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文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

「Googleの脳みそ」三宅 伸吾著…日経新聞10月9日20面より

2011年10月09日 18時37分16秒 | 日記
日本の閉塞状況を法的に指摘  文中黒字化は芥川。
タイトルだけ見ると、米検索大手グーグルの思考回路を説明した本のようだが、実は日本の閉塞状況を法的な側面から指摘した本である。グーグルを引き合いに出したのは、既存概念にとらわれない自由な発想こそが社会の活力を生むということを、同社を例に訴えたかったからだ。

グーグルは創業13年の新しい会社だが、今や仕事や生活に不可欠なツールとなっている。しかし同社の事業が初めからすべて歓迎されたわけではない。映像共有サイトの「ユーチューブ」やデジタル写真地図サービスの「ストリートビュー」などは、著作権やプライバシー保護の観点から相当、非難を浴びた。

それでもサービスとして定着したのは、社会的な需要があり、不当な画像は削除するなど同社が改善にも努めたからである。日本でも「ウィニー」という情報共有ソフトが作られたが、最初から悪者扱いをしたために、新しい情報サービスが日本には生まれなかったと著者は指摘する。

そう考えると、著作権法や個人情報保護法など日本にはデジタル時代にそぐわない法規制が非常に多い。法令を守ることは重要だが、行き過ぎや誤った法の解釈は経済成長をそぐ要因となりかねない。

本書は前例や既存概念にとらわれて思考停止に陥っている日本人に対し、自分の頭で考えることの大切さを訴える本である。


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