あちらこちら命がけ

血友病、HIV、B/C型肝炎等を抱えて生きる人のブログ。薬の体験記、海外の最新医療情報、サルベージ療法から日常雑感まで。

最近、暑いですね

2006年09月30日 20時29分49秒 | 日常

 みなさんこんばんは。最近暑いのは私だけですね。いやはや、熱が上がりっぱなしのsunburst2006です。

 まず1つご報告なのですが、9月21日の記事 個室に移りました で「おたふく風邪の疑いが」という話がありましたが、検査の結果大丈夫だということが判明しましたー。拍手ー。パチパチパチ。

 ですが、昨日くらいから顎下線(がっかせん、耳下腺をあごの方に下りていったところ)が腫れ、首のリンパ節も少し腫れています。そして今日、熱も少し上がってきましたね。 おたふく風邪でないとすると、この熱で考えられる主な原因の可能性は3つくらいあります。それは・・・。


 (1) 風邪などのウイルス感染
 (2) 抗HIV薬の治療(HAART)中断により血中のエイズウイルス量が増え、急性感染期のような症状を起こしている
 (3)sunburstという名が体を表わしてしまった


 まあ、(3)は置いておくとして(笑)。

 首周りのリンパ節や耳下腺、顎下線が腫れるというのは比較的良くある話で、(1)のように風邪くらいでもこうなることはあります。
 ただし、現在特に病院で風邪が流行っているわけでもなく、季節的にも風邪を引くような時期でもありませんので、やっぱり可能性が大きいのは(2)の「エイズウイルスが増えてきて悪さをしている」というあたりでしょうか。

  この場合、皮下の硬結が治まってHAARTを再開し、その治療がうまく行けばすぐに熱は下がるはずです。
 ですから、早く硬結を治して治療を再開したいと思っているのですが、まだ体の硬結が治りきっておらず・・・。

 これは9月23日の記事 試しに実践_FUZEON(T-20)の硬結を治そう で撮っていた硬結の場所を、今日撮った写真です。写真では分かりづらいかも知れませんが、23日時点では直径5cmくらいの硬結だったものが、今日の時点では直径3cmくらいになっています。だいたい1週間でここまできましたが、あとどれくらいで治りきるかはちょっとわかりません。
 熱のことを考えればHAARTをすぐにでも再開したいところですが、焦って始めてまた注射を打つ場所が無くなったら大変です。とりあえず、今は氷をガジガジかじって熱に耐えながら、腰を据えて硬結が治るのを待ちたいと思います。


 追伸

 私の場合、普段から平熱は37℃台のことが多く、熱には強い方です。39℃を越えるとさすがに少しきついですが、まあ38℃台なら許容範囲というか、冗談を言う余裕くらいはあります。鍛え方がちがいますからねー(何の?)。
 ただ、やっぱりちょっと、文章がとっちらかって読みにくいかもしれません。え、それはいつものこと? いやん。


血中のエイズウイルスが検出限界以下になっていました!

2006年09月29日 21時19分00秒 | FUZEON(T-20)体験記

  こんばんは。一昨日くらいから37.7℃くらいの微熱が止まらないsunburst2006です。でも体はそんなにつらくなくて、食欲もあります。病院で出る3食では足りなくて、売店でお弁当やらパンやらを買ってきて、一日4~5食は食べています。病院の食事が1800kcalくらいなので、合計すると3000kcalくらいになるでしょうか。
 HIVの症状の1つにスリム症というのがあって、病状が進むとどんどん痩せてきます。これはエイズ発症の1つの基準になることもあります(→
HIV感染とエイズ発症の違い=注1)。3000kcalというと、みなさん「どんだけ食ってんだ?」と思われるかも知れませんが、私の病状もかなり進んでいますので、実はこれくらい食べていないと体重が落ちてしまうのです。というわけでガンガン食べて、FUZEONを打つ皮下脂肪も増やしてしまおう大作戦です。お見舞いに来てくれた友人は「食ってる奴は死なねえっていうから、大丈夫そうだね」と言いましたが、確かによく食べるから体がここまでもっているのかもしれません。
 さてさて、そんなわけで今日もむしゃむしゃ食べながら、元気にブログを更新しているわけですが(笑)、1つ嬉しいお知らせがございます。

