文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

少なくとも、野党議員が財務省に乗り込むパフォーマンスを演じた翌日に赤木さんが自殺したことは厳然たる事実です。

2021年10月27日 17時50分55秒 | 全般

昨日発売された月刊誌WiLLは当然ながら毎日配達されている全国紙とは発行部数は段違いに少ない。
だが、それはノーベル賞を受賞するような人たちは頻繁にマスメディアに登場したりする人達では全くない、言わば、ごく少数派であるのと同様なのである。
つまり本当の研究を為している人達、本物の知性は、ごく少数の中にいるのである。
昨日発売された月刊誌WiLLに掲載されている高山正之と山口敬之の対談特集は、10月31日に投票を控えている日本国民全員のみならず世界中の人たちが必読。
日本国民は、投票する前に、この対談特集を読まなければならない。
本欄の読者の方々は、出来るだけ多くの周囲の人たちに、伝えて下さい。
以下は前章の続きである。
「安倍の傀儡」なのか
高山 
岸田の閣僚人事と党幹部人事についても聞いてみたい。
山口 
2パターンの報じ方がありました。一つ目が「岸田政権は安倍の傀儡」というもの。二つ目が「岸田と安倍に不協和音」というもの。
朝日や毎日など左派メディアは前者、ロイターや日経など比較的ニュートラルなメディアは後者のスタンスで報じていました。
高山 
どっちが正しいんだろう。
山口
間違いなく後者です。岸田政権の人事が「安倍の傀儡」だなんて、妄想にすぎません。ロクに取材していないはずです。
朝日は「萩生田官房長官」という大誤報を出して政治部長が謝罪に行ったくらい、取材力が劣化しています。
高山 
田原総一朗も「岸田は安倍のイエスマン」と評していた。
山口 
田原さんは「生きた化石」みたいな人ですから(笑)。
彼らは岸田政権に「安倍・麻生の傀儡」とレッテル貼りして、総選挙で野党を有利にしようと考えているんです。
その証拠に、共産党の機関紙・赤旗には、「あんまりだ 安倍・菅直系―岸田政権 露骨な岸田新総裁は安倍・菅直系―何から何まで路線継承」といった見出しが躍っていました。
高山 
安倍が岸田の組閣人事に不快感を示している、という記事もあった。
山口
その記事が正しい。さきほど述べたように、安倍さんは相当なリスクを冒して高市支持を表明し、そのおかげで岸田さんは勝利することができた。
つまり、安倍さんこそ岸田政権の生みの親にほかならない。ところが、岸田さんの人事には安倍さんの希望が反映されなかった。
甘利さんの幹事長をはじめ、麻生派が優遇されたことが安倍さんにとっては不満だったんです。
政調会長は閑職ではない
高山 
安倍は何を望んでいたんだろうか。
山口 
ズバリ、安倍さんが欲しかったのは幹事長ポストだと思います。
しかも、細田派なら誰でもいいわけではなく、安倍さんの意中の人は、最も信頼している萩生田光一さんだったでしょう。
官房長官に抜擢された松野博一さんは細田派ですが、高市さんではなく岸田さんに入れた。
国対委員長の高木毅さんも清和会でありながら岸田に投票しました。
さらに、派閥に縛られず自主投票を求める「党風一新の会」をつくって、事実上の派閥のオーナーである安倍さんに牙を剥いた福田達夫さんを総務会長という重要ポストに据えた。
高市出馬がなければ河野さんに勝てなかったはずの岸田さんが、高市さんを支持した連中を人事で排除した。
清和会の分断を深刻化させるような岸田人事こそ、安倍さんの不快感の根源です。
高山
高市が官房長官や外務人臣といった華やかなポストに就くんじゃないかと思っていた。
でも、フタを開ければ政調会長。安倍政権時代、高市はすでに政調会長を務めた経験がある。
