もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

ようこそ腐女子の匣喫茶へ お好みのモノをどうぞ、召し上がれ。 日々を書き連ね、妄想をこよなく愛でます

腹ぺこ狼なワタシ。

2009-11-14 23:34:36 | 腐女子の御伴
無性に焼き鳥屋で焼き鳥(タレ)を喰いたかったけど小説をカキしました。焼き鳥を喰って1時間か小説をカキして1時間するか一瞬悩んだけど自室で小説カキを選んだ。

焼き鳥屋もう閉店してるから後日に「微熱」をカキ終えたら高らかに祝杯を傾け様と思う目的がないとガンバレないのよワタシ。

焼き鳥(タレ)喰いたい美味しいよ。なんか今腹ぺこなもぐ菜です。

微熱 (21) 鬼畜眼鏡 片桐 end No.11その後偽造編 佐伯×片桐

2009-11-14 23:21:18 | 腐女子の御伴
         *ご注意*


*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*


一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。






         微熱 (21)



扉が開き片桐と函南と民谷が特別室に入って来て佐伯は椅子から立ち上がる。ワゴンをおしているのは函南で片桐は俯き民谷に付き添われる様にして空いていた席の前にやって来た。

民谷は椅子を引き片桐は座り椅子を後ろから押す。函南の顔を見て本多は咄嗟に声を出すが霧島が静かにする様に本多にアイコンタクトする。

函南に安心する様に霧島は函南に無言で指示を出しオーダーされたメニューの物を御堂からおき始める。一通りグラスに注ぎ済ますと函南も民谷の横に来る。

「さぁ、片桐さん顔を上げなさいな。」

「こんな事になるなんて…」

佐伯は椅子に一旦座る。

「久しぶりですね。片桐課長。とてもお似合いだ。」

片桐の服装はメイド姿で御堂は写真で見るよりも良く心からそう思った。本多はただ呆然として片桐を見ている。

「今日は貴方に直接お話ししたい事があり、こうして霧島に手配をさせ機会を設けた。佐伯君の要望であり私から貴方に願い出る。」

「僕にですか??」

そう言い片桐は顔を上げるとこくりと御堂は頷き片桐を見つめて話す。

「貴方に申し渡す、キクチマーケティングの営業8課に部長として復職する事を申しつける。」

「ほんとですか?!御堂専務!!」

「…僕はあんな辞め方をして皆さんにご迷惑をかけてしまいました。復職して部長に昇進だなんて悪いです。僕みたいな足手まといは必要ない…と思い‥辞めたんです。」

「貴方に非があり辞めた訳ではない、何かに追い詰められた…がそれも解決したと言う事で今日にこうして貴方に会った。そう自分で気がついたなら前へ進めるはず。キクチマーケティングは霧島が掃除を兼ねて風通しよくしてあるので何も心配ない。」

「片桐さん、さぁ、お戻りなさいな。こうして皆様が貴方を迎えに来てくださったのですよ。」

「ほんとに良いのでしょうか??」

「私が良いと言うのだから良いのだ。貴方に戻って戴かないと霧島を私の元に戻せない。本多課長が補佐をするので心配はないし。佐伯部長も…」

「稔さん俺は貴方を護ります。」

「克哉君‥」

函南は悲しげにぐずつき泣き出す、それを見て御堂は函南に声をかける。

「函南君、君は片桐課長と別れるのが哀しいと言うのならば私の元に来るか??」

「えっ、でも、僕は大学や専門学校は行ってないのでそういうビジネスの事は分かりません。」

「君にやる気があれば1から全て教える。全ては君の物事の捉え方しだいで全てが決まる。」

「お願いします。」

御堂は函南の返答に満足し霧島を見てから函南を見つめる。

「ならば、この場で君を採用する。明日の14時にMGNの私の執務室に来なさい。受け付けには私から伝えておくので履歴書を持ち来る様に。以前、渡した私の名刺は持っているな??MGNのビルに着いたら名刺に書かれた電話番号に電話をしなさい。」

