文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

京都御所は江戸城とは異なり、敵の襲来から御所を守る堀もない。頑丈な城壁のかわりに筒素な築地塀しかない。

2020年12月28日 16時39分37秒 | 全般
以下は週刊新潮今週号の掉尾を飾る櫻井よしこさんの連載コラムからである。
本論文も彼女が最澄が定義した国宝であることを証明している。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読である。
新年の読書は『天皇の国史』だ
冬至がすぎ、新年が近づいてきた。
新しい年がどんな年になるか、それは私たち日本人次第だ。 
世界情勢の大混乱はどの国をもいためつけている。
日本だけが武漢ウイルスの攻撃に哂されているわけではない。
他方、ウイルスを撒き散らした中国は、いち早く経済再生をはかり、一番得をしているように見える。
だが、彼らは武漢ウイルスをきっかけに国際社会に正体を見られてしまった。世界の混乱を利用して、中国こそ善なる医療大国であるかのように装い、他方で香港人やウイグル人を弾圧し、支配し、沈黙させている。
その嘘にまみれた醜い姿を、ウイルスが次々に明らかにした。
そして国際社会の主要国に中国の友人はいなくなった。
まさに天網恢恢、疎にして漏らさずなのである。
令和3年、米中のせめぎ合いはこれまで以上に深刻化するだろう。
中国は孫子の兵法を駆使し、世界の覇権国となるための大戦略に基づいて次々に新たな戦術を繰り出してくるはずだ。
わが国は中国の攻勢を防ぎ米国には、日本と同盟関係にあることが米国にとって非常に価値あることだと、精神的にも物理的にも示さなければならない。 そのために日本の本領を発揮することだ。
日本は幾千年も穏やかな文明を育んできた。
記憶にないほど太古の昔から万民平等の哲理を自然の内に実践してきた。
その中心に天皇がいらした。 
天皇の存在を理解するには、東京の皇居ではなく、京都御所を想い起こすのがよい。
明治維新で江戸城が無血開城され、明治天皇は東京に移られたが、それ以前は京都御所におられた。 
京都御所は江戸城とは異なり、敵の襲来から御所を守る堀もない。
頑丈な城壁のかわりに筒素な築地塀しかない。
賊は侵入しようと思えばいつでもできるだろう。
だが長い歴史の中でそんな不埒なことは起きなかった。
世界でこのような国は本当に珍しいはずだ。
天皇と国民のこの穏やかな関係は、天皇が常に民と国のために祈り、民もまた天皇と皇室に敬愛の情を抱いてきたからであろう。
この稿続く。

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