現在は6泊7日の途中。土曜日はたまった休日を消化しなければならず、スケジュールの都合から現地での休日消化。
たまにしかしないけれど、個人的には結構好きなパターン。
岡山で宿泊していたのだけれど、今回は岡山城などを散策することにした。
朝6時過ぎに起きて、報告書などを集中して片付ける。9時半過ぎに連泊しているホテルを出発し、まずは岡山城へ向かう。てくてくと歩きながら途中チェックポイントのように現れる観光名所まで○kmという看板を確認する。岡山城は黒い板張りの外観から別名「烏城」と呼ばれていて、宇喜多秀家などに縁のあるところ。現在の城は復興されたもので、本物ではない(それなので場内でチケットを購入した後は、まず最初にエレベーターで4階まであがる)。
城は階に換算すると6階建て。4階から6階までは2階分階段を上がる。この階段もちゃんと幅があって、回りやすい城だなと不思議に思う。6階に相当する場所から岡山市街と眼下に広がる後楽園を見下ろしてみる。次に行こうと思っていた後楽園はこんな感じなのだなと概観を把握する。それから刀とか甲冑とか白の歴史などの展示品を見ながら降りていく。1階の食堂で名物と銘打たれたお福うどんというしょうがの入ったぶっかけうどんを食べる。少し遅い朝食。
城から外に出ると、さっきまでと同様に気持ちの良い快晴の朝で、色づきはじめた紅葉の暖色と、川の水の色が対比的にまぶしく映る。
有名な観光地だけあって、午前中だというのにすでに結構な数の人がいた。そして、月見橋と呼ばれる橋を渡り、後楽園へ。
日本三名園と呼ばれる後楽園は江戸期を代表する大名庭園で、かなり広い。池があり丘があり、空が随分と広く見える。案の定お約束のごとく老夫婦に写真を撮って欲しいとカメラを渡され、「撮りますよー」とか言いながらシャッターを押す。途中売店で抹茶セット(きび団子つき)を食べながら休憩する。ぐるりと歩く。これで金沢の兼六園に続き三名園のうち二つ目まで制覇で、残るは水戸の偕楽園だけだ。
後楽園を出てから、すぐ正面にある岡山県立博物館へ。これが思いがけずヒット。岡山県の歴史と文化を様々な資料で紹介しているよくある郷土博物館なのだけれど、久しぶりに触れるその手の展示物や解説が、結構ストライクゾーンだったのだ。
たとえば、2万年前にいまの瀬戸内海は草原で、大陸とも繋がっていて、そのときにナウマン象が渡ってきていたとか(ナウマン象の骨がいっぱい展示されている)、9000万年前に気候の温暖化が進み海面が上昇し、その結果瀬戸内海ができたとか、男の子心をくすぐる展示物の数々。また、弥生時代に稲作がはじまり、集団作業が必要となり、その結果リーダーが生まれ貧富の差が広がっていったなどと当たり前なのだけれど改めて読むとそうだよなという説明にいちいち納得する。
銅鏡の一種である「魔鏡」も展示されていて、スイッチを押して光を当てると、背後に隠されたキリストの模様が光を反射した壁に浮かび上がるなどの実演も確認することができた。隠れキリシタンとか、こういう鏡に光を当てて祈っていたのだろうなとか思いつつ。
博物館を満喫して次は夢二郷土美術館へ。夢二というのはもちろん竹久夢二のことで、特徴的な女性の絵が数多く飾られている。ちょうど夢二が表紙を描いたセノオ楽譜の表紙画特集が組まれていて、順に見ていく。常設展示の中では、うつぶせで本を読む少女を描いた「本を読む娘」が印象的。そこに書かれている「野茨やこの道ゆかばふる里か」をメモする。
小さな美術館で、客の数も少なくひっそりとしていた。ポストカードを数枚購入する。
そのまま岡山県立美術館と岡山市立オリエント美術館を見て回る。岡山市はカルチャーゾーンと名付けて周辺にその手の施設を集約しているので、確かに観光客としては回りやすい。
それで大体15時過ぎになる。岡山の人から教えてもらった味司野村というカツ丼の店に行って遅い昼食。ドミグラスソースをかけたカツ丼で、かなり肉が柔らかい。中途半端な時間だったにも関わらず店内は混んでいて、地元では有名な店なのだろうと思う。前の晩は7人で住宅地の中にひっそりとあるスープカレーの店に連れて行ってもらったのだけれど、おいしい店が多い。たまたまかもしれないけれど、食べ物に関しては随分と満足度の高い街だと思う。
それから駅前までてくてくと歩く。カルチャーゾーンから駅前まで大体1kmちょっと。かなり歩いているよなとぼんやりと思う。
駅に近づくにつれ多くの人がビックカメラの風船を持っているようになって、よく見ると駅前のビックカメラは20日にオープンしたばかりだった。これは混んでいるわけだと納得して中へ。すごい人、人、人。なぜか無料で大きな日本地図つきの来年のカレンダーを配っていて、たくさんの人がそれを持って帰っていた。本当に部屋に貼るのだろうか? 勢いで丸めてないですか? と尋ねたくなる。
そして、ビックカメラを出てから駅に行きリニューアルされた駅内のLIBROで本を数冊購入する。
今回の出張で読了したのはいまのところ3冊。
『SAMURAI 佐藤可士和のつくり方』佐藤悦子著。誠文堂新光社。
『私たちのエキナカプロジェクトecute物語』鎌田由美子+社員一同著。かんき出版。
『成功のコンセプト』三木谷浩史著。幻冬舎。
どれもとても興味深い。『SAMURAI~』は先日読んだ『佐藤可士和の超整理術』の流れで手に取った。佐藤可士和のSAMURAIのマネージャー&プロデューサーであり、妻でもある女性が著者。女性はこの本を読むと憧れてしまうのではないだろうか? と思えるような内容。一昔前のトレンディドラマや漫画の中にしかこういう人(夫婦)はいないと思っていた、と思えてしまうような感じなのだ。自分たちの足で立っている感じもとてもよく出ていて、ハードワークであることは間違いないのに、いい意味でナチュラルに感じさせられてしまう。そういうのってすごいことなのだろうなと思う。内容的にも充実していて、魅力的。
『ecute~』は個人的に好きで、わざわざそこに行くためにだけ大宮や品川に行ったりしていたので、その誕生物語をぜひ読んでみたいということで手に取った。かなり熱い内容。何かをゼロから作り上げるときの熱気のようなものが息衝いていてモチベーションが低下している人にお勧めしたい感じだ。
『成功の~』は平積みされているのを見て、そう言えば楽天のことってよくわからないなと手にとった。原則が明快でブレがない。大きな成功を収める人というのはこうなのだろうなと納得。
僕は本を読んでいて引っかかったところがあると下の角を折るのだけれど(そして読了した後で折り目のあるページだけもう一度読み返す)、3冊とも結構な数の折り目が入った本になった。
でもまあ、そうしてただでさえ多い荷物が増えていくのだけれど……
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お知らせ
明日は岡山から神戸まで車で移動なのです。紅葉のいい時期の運転なんで嬉しくなるのでした。