人気のライバルを封じ込めるための「封じ込め人事」だとする意見もあるけど、どうなんだろう。
山口 
政調会長は、政策立案能力に秀でた高市さんに相応しいポストです。例えば、コロナ経済対策の補正予算も、政調会長がまとめて政府に持っていく。
霞が関が最も恐れる存在が政調会長。
保守派の反対に遭って頓挫したLGBT理解増進法にしても、高市さんが政調会長なら最初から潰されて議論にすらならなかったでしょう。
並の大臣より大きな権限を持っているんです。
高山
リベラルな岸田と保守の高市、二人の主張がぶつかることはないんだろうか。
山口 
岸田さんは宏池会の伝統を継承するリベラルで、分配政策に重きを置いている。他方、外交・安全保障分野で親中というわけではない。
皇位継承やジェンダー、LGBTでは岸田さんと高市さんは一致できるはずです。
野党のパワハラこそ検証せよ
高山 
岸田政権はイマイチ期待できない。
総裁選に立候補した直後、岸田は森友問題について「さらなる説明をしなければならない課題だ。国民が納得するまで説明を続ける」と発言した。
すぐに発言を撤回しだけど、これじゃあ朝日と野党の思うツボだ。
土地売却に安倍が関与していないことはわかっているはずなのに、朝日のご機嫌をとるために自ら「負け犬」になろうとしたわけだ。
山口 
朝日と真っ向勝負に挑んだ安倍さんや高市さんが特殊なだけで、岸田さんみたいな政治家がほとんどです。
高山 
やっぱりメディアから叩かれるるとツライんだろうか。
あの高橋洋一ですら、「さざ波」で袋叩きに遭って内閣官房参与を辞任したんだから(笑)。
山口 
正論を唱えたはずが、なぜかメディアにバッシングされて謝罪するーそんな光景はもう飽き飽きです。
高橋さんの「さざ波」発言は何ら問題ない。
菅さんは高橋さんを切り捨てましたが、安倍さんなら体を張って高橋さんを守ったはず。
「さざ波」騒動の頃から、菅さんの迷走は始まっていました。
高山 
せっかく安倍が戦後レジームの岩盤にドリルで穴を開けたんだから、その流れに続く政治家が現れてもいいんだけど……。
山口 
野党がまたぞろ持ち出した赤木文書には、「現場として森友学園を厚遇した事実はない」と書かれている。
追及されるべきは野党ですよ。
赤木さんが自殺した前日、立憲民主党の杉尾秀哉議員と小西博之議員がマスコミを連れて財務省に乗り込み、「決裁文書を出せ」と恫喝まがいの要求をしている。
高山 
つまり、野党が自殺に追い込んだということになる。
山口 
そこまで明言はできませんが、野党のパワハラと赤木さん自殺の因果関係こそ調査しなければならない。
少なくとも、野党議員が財務省に乗り込むパフォーマンスを演じた翌日に赤木さんが自殺したことは厳然たる事実です。
高山 
野田聖子も森友問題の解明チームを設置すると明言した。でも、野田には解明してもらわないといけない問題がある。
『週刊新潮』が、野田の夫は指定暴力団・会津小鉄会の構成員だったと報じた。『週刊新潮』は名誉棄損で訴えられたが、東京地裁は請求を棄却。
つまり、裁判所は夫が元暴力団だった事実を認定しているということだ。
山口 
夫がかつて反社会的勢力の一員だった人物が、岸田政権で少子化担当大臣を務めている。それでも、ほとんどの大手メディアはダンマリを決め込んでいる。
安倍さんや高市さんが同じような問題を抱えていたら、連日ワイドショーで取り上げるはずです。
ちなみに野田さんは総裁選期間中、夫のことを質問されて「夫を信じている。歯を食いしばって頑張りたい」と答えた。そんな回答で済むなら何でもありですよ(笑)。
高山 
鳩山由紀夫の「トラスト・ミー」を彷彿させる(笑)。
この稿続く。

 


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