭遇することはなく、ミズーは辺境の村でベスポルドと会い、対話するが精霊アマワの正体について明確な答えは聞き出せず、代わりにフリウを守る支援者を探すことを頼まれる。フリウが向かっている街に先に着いたミズーとジュディアは街のギャングであるペインに取り入り、街に向かっている黒衣を排除する代わりに援助を取り付ける。そして、ミズーはまたサリオンに警告を発し、フリウを守るように促す。街に入った黒衣と黒衣に扮したウルペンを撃退したミズーは、帝都にいることが分かった双子の姉のアストラを救い出すことを決めるのだった。

 一見地味な話だけれど、こうやってあらすじを書いてみると、いろいろあったなあ、しみじみ。これでも結構はしょっているのだが。今回はジュディアと関わることにより変わっていくミズーが描かれ、職業的暗殺者としての生き方を揺さぶられる。その自己定義の揺らぎが迫真の筆致で(大げさ)描かれる。まあ、素晴らしいのである。
 ところで、この巻の上記引用の「賢者と愚者」のくだりを読んでいて思い出したが、このブログの名前「哲学者か道化師」というのの、元ネタの一つはこの「賢者と愚者」なのである。まあ、他にもいろいろあったはずなのだが、もう遠い昔のことなので(3年くらい前?)覚えていない。まいっか。

「もしも……真っ暗闇の世界で」
「聞いてくれ。真っ暗闇の世界で、そこに空気がなく、身動きできないとする。だがそこに、誰かがいる。誰でもいいが、誰かがいる」
「君もそこにいたとして、その誰かに、君のことを気づかせることが……できると思うかね?」(P231-232)

「たとえ殺すことができたとしても、たとえ壊すことができたとしても、現れたものを消すことはできない! この世界にはすでに現れてしまった。それを消すことなんて誰にもできない!」(P324)

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先週のアニメ

2007-10-14 | アニメ
『機動戦士ガンダム00』
 前回、『00』の設定って、『フルメタルパニック!』に似ているなと書いたけれど、今回は『DEATH NOTE』に似ているかなと思った。いや、声優がじゃなくて。
 というのは主人公(たち)が圧倒的な力を振るう「必要悪」のような存在になって、世界に恐怖を撒きちらすことで、結果的に「正義」を実現しようとすることが。それでも今回特に興味深かったのが、主人公たちソレイタルビーイングが、世界中からの憎悪を一手に引き受けることで、三大勢力などなどの衝突を無くそうとしていること。ソレイタルビーイングのガンダムマイスターがもし捕まったりしたら、すごい目に遭いそうだなあ。ぶるぶる。
 ところで本作のモビルスーツ戦は今のところ『ガンダムW』の序盤のパワーバランスに似ているけど、ほとんどタクティカルアーマーVSフリーダムガンダムみたいな感じで、ものすごい性能差。4機のガンダムは、作戦も連携もないのに、相手にならないし。あのガンダムの正体とか、200年前の人だとかいうソレイタルビーイングの代表者の存在とか、関わってくるんだろうなあと。

『キミキス』
 萌えアニメにありがちな、ハーレム設定を回避するために、どうやらほぼヒロインの数だけ男もいる模様。というかそれ以上に、『キミキス』だけあって、このアニメひょっとして毎回キスシーンがあるのか!?(初回のキスシーンはわけわからんかったが)濃厚。

『D.C.Ⅱ ダ・カーポ 2』
 『ダ・カーポ』と言えば、たぶんこの最初のアニメで萌えアニメが広がったんじゃないかという、萌えアニメのパイオニアだが、その続編だけあって、なかなか良い感じの萌えアニメになっている。ただ、1話で主人公のカップルが出来上がったのに、以後でヒロインをどんどん出してハーレム化していく設定はツラくないかなとは思う。