 HIVの病状を測る検査結果として、血中のCD4という免疫の量と、HIVのウイルス量というのが一番重要になってきます。特にHIVのウイルス量は、これが低ければそんなに悪さをすることができず、またウイルス量が低い状態を保てればウイルスの耐性化(抗HIV薬が効かなくなること)を防ぎやすいとも言われています。HIV治療の一番のポイントは、効果のある抗HIV薬を複数使い、HIVウイルス量を検出限界以下(UD:Under Detection)に保つことです。そうすれば、CD4は自然と増えてくることが予想されます。

 今は抗HIV治療(HAART)を中断していますが、私が9月5日にFUZEON(T-20)、Prezista(TMC-114)、ノービア(リトナビル)、ツルバダ(エムトリシタビン/テノホビル)のHAARTを開始する直前、私のHIVウイルス量はだいたい3万前後でした。
 HIVのウイルス量測定は誤差が多く、3万と2万ですら、誤差範囲と言われます。そのため、HIVウイルス量が減っているか増えているかは、ウイルス量が何桁あるかで見るようになっています。3万というと、3×104(10の4乗)ということで、私のHAART以前のウイルス量は「104(10の4乗)」という風に言われます。

 FUZEONの硬結によってHAARTを中断する直前の9月20日、ちょうどHAARTを開始して2週間くらいのところで、一度HIVのウイルス量を検査に出していました。この時点でどれくらいウイルス量が減っているかで、薬が効くかどうかの予測もできます。この結果が昨日返ってきまして、それが上の写真なのですが、見事、検出感度以下、400以下になっていました!
 大体、耐性ウイルスをもっていないHIV患者が、現在一番強いと言われているカレトラ(ロピナビル・リトナビル)を含めた3剤の治療を開始すると、2週間でこれくらいの結果になるそうですが、私のように耐性ウイルスだらけの体では、通常2週間でここまで下がることはあまり期待できません。そのため、医師もウイルス量の検査で、高感度検査という50まで測れるものと、通常検査の400まで測れるものの2種類があるのですが、まさかここまでは下がらんだろうということで、通常検査で出していました(写真でLT 400=Limit 400と書いてありますね)。
 400以下、いくつまで下がっていたかはわかりませんが、仮にウイルス量が400だったとしても、400は4×102(10の2乗)ということで、104(10の4乗)から見るとウイルス量は2桁(2log:2ログ)下がっていたということです。
 これが何を意味するかというと、
このHAARTを再開した際、耐性ウイルスができていなければかなりの効果が期待できるということです。FUZEONとPrezista、ノービア、ツルバダ、バンザイです。FUZEONに関しては多少腫れてても許してやります。
 ということで、ますます今の時期に耐性を作らないことが重要になってきました。HAART中断で血中のウイルス量が大きく増えてしまう前に、なるべく早くHAARTを再開できるよう、今は硬結の場所を必死で冷やしています。がんばりまーす。




注1:HIV感染とエイズ発症の違い

 HIV感染とエイズ発症は違います。HIV感染とは、簡単にいえばエイズウイルス(HIV)には感染しているが、まだ症状が出ていない状態を指します。それに対しエイズ発症は、23の指定された日和見感染症のいずれかを発症している状態を指します。この日和見感染症は、大体CD4の量が200を切ると(通常の人は大体600以上あります)発症する可能性が高くなります。今は薬も進化し、エイズを発症しても治療によって大分回復させることもできるようになってきましたが、脳症などを起こすと致命的な結果になることがあります。
 すべてのHIV感染者がエイズ発症するわけではなく、最近ではきちんとした治療(HAART)によってエイズ発症を遅らせることができるようになりました。また、時折、無治療のHIV感染者の中に、血中のウイルス量が低く、ほとんどCD4の量が下がらない人もいます。このような人は long term surviver、long term non-progressor と呼ばれ、彼らは長い期間を無症候で過ごしています。