「はい、畏まりました。」

「では、片桐さんと函南君の退職手続きをさせて頂きます。日付はいつで??」

「今日で頼もう。明日は函南君の面談で週明けにはMGNに来て環境に慣れて貰い勤めて貰う。片桐部長も同様に週明けから霧島から業務引き継ぎをする。」

「では、今日付けでその様に手続きを致します。函南君、今までお疲れ様でした。明日は面談なのでもうこのままお帰りなさい。ロッカーは都合の良い時に片付けに来れば良いです。」

「民谷さん。」

民谷は函南の出世を嬉しいそうに笑うが何処となく寂しいそうにも見える。

「なぁ、片桐さんの方が良いぜ。こんな人使い荒い御堂専務…」

本多が途中で言葉を切ったのはテーブルの下で御堂が本多の足を蹴り飛ばしたからである。本多は痛いと声を上げて御堂に抗議をしようとすると今度はにこやかに霧島に足を踏まれる。

御堂は何もなく珈琲を飲む。 扉がノックされて失礼致しますと声がして小田原がワゴンをおし料理と赤ワインとワイングラスをのせて部屋に入って来た。

民谷は燕尾服の内ポケットからハンカチを取り出す眼鏡を取り目許を拭う。函南は高校を卒業して家族と口喧嘩して家出同然で東京に来てしまい。着の身着のままで数日ふらついて居るのを民谷の細君が心配して声をかけて民谷が家に帰ると函南が居て細君がほって置けないと民谷に言う。

それからHOUSE-Rで働く事になり安定するまで民谷の家に居候していたのである。函南の両親も流石に心配して東京に来て函南を連れて帰ろうとしたが民谷が説得をし今に至る。

小田原は片桐に話しかける。



「おめでとう、片桐さん。」


「ありがとうございます。」



「では、祝杯の準備致しましょうな。」

小田原は料理を並べて民谷は内ポケットにハンカチを戻し眼鏡をしワゴンに用意してある手拭きのタオルで手を拭き祝杯の準備をする。




微熱 (22)

微熱 (20) 鬼畜眼鏡 片桐 end No.11その後偽造編 佐伯×片桐

2009-11-14 21:37:07 | 腐女子の御伴
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         微熱 (20)



金曜の夜となり御堂と佐伯は霧島が手配したHOUSE-R専用の送迎の車に乗りHOUSE-Rに向かう。岩永はMGNのビル前で御堂と佐伯を送り出した。

HOUSE-Rの門前に車を横付けをすると霧島が待っており車のドアを持ち開ける。佐伯が降りて御堂が降りるのを確認すると霧島はドアを閉めた。車は走り去る。

「お待ちしておりました。御堂専務と佐伯部長。」

霧島は一礼する。

「あぁ、今日を楽しみしていた。」

佐伯は黙りHOUSE-Rを睨み据える。3人はHOUSE-Rの立派な門を潜りお屋敷の舗装された道を歩く御堂も広い庭を擁する邸宅を構えているが庭を見て感心している。

佐伯は庭を見て思う、たぶんあの男の経営する胡散臭い店だろう。こんな危ない胡散臭い店に片桐を勤めさせる訳にいかないと思う。

3人がお屋敷の重厚な扉の前に着くと自然に内側から開く。黒い燕尾服を着た5人の男子が御堂達を出迎える。

「ようこそHOUSE-Rへいらしゃいました。お2階へご案内させて戴きます。お荷物はお持ちさせて戴きます。私、民谷と申します。品川、、平塚、小田原、函南、三島、片桐で御堂様と佐伯様のお世話をさせて戴きます。宜しくお願い致します。」

