『大塚国際美術館 西洋絵画300選』
大塚国際美術館の公式図録です。
1000余点のうちの300点しか載っていませんが、
美術館での感激がよみがえります。
絵画というものは、解説を聞くと、すなわち左脳で見ると
それまで見えなかったものが見えてきます。
私も知らなかったのですが、たとえば「受胎告知」。
新約聖書で、マリアに天使のガブリエルが降り、マリアが聖霊によってイエスを身ごもることを告げる場面を描いたものです。
多くの画家が描いています。
サンドロ・ボッティチェリ
レオナルド・ダ・ヴィンチ
これら多くの「受胎告知」の絵を見ると、ある程度の規則性が分かってきます。
・ マリアは読書の最中であることが多いが、糸をつむいでいることもある。
・ 白百合が置かれるか、天使が百合を携えている
・ 二人の上には天上からの光や聖霊の鳩が描かれることが多い
・ マリアは赤い服に青いマントを羽織っている
シモーネ・マルティーニ
オリーブの枝を手にしているのは、百合がシエナの敵であるフィレンチチェの紋章だからです。
ティントレット
宗教改革に対抗した時代の受胎告知を描いたものです。
ルターが聖母性を否定したので、天使は空から神の意志で降りてきます。
この絵について、詳しい解説は次を見てください。
紹介したのは一例ですが、美術史というだけでなく、世界の歴史を学ぶことができます。
『大塚国際美術館 西洋絵画300選』には「受胎告知」は4点しか紹介されていませんが、まさに、世界の歴史を学ぶための参考書です。