 ちなみに私sunburst2006の場合、CD4が200を切ってすでに10年以上経つのですが、日和見感染症を起こしていません。これはかなり珍しいことであり、long term surviver、long term non-progressor とも違いますが、まさに幸運の糸を織りなすようにして生きのびてきたのだと思います。
 私は、人間、気合いさえ入っていれば何とかなるもんだと思っています。みなさん、どんな状況だってあきらめちゃダメですよ。


悩みは笑い飛ばせ!

2006年09月28日 19時14分47秒 | 私の原点

 以前の記事 個室に移りました で、

「まあ笑い事ではないんですが、今までもこうやって笑い話にして乗り切ってきましたので、みなさん引かないでくださいね。なにせ『あちらこちら命がけ』ですから(笑)」

と書きましたが、私がこんなふうになったのには、一つ大きなきっかけがありました。今日はそのお話を。





 それは私が二十歳を過ぎた頃のこと。何か得体のしれない不安にかられ、立ち上がれなかったことがあります。病気のこと、将来のこと、日々の生活のことなど、考え出したら次々にあふれてしまって、心の置き場所がありませんでした。
 自分の足場が揺らいでいるような不安感。何か自分が、大きくて柔らかいゴムボールの上に立っているようで、必死でバランスを取る日々。どこに体重をかけたらいいのかわからない、もうそろそろ落ちそうだ、そんな状態だったと思います。


 その頃には、すでに何人かの友人や、サークルの先輩たちなどに自分がHIV感染していることを話していました。そして、その中に一人、よく話をする人がいました。
 この人は大学から家が遠かったため、大学の近くに一人暮らしをしている私の家に、年の半分以上は寝泊まりしているような人でした。あ、ちなみに、これは私にとっては悲しいことなのですが、その人は男性です。残念ながらここで色っぽい話はありません。

 その人は家に帰ると大体いるわけで、
今日はいないなと思っていたのに、押し入れを開けたらその中で寝ていた!時は「のわあ!」と叫びました。
 一人暮らしなのに「ただいま」を言う相手がいる。低く野太い声で「おかえり」と言ってくれる人がいる。おかしな話です。ここでは仮に、その人のことを「ホニャえもん」と呼ぶことにします。

 
 そんなある日。その日は、家に帰ると珍しく一人でした。普段はホニャえもんを含め、何人かが寝泊まりしているような家で、ひどいときは6畳間に10人が寝ていたことがあるような部屋でしたが(それは凄惨な光景です)、押し入れの中を見ても誰もいませんでした。


 一人になり、あれこれ考えていたら、涙が止まらなくなりました。


 いつも誰かがいたので、そこまでがんばれていたんだと思います。
 誰もいない部屋では、私は泣くことしかできませんでした。

 それで、私は「ホニャえもん」に電話をしました。泣きながら「自分の存在の足場すら揺らぐようで、つらいです」と話しました。
 全部を聞いてくれた「ホニャえもん」は一言、大きな声でこう言いました。


 
「うん、笑い飛ばせ。がっはっは!」


 あまりのことに、ついつられて笑いました。
 悩んで悩んでどうしようもなく、存在すら揺らぐようでつらいと泣きながら話す重病人の私に、笑い飛ばせと言って大声で笑うとは、正気の沙汰ではありません。あり得ないにもほどがあります。
 こう言えてしまうホニャえもんは大物だと思います。逆の立場だったら、きっと私にはこんなことは言えないでしょう。たぶん何も言葉が出てこないか、有り体な励ましを口にするかだと思います。

