もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

ようこそ腐女子の匣喫茶へ お好みのモノをどうぞ、召し上がれ。 日々を書き連ね、妄想をこよなく愛でます

いやはや。

2009-11-03 21:32:52 | 腐女子の御伴
ネットで手配した携帯電話のバッテリーも届き安心したら、二日と半日程使わないでほっぽらかしていたら急に寒くなったが関係あるのか不明ですが今、現在使用して携帯電話のバッテリーが元気になり大量にカキカキして更新しました。

カキカキしても全然バッテリーが減らないで、つい片桐さんがかわゆくカキカキ(*^ω^*) 昨日は久々にパソの電源入れて鬼畜眼鏡で片桐さんのエンディングを見て感動したワタシです。

御堂さんの美声も聞きうっとりしたナリよ。霧島は孝典様の虜ですww


もぐ菜なりに乙女片桐さんを表現出来たかな??カキカキして筆が進みまくり嬉しかったです。萌えてくださると嬉しい♪

微熱 (5) 鬼畜眼鏡 片桐 end No.11その後偽造編 佐伯×片桐

2009-11-03 21:03:28 | 腐女子の御伴
         *ご注意*


*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*



一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。







         微熱 (5)



また週が開けて、何もなく片桐は過ごし佐伯を思う。もう、飽きたのだろう…‥ だからもう来ないと心の何処で佐伯が来る事を期待して居る自分自身に言い聞かせ納得させる。

佐伯の言う忘れ物も何かも忘れて過ごし火曜の遅番業務を終えて片桐は帰宅する。夜の散策をしておらず、 遠回りをして歩きアパートに帰宅する。 階段を登る前に気配を察して見るが誰もおらず片桐だけである。

廊下を足早に歩き自室前に来ていつも様に鞄から鍵を取り出しドアノブに差し込み扉を開けて玄関に入る。 いつなら佐伯が来るのに来ない…‥ やっぱり佐伯の気まぐれだったと思う。

何も取り柄がない自分を佐伯が相手にする為にわざわざ来る行為が嘘だったと…‥ たぶん暇つぶしだったんだ。 ふぅと溜め息をつき片桐は靴を脱ぎ玄関を上がった。




そんなこんなで佐伯が来なくなり、4月の最後の週末の金曜日。季節は春ではなく早くも初夏へ駆け出す様な天気が続き天候も良いが片桐はどんよりとした心模様だった。

駅に着き改札口で何と無く立ち止まり、行き過ぎる人々を見る。居る訳のない人を探して居る事に気づく。溜め息をつき足早にいつもの様に帰ろうとすると後ろから肩をトントンと叩かれて振り向くと…‥ 佐伯だった。

「あっ、佐伯君…」

「もしかして、俺を待ってました??」

そう言うと佐伯の腕が伸びて来て片桐を抱き寄せ様としてきて片手は片桐の頬に触れると、佐伯の顔がどんどんと近づき流石の片桐も身に危険を察知し佐伯を両手で必死に押し返し鞄を両手で胸に鞄を抱きかかえて逃げ去って行く。

そんな片桐の慌てぶりと後ろ姿を見て、佐伯は目を細め眺めくすりと笑い片桐を追いかけた。片桐は必死で走るが佐伯からすれば余裕で追い付くので、楽しみながら片桐を追う。

片桐は走り駅から離れて、後ろを振り向くと佐伯はおらず安心して歩く。走って喉が渇いたのでコンビニに寄り片桐はペットボトルのスポーツ飲料を購入し会計を済ませコンビニから出てアパートに向かう。

アパートの郵便ポストは何もなく、片桐は階段の辺りを用心深く見渡し佐伯の気配を察するが佐伯の気配はしないので安心して階段を登り後ろを振り返ると誰も居ない。

来た廊下を振り返りながら自室前に来る。片桐はキョロキョロしながら鞄から鍵を出すが、靴音はしないので安心してゆっくりと鍵をドアノブに差し込みと…‥

後ろから抱きしめられて叫び声を上げ様とするが、口を口唇で塞がれて片桐の咥内に舌が入り込んで思う存分に咥内を犯す。

アパートの廊下にグチュグチュと湿った音が響き渡り、その音を聞くだけで片桐は消えてしまいたくなる。片桐は抵抗をしてたが唇づけによりくたりとして必死で瞳をとじて居る。

玄関の扉に押し付けられて、やっとこさ片桐は恐る恐る瞳をあけて自分を捕らえ蹂躙した人物を見ると佐伯だった。何だか安心して泣き出す片桐で、それでも佐伯は片桐の首筋に顔を埋めて丹念に唇づけを落とす。