「御堂専務の鞄は私がお持ちしますので宜しいです。」

御堂は鞄を霧島に手渡すと霧島は御堂の鞄を持つ。

「鞄は自分で持つ。」

佐伯はそう返答をした。

「はい、分かり申した。失礼致しました。では、お2階へ。」

民谷は深々とお辞儀すると4人の執事達に付き添われて御堂達は特別室へ向かう。特別室の前に着き小田原は扉をノックすると中から本多の声がする。

「どーぞ。」

小田原は御堂達に一礼をし「失礼致します。」と言い特別室の扉のドアノブを持ち扉を開ける。特別室はHOUSE-Rの個室の中でも1番広い部屋で主に大人数で貸し切る部屋である。

本多は開放的で広々とした眺め渡しの良い窓から景色を眺めている。接待をすると言う態度ではなくはしゃいでいる。

「本多様、御堂様と佐伯様がご到着されましたので、お席にどうぞお座り戴けますか。」

「あぁ、悪り。」

4人が席の横に立ち執事達が椅子を引くと4人が椅子に座ると「失礼致します。」と言い椅子を押す。

「お食事をお持ち致しますが、その前にお持ちになれたワインの他に、お飲みをお伺いさせて戴きます。」

小田原がそう言いメニュー電子端末を燕尾服の内ポケットから取り出しオーダーを申し受ける。

丸いテーブルには白いテーブルクロスが敷かれており5人分のナプキンとシルバーが用意されている。本多はメニューブックを見ながら言う。

「あぁ、俺は瓶ビールで。」

「スパークリングウォーターを」

「御堂専務は何に致しましょう。」

「噂に名高い珈琲を戴こう。オリジナルハウスブレンドのミッドナイトブルーを」

それを聞き佐伯は御堂を横目で見る。

「私もスパークリングウォーターをお願いします。」

小田原はオーダーを受けてもう一度復唱しオーダーの確認を取る。

「私どもは失礼させて頂きます。ご用事がありましたらお手数ですが内線の電話でお申しつけください。失礼致します。」


小田原はそう言い一礼をし執事達と下がり特別室を去る。佐伯は御堂と霧島を睨み話し出す。

「あんた達は、裏で何をしていた!!」

「克哉??」

「接待の割には、私をなおざりだな。」

「申し訳ございません。それと本多課長…」

けして本多は悪い人間じゃないと霧島は思っているが、御堂と引き合わせると恐ろしい程に相性が極悪に悪い。

「えっ??」

「部屋の中で出迎えもせず何をしているのかと思えば景色は眺めているわ、貴方が先にメニューを決めてどうします??私は言いましたよね??今日は接待と。」

「はいはい。」

霧島は溜め息をつく御堂は佐伯を返答した。

「片桐課長を復職するに当たり私が霧島に調べさせた。その条件を付けたのは佐伯部長のはずだ。」

本多は初耳でそれを聞き驚く。

「霧島副主任、そんな事を俺に秘密にしてたなんて~片桐課長を復職って…」

「だからこそ、本多課長を今日の接待に参加して戴いたんです。本日に御堂専務から、解禁の許可がおりました。」

「だからって本人の許可もなく、強行手段なやり方だ。」

「それを望んだのは佐伯部長、貴方ですよ。私は理由は存じてませんが、片桐課長が追い詰められて退職した理由を、唯一知っているのは佐伯部長貴方だけです。」

霧島がただカマをかけているのか全てを把握して承知しているのかは、佐伯には不明であるがその原因を作ったのは紛れも無く佐伯だった。

扉がノックされて聞き覚えのある声が…

「失礼致します。」

片桐の声がした。




微熱 (21)

微熱 (19) 鬼畜眼鏡 片桐 end No.11その後偽造編 佐伯×片桐

2009-11-14 15:15:15 | 腐女子の御伴
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         微熱 (19)