 でも、ホニャえもんは大声で笑いました。
 そして、私もつられて笑いました。

 ホニャえもんは、ちょっと不謹慎な人ですが、無責任な人ではありません。私の話を聞きながら、はたして病気でもなく、人生経験も大して変わらない自分が何を言ってあげられるのだろうかと、ずっと考えていたんだと思います。そして、笑わすしかないという(一見、無謀な)結論にたどり着いたんじゃないかと感じました。その時の声は、そういう声でした。

 笑わせてくれる人がいれば、人間はどんな時にも笑えるんだと感じました。この状態で笑えたというのは、私にとってとても大きなことでした。そう思ったら、あ、悩んだときは笑っちゃえばいいんだと、ふと閃きました。

 今でも悩みはたくさんあります。それは私を苦しめ、力を奪おうとします。

 でも、悩みと同じ土俵で戦ってはいけないんだと思います。私を苦しめようとする悩みのいる場所に、下りていってはいけない。人は悩むとき、実は自分で穴を掘って、自分からその中に下りていって、出られないと嘆くのではないでしょうか。実は自分から悩もうとしているから、立ち上がれなくなってしまうのではないでしょうか。

 悩みは笑い飛ばせ!

 もちろん、悩むたび、毎回それができるわけではありません。私も、今でも落ち込みの激しいときもあります。一ヶ月くらい落ち込んだりして、でも最後に、人間はどんなときでも笑えるんだということを思い出し、そこからまた立ち上がってきました。 これが私の原点の一つです。ここから、何でも笑い話にしてしまう今の人格が形成されていったのです。



注:ここに書かれていることは非常に個人的なことがらです。またsunburst2006とホニャえもんがともにちょっと不謹慎で、おかしな人であったから成立しえた一種の僥倖です。あなたがここに書かれていることを参考にして、人間関係を修復不能な状態にしてしまったり、誰かを深く傷付けたとしても、私sunburst2006は責任をもてませんのでご注意ください(笑)。


学生さん

2006年09月27日 19時12分14秒 | 日常

 こんにちは。sunburst2006です。
 体調自体は昨日とあまり変わらず、ただ、ちょっと微熱(37.5℃)があります。テンションが高いからでしょうか?

 さてさて、今週は病棟に看護学生さんたちが実習で来ています。学生さんたちはみな最終学年、国家試験に受かれば4月から晴れてナースとして働くことになります。最近は、男性も増えてきましたね。

 学生さんたちは、午前中、入院している人の血圧を測ったり、病状を聞いたり、病棟の看護師さんに付き添われて実際の看護師さんの仕事の一部を経験します。それで、これが終われば学校でレポートを提出したりするようです。レポートって懐かしいですね。まあ私は文系で、大学はほとんど遊んでいたようなものですが(おかげで4年では出られませんでした)。

 そして午後、私は何人かの学生さんたちと、病気のことを中心にこれまでのことなど、実際にお話をさせてもらいました。HIV告知を受けたときのことや、薬の飲み忘れを防ぐ工夫、仕事のこと、いくつかお話をする中で、自分でも自分を振り返るいいきっかけになったと思います。

 その中で思ったのは、やはり私は恩師や多くの友人に支えられてここまで来たんだということでした。悩んだとき、一人で解決できたことなんてありませんでした。大変なとき、いつも誰かが話を聞いてくれました。そして、いっしょに悩んでくれました。全ては人がいてくれたからだと、今さらながら実感した次第です。

 このブログを開設したきっかけも、実はその辺りのこととも関係があります。

 多くのHIV感染者にとって、やはり他人に自分の病気のことを話すというのは、とても勇気のいることだと思います。私の場合、良い人たちに恵まれて、自然に多くの人に相談することができましたが(大学以降、ほとんどの友人が私の病気のことを知っています)、こういうケースはきわめてまれなことだと思います。
 悩みを一人で抱え込むのは、とてもしんどいことです。私の場合、一人で悩むと大抵ダメなことしか考えられませんので「電話をする」のが勝負です。私は、悩んだとき、誰かに電話をできたら勝ちです。
 でも、世の中にはなかなか他人に相談できない人もいるわけです。じゃあそんな人が見て、相談できないまでも何かの力になるようなページがあればいいんじゃないか、そんな気持ちで自分のことを書いてみようかなと思ったわけです。

