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小学校学習指導要領 社会科の目標

2024-03-28 05:20:03 | 社会科関連情報

昭和22(1947)学習指導要領 社会科編(I)(試案)小中AG00000003

第1章 

 第二節 社会科の目標

 社会科の目標は,暫定的ではあるが,一応教育の一般目標に基ずいて,次のように考えられるであろう。小学校の六箇年に対しては,各学年ごとに,これに基ずく学年の目標を示し,中学に対しては,各単元ごとに,これに基ずく単元の目標を示すことにした。教師は,よくこれらを通読し,その意味を適確に理解するように努められたい。

一 生徒が,人間としての自覚を深めて人格を発展させるように導き,社会連帯性の意識を強めて,共同生活の進歩に貢献するとともに,礼儀正しい社会人として行動するように導くこと。

二 生徒に各種の社会,すなわち家庭・学校及び種々の団体について,その構成員の役割と相互の依存関係とを理解させ,自己の地位と責任とを自覚させること。

三 社会生活において事象を合理的に判断するとともに,社会の秩序や法を尊重して行動する態度を養い,更に政治的な諸問題に対して宣伝の意味を理解し,自分で種々の情報を集めて,科学的総合的な自分の考えを立て,正義・公正・寛容・友愛の精神をもって,共同の福祉を増進する関心と能力とを発展させること。

四 生産・消費・交通・運輸等の自然的・社会的条件を理解させること。

五 生徒が日常接触する自然的並びに社会的環境について,科学的に観察する能力を養うこと。

六 世界の自然的環境及び文化は,地域によってさまざまに異なるものであること,並びに各地の人間生活は,その文化的条件のもとに自然に適応しながら営まれていることを理解させること。

七 各地域・各階層・各職域の人々の生活の特質を理解させ,国内融和と国際親善に貢献する素地を養うこと。

八 各地の資源・自然美及び人工美の価値を知って,これを愛護するとともに,進んでこれを開発し,創造する能力を養うこと。

九 社会生活が常に発展するものであることを知り,過去の事績を背景として現代の特質を理解し,将来の方向を見わたす能力を養うこと。

十 各種の職業についてその社会生活に対する意義を十分理解し,他人の職業を尊重する態度を強め,自己の職業の選択を正しく行い,能率の高い職業活動のできる能力を養うこと。

十一 社会生活における勤労の価値を理解するとともに,勤労によって産業の発展に寄与する能力,及び勤労を尊ぶ態度を養うこと。

十二 自分の健康を保ち,これを増進するために必要な知識を学び,それに基ずいて健康に留意する習慣と態度とを養い,更に社会一般の保健に関心を持ち,一般の健康状態を向上させる態度を作り上げること。

十三 宗教の社会生活における意義を理解すること。

十四 娯楽や運動の自然的並びに社会的背景を知って,これらの発達を理解すること。

十五 ある主題について,討議して学習を進め,人々に会って知識を得る習慣を作り,社会生活に関して,自分で調査し,資料を集め,記録・地図・写真統計等を利用し,またこれを自分で作製する能力を養うこと。

https://erid.nier.go.jp/files/COFS/s22ejs1/chap1.htm


 

(試 案)

 

昭和26年(1951)

第2章 社会科の目標

  前章に述べた社会科の目的を達成するためには,次のような目標によって指導を行うのが望ましいであろう。

<dir>一,自己および他人の人格,したがって個性を重んずべきことを理解させ,自主的自律的な生活態度を養う。

二,家庭・学校・市町村・国その他いろいろな社会集団につき,集団内における人と人との相互関係や,集団と個人,集団と集団との関係について理解させ,集団生活への適応とその改善に役だつ態度や能力を養う。

三,生産・消費・交通・通信・生命財産の保全・厚生慰安・教育・文化・政治等の根本的な社会機能が,相互にどんな関係をもっているか,それらの諸機能はどんなふうに営まれ,人間生活にとってどんな意味をもっているかについて理解させ,社会的な協同活動に積極的に参加する態度や能力を養う。

