車輪を再発見する人のブログ

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新年明けましておめでとうございます

2009年01月01日 | 経済学
早いもので新年です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。よいお年を。

生産性について色々書いてきたけど、結論をまとめると生産性と賃金との間には驚くほどに相関関係がない。むしろ、逆相関であるとさえ言える場合がたくさんある。原因は単純で、賃金は限界生産性の価値によって決まるから、生産性だけでなく生産している財の価格も賃金の決定要因として関係している。だから、仕事が保護されている、あるいは保護されている産業に勤めている労働者の賃金は高くなるし、熾烈な競争にさらされている労働者の賃金は低くなる。

このような状況は、労働者の賃金だけでなく市場経済全体に見られる。経済にとっては、生産性は重要である。生産性が全体の経済水準を決定する。しかし同時に、分配という問題も存在する。だから、生産性を上げることが分配面で中立であったり、有利であったら生産性は自然と上がるかもしれない。しかし、生産性を上げることが分配において不利であったら、生産性はなかなか上昇しないだろう。ここまで、典型的でない場合でも生産性を上げなくても、より大きな分配を得ようと努力することが所得を上昇させるなら生産性がないがしろにされてしまう。

だから、いかにして生産性を上昇させるほうに経済を向けさせるのかってのが最も大きな問題だと言っていいだろう。