 FUZEONについては硬結が治るまで待つしかありませんので、明日以降、大学時代に自分が先輩に相談したときのことなど、いくつか思い出話を書いてみようかなと思っております。実習の学生さんの初々しさに触れ、自分が学生の頃のことを思い出してしまいました。


経過報告

2006年09月26日 17時57分06秒 | FUZEON(T-20)体験記

 こんにちは。暑さ寒さも彼岸までと申しますが、熱さが止まらないsunburst2006です。がおー。

 昨日の記事にメールやコメントをいただいた皆さま、ありがとうございます。昨日は自身に気合いを入れる意味も込めて書きました。がんばりますよー。


 さてさて、今日は経過報告と最近の治療のまとめをば。


 いろんな記事でぐちゃぐちゃになっているので、まずは今回の治療を時系列で整理します。

9月5日  FUZEON(T-20)、Prezista、ノービア、ツルバダによる抗HIV治療(HAART)開始
       FUZEONの硬結はあるが、それほどひどいものではない。
9月11日 かゆみ・湿疹(全身)出現、デルモベートという塗り薬を塗る
9月12日 そろそろ打つ場所が2回目になる。最初に打ってから1週間くらい開けて同じ場所に打つが、2度目に打った場所の硬結・痛みの方がひどい。
9月13日 アレルギーを止めるため夜・プレドニン3錠開始(15日夜まで、朝夜3錠ずつ)
       →湿疹は大分治まるも、かゆみは消えず。
9月17日 湿疹が復活傾向、デルモベートを塗って様子をみる
9月18日 ブログ開設(^^;
9月19日 湿疹がさらに悪化、微熱傾向(37.5℃程度)
9月20日 プレドニン朝6錠開始(22日朝まで)
9月22日 注射を打つ場所が無くなり、HAART中断(全ての抗HIV薬剤を中止)
       硬結部分にドレニゾンテープを貼り、冷やす作戦開始
9月24日 硬結部分の痛みが引き始め、少し眠れるように
9月25日 かゆみと湿疹が復活傾向(両腕、両大腿部)

と、大体このような感じですね。ちなみにこのブログは、最終的には多くの医療関係者にも参考として見てもらえるようにとの考えから、病状をなるべく詳細に書いています。専門的な話になると少し読みづらい箇所もあるかと思いますが、バカ話も入れながらやっていくので、よろしくお願いします。「カルテブログ」という新境地を開きたいと思っております(笑)。

 さて、まずFUZEONの硬結についてですが、一度打った場所を一週間くらい休ませて、もう一度打った場所の方が痛みや腫れはひどいように思います。なお、以前の記事で硬結をたんこぶみたいだと書きましたが、私の感覚では硬結は内出血ではなさそうだと思っています。私の場合、内出血であれば拍動痛(脈が触れるときに痛い)があるのですが、FUZEONの硬結では痛みの種類が違うような気がします。やはり何か皮下組織が荒れて固まっているような、痛みに強弱が無くて常に痛い感じです。
 硬結部分に見られる他の症状としては、発赤(打った翌日にでることもあります。大抵三日くらいで引いてきます)、熱感、痛みがあり、まれに硬結の上に湿疹ができることもあります(全身に湿疹が出ていましたので、硬結との関係があるかは不明です)。


