文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

このような危機は、犯罪的な無責任によって引き起こされた政治的危機であるということを忘れてはならない。 

2024年07月30日 08時44分10秒 | 全般

以下は、26日に発売された月刊誌Hanadaの巻頭を飾るE・ルトワックの連載コラムの抜粋である。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。

限界バイデンと日本の政治的危機
テレビ討論会でのバイデン大統領の最悪のパフォーマンス…中略…私がバイデンと初めて会ったのは約五十年前。
ネットで私の名前を入れて検索すると、彼が委員長を務める上院の外交委員会で、私が彼の目の前で証言している画像が出てくる。
バイデンは個人的に知っているので悲しい限りだ。 
報道にもあったとおり、私はバイデンはパーキンソン病だと考えている。
ところが、彼の妻(ジル夫人)と息子(ハンター)は、彼を候補者から下ろすことに同意していない。
理由はいくつかあるが、彼の妻は豪華な家具が設えられたホワイトハウスに住むことを好み、息子は刑事裁判が待っているからだ。
バイデンがホワイトハウスにいる限り、息子は法的に守られる。 
妻と息子は実に残酷で、バイデンはこのままいけば、公の場で椅子に座ったまま眠ってしまうなど「決定的な姿」をさらすことになる。 
結論として、バイデンは十一月までに辞めさせられることになるだろう。 
では、代わりの候補者は誰なのか。
代表的なのがカリフォルニア州のキャビン・ニューサム知事だ。
彼は映画スターのようなイケメンだが、残念ながら暴走的な左翼の政策や環境政策など、あらゆる愚かなことが行われている「カリフォルニア州」の知事である。
税金は非常に高く、ガソリン価格も高騰するなど、カリフォルニア州は経済的に衰退し、サンフランシスコやロサンゼルスの人々はテキサス州に次々と移住している。 
いくらイケメンの州知事が出馬したところで、いざ大統領選になれば足元の州の悲惨な状況が全国に暴かれて終わりだ。
かといって、その他の州知事らも知名度は低い。 
したがって、現時点ではトランプの大統領返り咲きの可能性が高い。 
では、もしトランプが二度目の大統領に就任したら、その影響は日本にどう出るのか。
まず確実に言えるのは、日本はワシントンから非常に冷たい風を感じることになる。
中略。
日本は西側の世界で二番目に大きな経済力を持っている。
ところが、防衛費を二倍のGDP比二%に上げると言いながら、実質的な通貨安で支出を上げた分の戦力を得ることができていない。
海外から輸入する装備品などが円安で値上がりし、防衛費増額分が相殺されてしまい、インディアンのナバホ族の弓矢くらいしか買えない状況だ。 
その間も、アメリカは相変わらずGDP比4%近くの国防費を捻出している。
これはいわゆる「フリーライド」(ただ乗り)であり…中略… 
中国に対しては、越境EC(電子商取引)アプリとして急成長しているTemuのようなサイトやEV車などに関税をかけるくらいのことは早々にやるだろう。
二期目のトランプ政権は、不均衡是正の政策をより強硬に打ち出す、レーガン政権のようになる。
中略
もし日本の政治システムを裁判にかけられるとしたら、私は二件の罪で訴訟を起こす。
第一に、日本は出生率を上げることについて何も語らず、何もしなかった。
ゼ囗だ。
たとえば、不妊治療は日本では未だに無料ではない。
完全に無料にして、不妊治療を受ける女性の負担はゼ囗にすべきだ。 イスラエルは日本よりずっと貧しい国だが、出生率はずっと高い。
イスラエルはOECD加盟国のなかで最も出生率が高く、女性一人当たり三人の子供がいる。
それでもまだ不妊治療は無料のままだ。
日本はリッチな国なのに、いったい何をやっているのか。 
第二に、予測不可能な北朝鮮の核から日本国民を守るために指一本動かしていない。
北朝鮮は日本の近くにあって、核ミサイルを保有している。
なのに日本政府は何もしない。 
日本人は、核弾道ミサイルを持つ狂人が率いる独裁国家の隣に住んでいながら、弾道ミサイル防衛をはじめ自らの安全やその家族、友人らの安全を保障する手立てを一切講じられていないのだ。 
このような危機は、犯罪的な無責任によって引き起こされた政治的危機であるということを忘れてはならない。

 


2024/7/26 in Osaka


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