木曜の夜の事である佐伯が退社しようと自分の執務室から出ようとすると霧島が本多を伴いやって来た。

「今晩は佐伯部長。お話しがあるのですが、お時間を5分程戴けますか??」

「業務の事なら御堂専務に、話しを通してから私にお話しをして頂くようお願いします。」

「なぁ、克哉違うんだ。」

「御堂専務にもお話し済みで了解は既に得ております。立ち話で何ですので佐伯部長の執務室をお借りして、お話しをさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか??」

「えぇ、どうぞ、入ってください。」

御堂の名を出されては拒否は出来ないので、佐伯は霧島の申し出に従う事にする。3人は一旦佐伯の執務室に入った。

佐伯は執務室を与えられているが普段は所属している部のオフィスにデスクを置いて仕事をしている。帰ろうとしたが書類を取りに来たのを霧島に声をかけられた。

佐伯は用件を聞きさっさと片桐の元へ帰りたいので、デスクチェアーに座る事なく霧島の話しを聞く。 本多は佐伯の執務室をキョロキョロと見て素直に驚いている。

「大変急に申し訳ございませんが、明日の金曜の夜に御堂専務と佐伯部長を接待させて頂く事になりました。」

「克哉、俺も一緒だからな。まぁ、接待だけど久しぶりに飲もうぜ。」

「急にですね。」

「急で申し訳ございませんね。明日の佐伯部長の業務予定は岩永が調整しており、18時には終わる様にしてありますので御堂専務とご一緒にお車に乗りいらしてください。私と本多課長は接待する場所でお待ちしております。」

「霧島副主任、もし、俺が嫌と言うならどうなります。」

「嫌とは言えませんよ。そのお店の名前はHOUSE-Rです。」

佐伯はハッとし霧島を睨むと、霧島は何も気にする事のないいつもの表情である。 本多は2人のやり取りを気にする事なく窓から景色を眺めている。霧島は本多に声をかけて佐伯に一礼をし、本多は佐伯に大きく手を振り執務室から去って行く。

(あの狗‥何もかも知っている。何をしようとしている。)

佐伯は片桐から聞く事が出来たが敢えて聞かなかった。少しづつお互いの距離を縮める方が優先順位が先だった。




霧島と本多は駅に向かい帰る。

「霧島副主任はなんで俺を昇進させたんです??」

「私はもう、御堂専務の元へ戻られねばなりません。」

「そんな戻るって、御堂専務はMGNの人間で関係ないです。」

「私が随うのは唯一御堂専務だけです。明日は重要な接待ですので本多課長も今日は真っすぐに帰宅される様にお願いします。良いですね。」

「はい。」

そう言い有楽町駅で別れて電車に乗り本多は帰宅する。本多は御堂がどう霧島と関係あるのか疑問に思う。



佐伯も用事を済まし帰宅する腕時計を見ると19時で片桐のアパートに着くと20時でちょうど良い時間である。佐伯は携帯電話でメールをし帰宅する目安を片桐に伝えた。

駅に向かい歩いていると携帯電話が鳴り片桐から、着信ありと知り佐伯は満足し足早に片桐のアパートへ向かう。




微熱 (20)に続く。

微熱 (18) 鬼畜眼鏡 片桐 end No.11その後偽造編 佐伯×片桐

2009-11-14 08:35:53 | 腐女子の御伴
         *ご注意*


*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*



一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。







         微熱 (18)



佐伯と片桐は特に出掛けたりする訳でもなく2人でアパートでゆっくりと過ごす。佐伯も急激に片桐との距離を無理して縮める事なく片桐に合わせる。

近所の商店街へ行き買い物を2人でして楽しんだりとこれからの日常も変わりない。佐伯は2人で一緒に住みたいと思っているがまだ話すタイミングを待っている。

月曜となり佐伯は片桐のアパートから出社して行き、佐伯は御堂の執務室へ顔を出しに行くといつもの様に御堂はデスクチェアーに座り仕事をしている。御堂が専務になってからは仕事の量は以前からすると画然と増えたがゆとりがあり下々も恙無く仕事をして無意味な残業はしてない。

