以下は前章の続きである。
本多勝一とは何者か
本多勝一は左翼であることは間違いない。
しかし、「どんな左翼か」と殿岡昭郎は前掲書で問う。
本多は確信的左翼であったわけではない。
マルクスもレーニンも読んでいないだろうと殿岡は推測する。
もともとは、「素朴な登山家、冒険家、探検家、文化人類学徒であった。それが本多の本領だっただろう」。
本多の行動はすべて朝日新聞の人事・方針と一体化している。
そこで、殿岡の結論は、本多は「朝日左翼」、「辞令左翼」、「自己喪失左翼」であったというものである。
ベトナム以後の本多は、「ルポルタージュの方法」を放棄し、彼自身の定義によってルポルタージュといえないものを、ルポルタージュであるかのように装って書きまくった。
民族学的調査三部作などの過去の業績はそのカムフラージュに使われた。
私がそう推測するのには理由がある。
本多白身がベトナムの取材に7、8人の政府の案内人がつく取材体制についてこう書いている。
「これは、これまで私がルポルタージュを書くためにとってきた取材方法によれば、とうてい『取材』ではありえない。しいて分類すれば『儀式』に近いだろう。儀式の中では、民衆はホンネを語らぬものだ。タテマエだけを聞いて歩いて、あたかも自由な取材であったかのようなルポを書くわけにはゆかぬ。それではいわゆる'盲従分子'になるだけであり、ジャーナリストの自殺行為になろう」(『ベトナムはどうなっているのか?』275ぺージ』
なんだ、本多は、事の核心を全部みずから語っているではないか。
これで決まり。
本多自身の評価基準に従って、『中国の旅』を書いた本多を「中国共産党の盲従分子」と呼んで差し上げよう。
改めて思う。
本多は実に「虚人」の名にふさわしい人物であった。
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