力が入らず片桐はその場で倒れ込みそうになると、佐伯は咄嗟に両手で片桐を支える。片桐は怖ず怖ずと両手で佐伯にしがみつくと佐伯は抱きしめた。

片桐は佐伯の腕の中で呆然として居ると、佐伯は手慣れた動作で扉を開けてドアノブから鍵を取り片桐を抱きかかえたまま玄関に入る。

片桐は玄関の中でポォとした表情で居るのを佐伯はじっと片桐を見つめると、恐怖ではなく片桐のその瞳は何処となく熱く帯びた瞳である。

佐伯は満足げに微笑み、両手を離し何も無かった様に佐伯は靴を脱ぎ玄関を上がる。 片桐はただ佐伯の後ろ姿を見つめていて、漸く意識を現実に戻し靴を脱ぎ玄関を上がった。

佐伯は和室におり鳥籠の前に座って居て、佐伯の肩には二羽のオカメインコが肩に乗ってご機嫌で佐伯の肩を行ったり来たりしており、一羽は片桐を見ると羽根を広げて羽ばたき片桐の肩に乗る。

佐伯の肩に乗り遊んで居るのが、静御前らしくご機嫌になり自分の名前を囀り鳴く。

「シヅカゴゼン シズカゴゼン。」

佐伯は肩に居る静御前に話しかける。

「充分遊んでやった鳥籠に戻れ。」

そう言うと佐伯は鳥籠の扉を開けると静御前は佐伯の腕をつたい歩き鳥籠の中に戻ると、もんてん丸も片桐の肩から羽ばたき鳥籠にひゅっと飛び戻り佐伯は鳥籠の扉を閉めた。

「佐伯君…あの君は、オカメインコが嫌いなんじゃ…‥」

「数ヶ月は、同居して面倒を見てましたよ。」

そう言うと恐る恐る片桐は佐伯に近づき佐伯の隣に座り、鳥籠の小さな同居人を見つめて片桐は嬉しさの余りつい泣き出す。

「俺だって貴方に逢いたかった事が分かって貰えましたか??」

片桐は佐伯の告白を聞きますます泣き出すので、佐伯は片桐を抱き寄せてそっと片桐の背中を優しくあやす様に撫でて胸の中に包み込む。




微熱 (6)

微熱 (4) 鬼畜眼鏡 片桐 end No.11その後偽造編 佐伯×片桐

2009-11-03 19:13:44 | 腐女子の御伴
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         微熱 (4)



その週の金曜の昼下がり小田原と函南は片桐をマジマジと見つめている。何と無く最近、片桐はポォとして何かを思い考えているが片桐に聞くと特にも無いと言うだけで答えはない。

「片桐さん、何か変だよね。もしかして、具合でも悪い??」

「何かなぁ~あのポォとした表情が気になるな。」

片桐は食事の後片付けをしているので居ないここはHOUSE-Rの社員用の休憩室である、小田原と函南はソファーに座り話していた。

「おい、函南、今日は習い事はないんだよな??本人に聞いてもあんな調子で要領を得ない。あー言う純情な人が思い込むと大変な事になる。函南、片桐さんのアパートに行け。」

「うんん、でも…‥良いんじゃないの??」

「お前はそう言うがな、良いか??俺はな遊び半分のやっかみで言っているんじゃないぞ。何かあってからは遅いんだ。恋愛は人間にとって安定剤もあり劇薬ともなり得る。」

「そうだっけどさぁ、そんなにしなくってもイィんじゃない。片桐さんは大人だよ。恋愛の一つぐらいは普通と思うけどね。」

「未成年の癖にして、見据えた事を言うなぁ。」

「僕はもうハタチになりました。」

小田原と函南がそう会話して居ると片桐が洗い物を済ませて、ワゴンを押してソファーに戻って来た。

「どうも、終わりました。」

そう言うと片桐はメイドワンピースをそっと摘みスカートを整えて、小田原と函南に向き合う様にしてソファーに座る。

穏やかに片桐はいつもの様に変わりなく微笑んでいる。 函南からすると1人で淋しく生活しているのが良く分かるので、片桐に幸せになって欲しいと思っている。

「ねぇ、片桐さん、最近、恋愛中??」

「おい、函南…そんな単調短絡に聞くなよ。」

「えっ………」

「小田原にぃがね、なんか心配しているんだよね。片桐さんが、最近ポォとしているから大丈夫かなって。」

「やっかみとかじゃないんだ、だから、誤解しないでくれ。もし、片桐さんに何かあったら心配なんだ。」

「その……‥」

「恋愛中は気をつけてねって、小田原にぃからお願いだよ。」

「はい…‥気をつけます。」

そんな午後を過ごし緩かに過ぎて行く、ワゴンを小田原が押して厨房に降ろす。小田原はそんな片桐を見てやや不安でもある、恋愛に慣れてない片桐は相手にのめり込み、何もかも相手に差し出すのではないかっと危惧する。

