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ところが、中国は輸入の伸び率がマイナスなのにもかかわらず、GDPがなぜか下がっていない。

2017年08月20日 23時20分26秒 | 日記

以下は月刊誌Will今月号に掲載された上念司氏の論文からである。

中国のGDPどうみても世界三位

上念司 

水増し疑惑を徹底追究、ついにその実態を解明。結果は案の定……

中国水増し経済の実態 

中国のGDP(国内総生産)統計は、以前から水増しされているのではないかとみられていました。

中国の実態経済は実際にどうなっているのか、独自で調べてみることにし、その真実を明らかにして、まとめたのが『習近平が隠す本当は世界3位の中国経済』(講談社十a新書)です。

2016年、経済学者の高橋洋一氏(嘉悦大学教授)が『中国GDPの大嘘』(講談社)という本を上梓され、「中国においては輸入統計以外、ほとんど当てになる数字はない、と主張していました。

OECD加盟国の輸入とGDPの伸び率には正の相関があり、輸入が伸びればGDPが伸び、輸入が減ればGDPも減ります。

中国は2015年に輸入が13%も減少しているのに、公式統計ではGDPが約7%も伸びていました。

これは明らかに無理があります。

それに対して、経済学者で中国経済が専門の梶谷懐氏(神戸大学経済学部教授)は「中国は統計が未整備だから、サービス業などのGDPが反映されていない。そのために数字が低めに出てしまう」「資源価格が大幅に値下がりしたので、GDPが低めの数字になっている」「為替の問題もある」と反論していました。

私は直接、高橋氏に話を伺いに行ったのです。

「こういう反論があるけど、どう思いますか」と。

高橋氏は「過去にあった為替や資源価格の変動をすべて織り込んで作成したグラフから相関関係が導き出された。もし、為替や資源価格によってこれが崩れるというならそれを証明してほしい」と反論されていました。 

高橋氏は2010年~2012年の4年間のデータを使って、先進国のGDPと輸入の伸び率の相関を調べ、疑問を呈したのですが、私自身は15年の長期スパンで計算してみました。

驚くべきことに、計算してみると、高橋氏の結論とまったく一致したのです。

2015年、中国の輸入の伸び率はマイナス13.2%、2016年はマイナス5.5%です。

先進国の2010~2012年の輸入の伸び率とGDPの伸び率を見てみると、輸入が伸びれば、経済成長率も伸びるという右肩上がりの関係にあります。 

ところが、中国は輸入の伸び率がマイナスなのにもかかわらず、GDPがなぜか下がっていない。

この稿続く。


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