四,人間生活が自然環境と密接な関連をもっていることを理解させ,自然環境に適応し,それを利用する態度や能力を養う。

五,社会的な制度・施設・慣習などのありさまと,その発達について理解させ,これに適応し,これを改善していく態度や能力を養う。

https://erid.nier.go.jp/files/COFS/s26es/chap2.htm

 


 

昭和33年改訂

第2節 社   会

 

第1  目   標

1 具体的な社会生活の経験を通じて,自他の人格の尊重が民主的な社会生活の基本であることを理解させ,自主的,自律的な生活態度を養う。

2 家庭・学校・市町村・国その他いろいろな社会集団につき,集団における人と人との相互関係や,集団と個人,集団と集団との関係について理解させ,社会生活に適応し,これを改善していく態度や能力,国際協調の精神などを養う。

3 生産・消費・交通その他重要な社会機能やその相互の関係について基本的なことがらを理解させ,進んで社会的な協同活動に参加しようとする態度や能力を養う。

4 人間生活が自然環境と密接な関係をもち,それぞれの地域によって特色ある姿で営まれていることを,衣食住等の日常生活との関連において理解させ,これをもとに自然環境に対応した生活のくふうをしようとする態度,郷土や国土に対する愛情などを養う。

5 人々の生活様式や社会的な制度・文化などのもつ意味と,それらが歴史的に形成されてきたことを考えさせ,先人の業績やすぐれた文化遺産を尊重する態度,正しい国民的自覚をもって国家や社会の発展に尽そうとする態度などを養う。

 

https://erid.nier.go.jp/files/COFS/s33e/chap2-2.htm


昭和43年7月
第2節 社  会

 

第1 目 標

 社会生活についての正しい理解を深め,民主的な国家,社会の成員として必要な公民的資質の基礎を養う。

 このため,

1 家庭の役割,社会および国家のはたらきなどそれぞれの特質を具体的な社会機能と結びつけて正しく理解させ,家庭,社会および国家に対する愛情を育てるとともに,自他の人格の尊重が民主的な社会生活の基本であることを自覚させる。

2 さまざまな地域にみられる人間生活と自然環境との密接な関係,自然に対する積極的なはたらきかけの重要性などについて理解させ,郷土や国土に対する愛情,国際理解の基礎などを養う。

3 われわれの生活や日本の文化,伝統などはすべて歴史的に形成されてきたものであることを理解させ,わが国の歴史や伝統に対する理解と愛情を深め,正しい国民的自覚をもって国家や社会の発展に尽くそうとする態度を育てる。

4 社会生活を正しく理解するための基礎的資料を活用する能力や社会事象を観察したりその意味について考える能力をのばし,正しい社会的判断力の基礎を養う。

https://erid.nier.go.jp/files/COFS/s43e/chap2-2.htm


昭和52年7月

第2節 社   会

 

第1 目 標

 社会生活についての基礎的理解を図り,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て,民主的,平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。


平成元年3月

第2節 社   会

第1 目 標

 社会生活についての理解を図り、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社会に生きる民主的、平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。

https://erid.nier.go.jp/files/COFS/h01e/chap2-2.htm


平成10年12月
第2節 社  会

 

第1 目  標

 社会生活についての理解を図り,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て,国際社会に生きる民主的,平和的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。

https://erid.nier.go.jp/files/COFS/h10e/chap2-2.htm


平成20年3月

第2節 社  会

第1 目標

 社会生活についての理解を図り,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て,国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。

 


 平成二十九年三月三十一日

第2節 社会

 

第1 目 標

 社会的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりする活動を通して,グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。

(1) 地域や我が国の国土の地理的環境,現代社会の仕組みや働き,地域や我が国の歴史や伝統と文化を通して社会生活について理解するとともに,様々な資料や調査活動を通して情報を適切に調べまとめる技能を身に付けるようにする。

(2) 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考えたり,社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断したりする力,考えたことや選択・判断したことを適切に表現する力を養う。

(3) 社会的事象について,よりよい社会を考え主体的に問題解決しようとする態度を養うとともに,多角的な思考や理解を通して,地域社会に対する誇りと愛情,地域社会の一員としての自覚,我が国の国土と歴史に対する愛情,我が国の将来を担う国民としての自覚,世界の国々の人々と共に生きていくことの大切さについての自覚などを養う。

 

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