『ef a tale of memories』
 原作は未見(というか、最近美少女ゲームをやる暇がないし、やりたいとも思わなくなってきたかも。まあ『リトルバスターズ』は気になるが)。
 どうも、前半と後半では登場人物が違う別々の物語をやっていくようで。話は後半の方が設定が立っていて良い感じだが、全体的に斬新で観念的な演出がなされていて、ただの萌えアニメ以上のものを期待できそう。そのうち話が合流するんだろうが、どんな風になるかな。それにEDは今期のアニメのテーマの中で一番気になっているかな、演出も含めて。

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10月の新アニメ

2007-10-11 | アニメ
 10月から始まったアニメが出そろったところで、良いと思ったものを紹介でも。まあ、他に書くことがないわけなのだが。

『CLANNAD(クラナド)』
 まあ、今期のアニメではこれがベストだろうな。京アニ版の『Air』よりも叙情的で、笑えて、演出もすごいことになっている。出崎映画版『CLANNAD』も良かったが、あらゆる意味で原作に忠実でかつ、今のオタクに訴えかけるのはこちらだと思う。あとは、もちろん演技は何の文句もないのだが、渚砂役が中原麻衣さんなことか。役と本人の性格が違いすぎて、「黒」を感じてしまうのだが、考えすぎだろうか。

『バンブーブレード』
 キャラがぷにっぽかったり、脚本が倉田英之さんだったりで、なんとなく『かみちゅ』を彷彿させるような。今のところキャラが立っていて、良い感じ。後は、声優ユニットとはいえ、桑島法子さんや豊口めぐみさんをメインヒロインにもってきて、OPとEDを歌わせるという力業。他意はないが。

『機動戦士ガンダム00』
 気づいたら、主人公付近の設定がまんま『フルメタル・パニック!』じゃんという新ガンダムである。刹那は宗介だし、ソレイタルビーイングはミスリルだし。まあ、利害対立する世界のなかでの、正義の味方の難しさ(とロマンチシズム)というモチーフが魅力的なのだろう。ガンダムのデザインは、昔懐かしのビーダマンに似ているような。結構大胆なデザインかとは思うが。
 第一回は、ガンダムと登場人物、世界観の紹介くらいで、無難なところ。さすがに「SEED」シリーズで懲りたか、脚本家が黒田洋介さんと今やベテランの人をもってきたので面白くなるだろう(なんか富野節みたいなセリフもあったが)。
 あとこの作品の正否を分けそうなのは、主人公の刹那役の宮野真守さんだろう。以前やった役のイメージを刹那の演技に持ち越しているような気がするが、それは正しいのかどうか。つまり、刹那には宮野さんが演じてきたキャラのような狂気があるのかというわけだが、それによって物語の方向性自体変わりそうな気がする。さらに、今までのガンダムシリーズがそうだったとはいえ、あまり有名な女性声優を起用していない(僕が知っていたのは斉藤千和さんと真堂圭さんだけ)のは、萌えアニメ人気が続く現在では結構賭けだと思うがどうだろうか。あるいは、女の子向けなのかなあ。もはやガンダムって、キャラクタービジネスそのものだし。
 いずれにせよ、黒田脚本がガンダムを生き返らせてくれるだろうと期待しつつ、観るべし。

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損保ジャパン東郷青児美術館『美しき女性印象派画家 ベルト・モリゾ展』

2007-10-10 | 展覧会
 損保ジャパン東郷青児美術館の『美しき女性印象派画家 ベルト・モリゾ展』(~11月25日(日))を観てきた。

 モリゾと言えば、ルノワールやモネといった、印象派の巨匠に隠れがちだが、れっきとした印象派の中心人物である、という感じの展覧会だった。
 茶色や灰色が多い、あるいはキャンバス地の大部分が見えているという地味な印象の絵も多いが、ルノワールみたいな緑や赤を混ぜた色合いの華やかな絵は絶品。その中でも特に、若い女性や少女(自分の娘のジュリーなど。愛情を感じる)を描いた絵が非常に良い感じだ。子犬などの小物と一緒に描かれて、正統派少女小説(まあ『赤毛のアン』とかになるのだろうか)の挿絵に使えそうな絵も多い。そういった絵はルノワールの画風にも似ているのだけど、ルノワールが割とふくよかな印象の女性を描いたのに対し、モリゾは儚げな印象の絵を描いていて、個人的にはこちらの方が好きだ(調子に乗って言ってしまえば「萌えた」というにもやぶさかではない)。重ね重ね言えば、非常に良い感じ。