「おぅ、小田原、どうした??」

厨房には飯窪が居て小田原に声をかけて来た。

「特になにもない。」

「最近さぁ、片桐さんがなんか色っぽい気がするんだけど~ そう思わんか??」

「あぁ、その件は余り言いたくない。そっとしておく事だな。」

「そうだな、片桐さんはHOUSE-Rの看板メイドなんだからな。」

飯窪は1人心地で納得し小田原から、ワゴンを受け取り洗い物を流し台のシンクに持って行くと他のスタッフがおり一緒に洗う。

何とも小田原は心に引っ掛かる気がしてならない。でも、片桐にはきちんと意思表示はしたので気をつける事と思うが…‥ 何も無ければ良い大人になってからの恋愛は激しい痛手を負う恐れがある。

余計なお節介で済めば良いと思う小田原だった。午後の来客を出迎えに行く前に小田原はトイレに行く。





そんな事もあり、遅番であったが小田原は酒の席を一席を設けた。函南を誘うとなんだか片桐まで参加すると言いうので片桐も行く事になった。

渋谷で飲む事にした。いつものフランチャイズの居酒屋で、個室へ案内されて行くゆったりとしていてこないだに来た個室と違う雰囲気な装飾である。

「遅いから軽くな。」

「僕は休みだから大丈夫ナリ。」

「僕も明日は休みなので大丈夫です。」

「そうか、明日、出勤は俺だけかぁ。俺は明日も遅番だからゆっくり出来るぜ。」

小田原はそう言うとオーダーを取り、ボタンを押して店員を呼ぶと直ぐに来て注文を取り去って行く。暫くして店員が注文したメニューを持って来て置いて行く。

各々が頼んだグラスを持ち乾杯をする、たわいない会話をしながら食事を取り時間が過ぎて余り遅い時間になると終電が心配なのでお開きとなる。

「今度は、ゆっくりと飲もうな。」

「うん。」

「はい、今日は楽しかったです。」

小田原は函南と片桐に別れて他の私鉄に乗り帰って行く、函南と片桐は同じ電車に乗り帰宅した。

駅に着き電車から函南と片桐は降りると、終電間近かなので人は多くないポツポツと居て2人でゆっくりとホームを歩き改札口へ向かう。

いつもの様に帰宅徒に着き、函南は片桐と別れてアパートのいつもの如く郵便ポストを確認すると何もない。アパートの階段を上がり自室前に行く。

鞄から鍵を取り出し辺りの気配を伺い様子を、見るが佐伯は来てないらしく足音もしない。

(やっぱり…‥もう…)

そう片桐はそう思いハッとする。佐伯を来る事を心の何処かで期待している自分に気づく。




微熱 (5)

微熱 (3) 鬼畜眼鏡 片桐 end No.11その後偽造編 佐伯×片桐

2009-11-03 16:14:54 | 腐女子の御伴
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         微熱 (3)



佐伯は片桐に近寄り、片桐をギュッと抱きしめる。片桐は顔を上げて何かを言おうとすると唇づけられた。そのまま、片桐を抱きしたまま玄関の鍵を取り佐伯はスルリと身を滑らせる様に2人で玄関の中に入り込む。

玄関の扉はオートロックで鍵がカチャりと音がして鍵が閉まり、片桐を解放すると佐伯は靴を脱ぎ玄関を上がる。片桐は縮こまり佐伯を見上げると、佐伯は手を差し出す。

「お帰りなさい…‥」

「あの‥」

「俺は、忘れモノを取りに貴方に会う為にこれからも来ます。」

「缶珈琲…‥ですか??あの、僕は君にお礼を言いたいんです。」

佐伯は盛大に溜め息をつく~ そんな佐伯を困惑した表情で片桐は見つめる。

「お礼ですか…」

「はい、静御前を保護して僕に届けに来てくれた事です。前は急で驚いてしまい君にお礼も言えなかった… もう、会えないと思ったからお礼が言えて良かったです。佐伯君、ありがとうございます。」

