もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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微熱 (6) 鬼畜眼鏡 片桐 end No.11その後偽造編 佐伯×片桐

2009-11-04 21:33:45 | 腐女子の御伴
         *ご注意*


*腐女子や同人誌の意味が解らない方や気分を害される恐れのある方は此処で御帰院してくださいませ。*



一個人の妄想なのでSprayとは一切関係ありません。腐女子や同人誌の意味をご理解頂けた方だけ此処から先へどうぞ。






         微熱 (6)



このままこの人を……と思う佐伯だっがまだそれは早いと思い相変わらず片桐はハラハラと泪を流して居るので、佐伯は自分のスーツの内ポケットからハンカチを取り出し片桐の目許をハンカチで優しく泪を拭い去る。

「もう、泣き済みましたか??」

「佐伯君…‥」

「仕事が此処のところ立て込み、来れ無かったんですよ。」

「えっ…あの、もう忘れてしまったかっと思ってました。暇で…僕の所に来たと…‥」

そう言うと佐伯の形の良い眉毛がやや吊り上がり、ギラりと視線を片桐に飛ばす。そんな佐伯の一睨みを受けて身をビッくりとすくませる。

「暇つぶし??何を言うと思えば…」

「だって、その-------- 」

片桐は小さな声で…‥

「僕は君を消し去り忘れ様としてました…‥」

佐伯は片桐にした一方的な数々の行為を思い出す、 それでも、片桐は佐伯を受け入れてしまった。それに腹を立てて…‥ 縋る片桐を放り出し見捨てた。

「あれからキクチマーケティングを離れた貴方は、何もかも捨て忘れたのですか??」

「僕は何も取り柄もないし、やっと自分の居場所を見つけたんです。こんな僕の存在を認めてくれる場所を…‥」

「貴方が辞めた後もキクチマーケティングの営業8課の奴らが、貴方を忘れずに心配している事も知らないでしょうね。」

「僕の事を??営業8課の皆さんに僕は元気ですって伝えてください。」

「俺は、貴方に世の中に善良な人間ではなくこんな狂暴な人間が存在しますと言ってやりたかった。なのにそれでも、貴方はこんな俺を平気で受け入れてしまった。」

「僕はあの時は辛かったけど、でもね、今は幸せなんです。」

絶望感が佐伯を覆う、片桐はもう自分を必要して居ない事を思い知る。何もかもふっ切り片桐は新しい生活を手に入れて穏やかに過ごして居る事を…‥もう、遅かったっのか??

「貴方が忘れ様としても俺は忘れてませんよ、俺は貴方にした事を今でも…‥」

そう自嘲気味に言う佐伯に、片桐は哀しげに微笑む。あの時に引き留めて居たら… ご都合主義と言う言葉がお似合いと。

「だから、佐伯君も僕の事を忘れてください。」

「片桐さん…‥」

この人は弱いと思って良い様に翻弄し付け入った‥ ほんとは誰よりも強いのかも知れない。そう思うと、片桐を抱きしめて居た腕に力が入る。

「ありがとう…佐伯君。僕はもう大丈夫ですよ。君に逢えて良かったです。さよ…‥」

佐伯は片桐の口唇を奪う様に唇づけ言葉を飲み込む。 片桐の言う通りに忘れられると思っていたが、歳月を重ねれば重ねる程に切なく恋しさが募り同時に罪を冒した事を悟った。

気がついたからこそ、取り戻したいのだ、自分に1番必要で大切な存在をこの胸の中に。 たぶん、言葉でどんなに言ってもこの人には伝わらないならば~



「俺は言いましたよね??片桐さん、大切な忘れモノを取りに来たと…‥」

「君の大切なモノ??」

ほら、やっぱり、伝わってない。こんなにも唇づけて抱きしめているのに、なんだか可笑しい。だからこそ、 この思いを知らせてやりたい鈍感でそれで居て繊細なこの人に。

「こんなに俺が貴方にしてる行為はどう意味でしょうかね??」

「えっ、そんな、困ります。離してください。」

「俺は困らない。俺は、これでさようならなんてしません。そうだな、貴方が俺の忘れモノの意味が分かるまでこのアパートに同居してやる。」

「そんな、無茶です。君は忙しいはずだし、僕なんて必要ないし…」

「そんな事を、言っている様じゃダメだ。」

「ダメなんて僕は困ります。だから~」

ゴニョゴニョと目許をほんのりと赤らめて片桐が言うのでその目許に佐伯は甘い唇づけを落とす。 何もかもが愛しいのだ、この人のそんな仕種さえも。

「あの…」

「そうですね、和室が調度空いてる。布団一式と小さいチェストがあれば良いかな。今日から宜しくお願いしますよ??稔さん。」


佐伯がそう言うと鳥籠の中の同居人が返事をする様にご機嫌に囀る。

佐伯はそう言うと和室の隅に昼寝用に片桐が使用していると思われる、ごろ寝ロングクッションとブランケットを取りごろ寝ロングクッションを敷きスーツの上着を脱ぎネクタイを取り放り出しブランケットを被り寝てしまう。

ゴソゴソと佐伯のスーツの上着とネクタイをハンガーに掛けて壁に下げて、鳥籠にカバーを掛けて和室の照明を消して寝室へ去って行く。

寝室の扉が閉まる音を聞き佐伯はガッバっと起き上がり、自分の鞄の中から栄養補給の飲むゼリーを取り飲み空になった容器を鞄にほうり込む。鳥籠のカバーを小さく開けて佐伯は小さな同居人に挨拶をする。


「と言う訳だ。宜しくな。」

二羽は了解と言わんばかりに囀り鳴いた。




微熱 (7)

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