以下は前章の続きである。
卞准教授の身辺を洗うと、驚くべき事実が判明した。
彼は1998年11月、同じ在日の女性と結婚している。
当初は実験所に近い泉佐野市のマンションに住んでいたが、後に神戸市灘区に移っている。
筆者はこの住所に出かけてみたが、六甲山が迫る神戸の一等地に建つ50坪の敷地の豪邸である。
近所の不動産屋に聞くと、「坪150万円は下らないだろう」という。鉄筋2階建てで、地下には2台分のスペースのビルトインのガレージがある。
この住所の登記簿を見ると、家が建てられたのは2001年1月である。
但し、卞准教授だけの所有ではなく、妻と妻の両親の4人の共同所有である。それが何ともややこしい。
例えば、建物1階部分は、妻の父が5分の4、妻の母が5分の1、建物2階部分は卞准教授とその妻が其々2分の1ずつ、建物地下は、妻の両親・卞准教授・妻が其々4分の1ずつの所有となっている。
土地については、妻の父が5分の4、妻の母が5分の1の所有権を持つ。
建設するに当たって、娘婿の卞准教授も資金の一部を出したかもしれないが、事実上、この家を建てたのは妻の父だろう。
卞准教授の父に当たる男は曺廷楽という。
一部ではよく知られた名前である。
何故なら、『洛東江』という北朝鮮直属の秘密工作機関の親玉だったからだ。