片桐は佐伯にお辞儀をして佐伯を見つめると、佐伯は眼鏡のブリッジを右手の人差し指でスイッと上げる。

「気は済みましたか??片桐さん。」

「あっ、はい…どうも‥」

佐伯は台所の方へ向かって行くので、片桐は靴を脱ぎ佐伯の後を追いかけ向かう。鍵をダイニングテーブルに置き、佐伯は缶珈琲を鞄にしまうと佐伯に声をかけてきた。

「良かったです。缶珈琲を忘れてしまったみたいで佐伯君にもう会える事はないと、思っていたのでほんと今日に会えて良かった。」

「これを、機にして最後ですって言い方ですね。」

「………」

片桐はそう佐伯に言われると俯き、瞳を伏せてる。佐伯は片桐の横をすり抜けながらこう言う。

「また、来ますよ。それだけは、覚えていてください。」

佐伯はそう言うと玄関に向かい靴を履き玄関を出て行く、佐伯の忘れ物とは何かと思う片桐だっがそれが分からずに真剣にお悩み出す。

(僕はなんだか、佐伯君を怒らしてしまったみたいです。)

片桐が帰って来た事を知り二羽が囀り喜んでいる。また、来ると佐伯が言うので来た時に佐伯に聞いてみようと1人納得し部屋の照明を付けてお茶を煎れる支度をして片桐は寝室へ行き部屋着に着替えた。





(でも、いつに来るんだろ??佐伯君。)





週が開けて火曜日となり片桐はすっかりと佐伯を忘れて過ごす。屋敷での遅番の勤めを終えて片桐はいつもの様に足早にアパートに向かう途中で後ろを振り向くが誰も居ない。

アパートの郵便ポストを確認すると、ダイレクトメールが届いているだけだった。ダイレクトメールを郵便ポストから取り出し手で持ちアパートの玄関を上がる。


廊下を歩き自室の前に来ると足音がする。佐伯が近づいて来た。

「佐伯君…??」

「そんな顔をしてないでください。約束しましたよね??また、来ると。」

「あの…」

「忘れたと言いたげな顔だな。」

佐伯に言い当てらられて片桐はモジモジとする。また、佐伯は溜め息をつく。

「あの、ごめんなさい。」

そう言い俯いて居る片桐を佐伯は抱きしめ唇づけた。手慣れた仕種で扉を開けて鍵を取り2人で玄関の中に入る。

「あの、お茶でも…‥」

「いいえ、帰ります。また、来ますよ。」

そう言い佐伯は片桐に鍵を渡すと佐伯は玄関から出て行く佐伯を追うとするが、目の前で扉が閉まりカチャりと音がしてオートロックで鍵が閉まった。

佐伯に聞く間もなく佐伯は去って行ってしまう。また来ると言い… 佐伯の行動に悩む片桐だった。忘れ物の意味やいつ来るのかも不明で何故、彼がわざわざ片桐に会いに来るのかは未だに片桐は知らない。

その内に佐伯は飽きて来なくなるだろう…‥ たぶん、自分は都合の良い暇つぶしで… 暇つぶしにしてはどんな暇つぶしなのか疑問になる。

片桐はそう思いながらも悩むが、答えが思いつかず考えるのを止めた。靴を脱ぎ玄関を上がりいつもの様に和室へ向かい照明つけて小さな同居人に声をかけた。




微熱 (4)

微熱 (2) 鬼畜眼鏡 片桐 end No.11その後偽造編 佐伯×片桐

2009-11-03 10:11:25 | 腐女子の御伴
         *ご注意*


*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*


一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。






         微熱 (2)



片桐は目を覚ます… ベッドで寝て居ると察知しベッドから上半身を起こし部屋を見るスーツの上着とネクタイはきちんとハンガーに掛けられ下げられているが自分で掛けた覚えはない。

それ以外は何から変わらない寝室である。 昨日は確かにお酒を飲み遅咲きの桜をめでて帰宅をした。酔って帰宅はしたが… アパートの玄関の前で佐伯に会う夢を見て……

片桐は瞳をとじて身体を抱きしめ落ち着かせ様とする。なんであんな夢を見たんだろ?? もう、過去と決別し忘れているのはずなのに。片桐は溜め息をつきベッドから降りて和室へ向かう。