 あと、意外に知られていないことだけど、東郷青児美術館には常設展として、ゴッホの『ひまわり』とゴーギャン、セザンヌの三点が展示されている。とくに『ひまわり』は超々有名な絵なので、ついでに観てくるのがよい。

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『LAST EXILE』

2007-10-08 | アニメ
ラストエグザイル DVD-BOX ヴァンシップ(タチアナ機)付豪華限定盤

JVCエンタテインメント

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「殺したり壊す道具だったり、この世界を壊して欲しい地上人たちの願いの表れかしら。願いは大事にしないとね。夢ですものね。夢があるから地上人たちは汗を流して働くのですものね。だったら夢を見続けてもらうのが私の務め。グランドストリームにいつまでも漂う真実は私がもつべきでしょう。だれにも見られないようにしないとね」

 『LAST EXILE(ラスト・エグザイル)』全26話を観た。GONZO作品としてはたぶん最高傑作クラスだと思うし、実際良いアニメだとは思うのだが、惜しいところもある。奇しくもGONZOの限界を示してしまったというか。

 クラウスとラヴィは、ヴァンシップという飛行機のような乗り物を駆って、仕事をこなしている。父親たちが越えることの出来なかったグランドストリームと呼ばれる暴風域を越えることを夢見ながら暮らしているが、ある日、彼らが住むアナトレーとデュシスの戦闘区域に手紙を届ける依頼を受ける。その後、あるヴァンシップ乗りから、アルヴィスという少女をアナトレーの無敵戦艦シルヴァーナに届ける仕事を引き継ぐが、彼女はなぜかアナトレーとデュシスの戦争を監督するギルドにつけねらわれている。否応なくギルドとシルヴァーナとの戦闘に巻き込まれる二人だが、遂にアルヴィスをシルヴァーナに届けることに成功する。一安心し、帰ろうというラヴィに、クラウスはこの空で今何が起こっているか見たい、と言いシルヴァーナに残ることを決心するのだった。

 雰囲気としては、割と『天空の城ラピュタ』なんかに似ている。宮崎駿作品がもっていた、空へのあこがれとかそんなものだ。それを演出するのに、2DDGと3DCGの映像上の高度な統合が大きな役割を果たしている。この辺りは定評どおり。
 けれど残念なのは、GONZO作品にままあることだが、絵の精度が甘いこと。確か、本編のうち3話くらいだったと思ったが、キャラクターが(まあちょっと萌え絵チックだが)やたらと可愛い回があって、その絵で全編通してくれれば、作品の印象も少なからず変わったと思ったのだが(その他はちょっと地味だ)。EDの絵はこの可愛いバージョンなので、エスニックでノスタルジックな雰囲気も合わせて、EDのような雰囲気の精緻な作品作りを期待したのだが…。
 物語に関しては、「エグザイル」の正体など、終盤にどんでん返しがあり、なかなか良い感じだった。キャラクターについてもディーオなどなかなか良い味を出しているキャラ多し。この辺について残念なのは、終盤でそれほど死ぬ必要のない人物が結構死に、しかも、最終話でどうなったのかちょっとわかりにくいところ。というか、「エグザイル」関係の説明が少なくて、Wikipediaの解説を見てはじめて分かることも多し。併せて参照されたい。

 あと気になるのは、ボンクラなクラウスがなぜかモテ気味な点。中盤で、三角関係四角関係(五角関係…)みたいなニュアンスが出てきたことは、むしろ作品を失速させてしまった気がしなくもない。あるいは単純な、ファンタジー冒険ものとして作ってしまったほうが面白かったのではなかろうか。

 というわけで、良作ではあるのだが、残念なところもちらほらあり。ひょっとして11月に出るバージョンだと、何かリファインされていたりするのだろうか。

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