文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

ミンク鯨など海のゴキブリが増え、貴重な海洋資源が危機的な状態にある。しかし今の捕鯨委にまともな海洋資源の専門家はいない

2019年01月11日 12時17分15秒 | 日記

以下は先日発売された週刊新潮に掲載された高山正之の名物コラム「変見自在」からである。

彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである事と朝日新聞の実態を日本国民と世界は明瞭に知るだろう。

地を知で満たせ

米国では知られた女流記者ポーラ・スパンが先日のニューヨーク・タイムズ紙に「赤ん坊はちゃんと聞いている」というタイトルのコラムを載せていた。 

「聞いたこともないはずの曲をふと口ずさむ。あれは実は意識もないと思っていた赤ん坊のときに母や祖母が歌ってくれたのをしっかり記憶していたからなのです」といった内容だ。 

記者としては古株の彼女はコロンビア大のジャーナリズム大学院で、記者を夢見る若い学生に記者道とは何かを教えている。 

言ってみれば米国一の物知りおばさんなのだ。 

彼女は言う。

赤ちゃんは実は両親の振る舞いをじっと見つめ、母の鼓動を感じ、ストレスに傷ついていることがここ数十年の研究で分かってきたのです。 

5か月の赤ちゃんは母が口ずさむ歌のリズムもメロディも聞き分けて脳に刻み込んでいる。

だから大人になって5か月の孫を抱いたときふとそれを思い出し、自然に口ずさむのです。 

ただ彼女は、その数十年前のもう少し前のGHQ公衆衛生福祉局のマチソン看護婦長と看護婦田中タツの論争は知らなかったらしい。 

タツは産後すぐ母子を引き離す米国式を批判した。

「母は赤ん坊の声を聞くと乳の出がよくなり子も母の鼓動に安心するものです」 

マチソンは「赤ん坊は生後1年半くらい植物状態で添い寝など危険なだけで意味はない」(山村明義『GHQの日本洗脳』)とタツの主張を潰し母子別室を日本社会に押し付けた。 

米国人はそれから半世紀以上経ってやっと日本人の知恵を学び取ったわけだ。 

彼らが日本から学んだことは山ほどある。

明治初期、来日した英人宣教師ヘンリー・フォールスは日本人が個人識別に拇印を使っているのを知って驚いた。それを報告したら「世界初の指紋」発見者になれた。 

浮世絵を見た欧州人は写実主義と全く異なる自由奔放な構図に驚き、多くの画家が日本に学びにきた。 

旅費のなかったゴッホは浮世絵の模写を繰り返して立派な画家になれた。 

ペリーは基督教では禁忌の入浴を日本人が毎日楽しんでいるのに驚いた。 

しかも銭湯は破廉恥にも混浴だった。

「日本人は淫蕩」と『日本遠征記』で口を極めて非難していた。 

最近ニセコの混浴の露天温泉に浸っていたらすっぽんぽんの豪州娘が飛び込んできた。

美形だった。 

ようやく日本の入浴文化が分かったようだ。 

その温泉で近ごろ入れ墨論争が喧しい。

外人は体中ところ嫌わず入れ墨をしてそれが下品で汚らしい。 

「身体髪膚之を父母に受く敢えて毀傷せざるは孝の始めなり」は支那人が言った唯一まともな言葉だ。

日本人もそう思っている。 

しかし馬鹿な日本人もいる。

朝日新聞は社説や記事を使って白人サマは皇帝陛下も入れている、美術的な意義もある。 

だから暴力団と同じに銭湯や温泉から締め出すのはどうか。

文化として受け入れられないかと言う。 

日本人は暴力団対策で締め出しているのではない。

奴隷制度とか喫煙とか文化とは言えない蛮風はやめようと言っている。

日本人が彼らに教えた感覚は審美眼だけではない。

味覚に「旨い」があることも教えた。 

日本人が尊ぶ合理性も遅れた世界は素直に学ぶべきだと思う。 

日本政府は先日、国際捕鯨委からの脱退を決めた。

ミンク鯨など海のゴキブリが増え、貴重な海洋資源が危機的な状態にある。 

しかし今の捕鯨委にまともな海洋資源の専門家はいない。

「非基督教徒で非白人の日本人」への嫉妬に駆られた活動家が代表ポストを国から買って出ている。 

今度の脱退は反捕鯨に名を借りた人種差別主義者とはもう付き合わないという宣言だ。 

いいことだが、ここでも朝日論説主幹の根本清樹は白人に媚びて脱退を非難する。

「鯨など食わなくてもいいじゃないか」と。 

そうじゃない。

彼らに嫉妬の醜さを自覚させ、ついでに尾の身の旨さを教えてやる親切心を感じないか。

 

 

 


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