和室には見慣れない鳥籠があり、鳥籠には掛けた覚えのないカバーが掛けてあり片桐はカバーを取ると鳥籠の中には~

「まさか、静御前??そんな…」

片桐は鳥籠の前で座り込み鳥籠の中の小さな同居人を見つめると、二羽揃って巣の中から出て来て片桐に挨拶変わりに囀る。

「シズカゴゼンハカワイイネ。」

「シズカシズカ」

「静御前に会えるなんて、夢の様です。でも、どうして…」

鳥籠の中の二羽は嬉しげに鳥籠の中を羽をばたつかせ上から下に移動をし遊んでいる。片桐は二羽のインコの世話をし、鳥籠を片付けた。

手を洗いに洗面台へ、鏡に自分の顔が映り見ると泣き腫らした顔であり肌けたワイシャツの首筋の下に赤い痕跡を見つける。

片桐でさえ分かる痕跡… 指でなぞりあげる。片桐は俯きその場でがっくりと座り込み昨日の晩の事が夢ではなく現実である事を否応なく認めざる得ない。

泪が自然と溢れ頬を幾つも伝い落ちては消えていき頬を濡らし声をしゃくり上げて泣き出す。泣き疲れ漸く気持ちが収まり、立ち上がり片桐は顔を洗い歯磨きをする。

台所へ向かうと缶珈琲が手付かずのまま、テーブルに置かれており片桐は珈琲缶を見つめ手に取る。無糖 ブラックコーヒーと缶に表記されており、佐伯が好んで飲んでいた缶珈琲のデザインである。

片桐はダイニングテーブルの椅子に座り、佐伯が忘れたと思われる缶珈琲を見つめる。和室からは二羽の元気な鳴き声が聞こえ、片桐は微笑み缶珈琲をテーブルの隅に置いた。

片桐はいつもの日課である、お茶を要れる支度をする。今日は買い物に行き帰って来た同居人の為に祝い奮発して玉露でも購入し飲もうと思う。お茶のお湯をヤカンで沸かして居る間に和室のカーテンを開ける。

天気は晴れ渡り青々と雲一つもない青空で快晴で、ベランダに布団でも干そうと思う。片桐は深呼吸をし笑顔が零れる。

台所へ戻り片桐はお茶を要れる、準備をしいつもの様にお茶を煎れてテーブルの椅子に座りお茶を飲む。ホッと一息をつき佐伯を思う。


夢ではなく現実で怖くって何も言えなかったけど、もし会える機会があればお礼を言いたいと思う。

「いつか、会えるかな…??」

片桐はキクチマーケティングを退職してからは、一切その後の事は知らない。わざわざ、その為に佐伯に会うのはどうかと思う。佐伯はただでさえ、忙しい身である。きっとそんな事をしたら怒らせるだけであるのでそれは出来ない。

テーブルの隅に置いた、佐伯が忘れたと思われる缶珈琲を片桐はただ見つめる。片桐はもう会える機会のない佐伯を思う。


「ありがとう…佐伯君。」

そう囁き片桐はダイニングテーブルの椅子から立ち上がり、朝食の準備をする。1人での朝食は好きなではない、屋敷でも同僚達と賑やかに食事をし朝は函南と朝食を取る様になってからは1人で食べる事がどれ程淋しい事なのか知っている。

冷凍庫から冷凍保存してある里芋とイカの煮物を電子レンジで解答し、五目厚焼き玉子を焼きインスタントの味噌汁を用意し冷蔵庫から納豆を取りダイニングテーブルに並べる。

一通りにお皿に盛り付ける。ダイニングテーブルの椅子に片桐は座り小型のラジカセの電源を入れてラジオを聞く。

「戴きます。」

一人でそう言い朝食を食べ始める。



今日は天気が良い家事を思い切りしようと片桐は張り切った。




それから、週末の金曜日になり屋敷の遅番業務を終えて片桐は一人で帰宅する最近は函南と休みが合わない。 函南も習い事をしているのでその兼ね合いで休みが違う。

配布された勤務表を見ると火曜日と金曜日が遅番で水曜日と土曜日が休み。遅番は出勤時間が遅く屋敷の営業終了時間まで仕事をし片付けと明日の準備を済ませ帰る。

猫道探索をするには遅い時間で、駅に着くと時刻は22時半になる。駅から片桐が住むアパートは7分でそう遠くはないが足早に帰宅をする。

アパートの郵便ポストを確認して見るが何も配達されてなく、片桐はアパートの階段を登り廊下を歩き自室前に着き鞄から鍵を取り出そうとすると…… 靴音がし人影を見ると………


「佐伯君……??」




微熱 (3)