「御堂専務、おはようございます休みの間の私の雑務でご迷惑をおかけ致しました。特別休暇を戴きましてありがとうございました。」

「特に緊急度の高い業務もなく、君の部下達はきちんと各自責任を持ち業務をしている。」

岩永は御堂の後ろに控えており、佐伯は岩永に話しかける。

「岩永さん、霧島副主任へ言付けをお願いします。片桐課長とお会いしましたと。復職の件はまだお話しはしてません。」

「えぇ、霧島にその様に言付けておきますわ。片桐課長の復職の件は全て霧島に任せてあるので、段取りを取り付けるまでは片桐課長には内密にと霧島から伝言よ。段取りが調ったら佐伯君にまた連絡をします。」

御堂はその報告を聞き嬉しいそうにしている霧島が自分の手元に戻って来る日が着々と進んでいる。 岩永はホッとした多忙な業務から解放される。岩永は効率よく速やかに御堂の秘書をして居るが御堂の仕事をする速度は、早く先回りをするのが容易ではない御堂を追いかけ回すのがやっとで疲れた。

総務部も岩永が戻って来るのを待っていてこっちも忙しいと、聞いたが御堂の秘書をした岩永からすれば平和で羨ましいと思った。

「それでは、私は業務に戻らせて頂きます。失礼致します。」

佐伯はそう言い御堂に一礼をし御堂の執務室から去って行った。御堂は岩永に話しかける。

「岩永君、本日の業務予定を頼む。」

今日も多忙な鬼ごっこが始まった。




HOUSE-Rに出勤した片桐はいつもと、なんら変わりなく小田原はホッとした。風邪をひいたのを心配して川崎達が片桐に聞くと頬をほんのりと赤く染めて恥ずかしいそうにしている。

小田原は察するたちの悪い若い虫が片桐にへばり付いていたんだろうと思う。小田原は深刻に悩んでいたのが疲れて早退したくなった。




近衛はいつもの様に片桐に珈琲を煎れて貰い極上なひと時を堪能している一つだけ変わった事があった。 片桐が煎れる珈琲の味が変わった今までは癖のない近衛好みな珈琲だったが煎れる相手の好みに合わせて珈琲を煎れているらしくややほろ苦い珈琲である。

近衛は何となく民谷に他の珈琲通のお客様の感想を尋ねると民谷はこう返答をした。

「えぇ、珈琲をお飲みになられたお客様は味に深みが増してより美味しいと言われておりますな。」

民谷は自分が褒められた様に嬉しいそうに近衛に言うとやはりと思った。近衛はしょんぼりと肩を落とし片桐がHOUSE-Rに末永く勤めるので珈琲は好きなだけ飲めるのでそれはそれで良いと納得をした。

片桐の心を射止めたその相手の女性とはどんな女性なのか気にもなる。片桐が手間隙を惜しむ事なく珈琲を煎れる相手とはそうとう穏やかで慎み深い女性であると勝手に想像する。

近衛が大広間から帰ろうとすると函南が送り迎えの係らしく近衛の元にやって来て函南は近衛に声をかける。

「近衛様、お具合が悪いのでしたら薬でもお持ちしましょうか。もしかして、お腹が痛いのならトイレはあちらですよ。」

姿勢よく背筋を伸ばし歩いている近衛がなんとなく、肩を落とし身体を丸くなる様にして歩いているので近衛が具合悪いと思う函南である。

「大丈夫です。御心配なく。」

廻りに居る品川や三島に平塚はそんな近衛を見て不敵に笑う、近衛は客としてカウントされてない。 近衛は飲んだ代金を支払いお屋敷を後にした。



「今日は面白いもん見れたぜ。あの偏屈堂さんがへこんでたな。」

「お腹が痛いのかっと思ったら違うって。」

「ふ~ん、じゃなんだ。」

近衛がへこんだ理由を誰も知らない。




微熱 (19)