 次に湿疹についてですが、9月5日に薬剤を始める前から少しかゆみはあって、それは毛穴が赤黒く少しかゆいようなものだったのですが、11日以降、じんましんのような、1mmくらいのポツポツとした湿疹が出始めました。
 11日以降の湿疹は、時期的に考えて多分薬のアレルギーだろうという感じです。本来アレルギーがでた薬は使わないというのが鉄則ですが、私の場合は他に使える薬もありませんので、プレドニンというアレルギーや炎症を抑えるすごく強い薬を短期投与して、HAARTを続行しました。プレドニンは副作用も強いので、あまり長く使えないため、始めは3錠を4回使いました。
 それで湿疹も一時は大分収まったのですが、プレドニンをやめて少しするとかゆみが強くなり、湿疹も出始めました。さらには少し微熱っぽい傾向もあったため、もう一度プレドニンの投与を開始。今度は朝6錠で3日間続けました。その後も減らしながらプレドニンを使おうかと言っていたのですが、注射を打つ場所がなくなりHAARTを中断したため、プレドニンも中止したという感じです。

 それで今は、
 ドレニゾンテープを貼り、 アイスノンで冷やす で硬結が治るのを待っているわけですが、痛みは大分良くなってきました。でも、まだ普通に歩くと痛くて、右足を引きずるようにして歩いています。あとかゆみがまた出てきて、両腕と両大腿が特にかゆいです。湿疹の写真はこちら→ 右上腕のポツポツとした湿疹

 もうちょっとかゆみが強くなったら、かゆみ止めをもらうかどうか考えようと思います。

 痛いのかゆいの、飛んでけー。


五年半待ったんだ!

2006年09月25日 10時52分42秒 | 私の原点
 9月22日、金曜日の朝からHAART治療(私の場合はFUZEON,Prezista,ノービア、ツルバダによる抗HIV治療)を中断して、今日で4日目。少しかゆみと、小さい湿疹がでてきた。
 HAART治療開始直後から、薬疹のような湿疹が体にでき、かゆみが強かったため、プレドニンというアレルギーを抑える飲み薬を使ったり止めたりしながらやってきた。きっと、FUZEONかPrezistaかの薬疹ではないかと思っていた。
 金曜日にFUZEONを含めたHAART治療を止めるため、プレドニンも切った。薬剤を使わなければ、湿疹は出ないだろうということで。

 そして、今日、少しかゆい。

 残っていた湿疹がでてきたのか。もしくは体内に薬剤が残っているのか。
 湿疹自体が薬剤と関係ない可能性も大きく、これは1つの仮説に過ぎない。しかし、つい考えてしまうのが、このようなことだ。
 例えばFUZEONが硬結を起こしている場所に残っているとして、薬を止めてもじわじわと体内にしみ出し、体を回っているとする。前に書いたように、効き目の弱い薬を単剤で使っていると、HIVのウイルスは耐性化することがある。耐性化すれば、その薬は二度と効かなくなってしまう。
 また、FUZEONは耐性化するのがかなり早く、一週間単位で耐性化する可能性もあると言われている。 もしこのような状態であるなら、ウイルスの耐性化のことを考えると怖い。
 
 私は五年半ほど前、ある医師から「このまま何の治療もしなければ、一年後の生存を保証できない」と言われた。
 それから五年半、私は薬を待ち続けた。

 五年半、徐々に悪くなっていく検査結果と向き合いながら、できることを全てやってきた。それでも、今年の初めには体調を崩して、二月から今まで、入退院を繰り返している。

 肝臓と免疫が特に悪い。

 肝臓の調子を表わすAST(GOT)、ALT(GPT)という数字があるのだが、これはそれぞれ30以下、60以下くらいが正常範囲。私は、今年の初め、この数値が300を越えたり越えなかったりというところまできてしまった。HAART開始前は、ありとあらゆる肝臓の治療をし、やっと150近くまできたが、正常範囲はまだ遠い。
 また、造血器官がやられているのか、白血球は1000台に減り、CD4という免疫細胞は1桁、貧血の所見も見られた。

 そんななか、この薬が届いた。
 ある医師は「よくここまで耐えた。薬が間に合ったぞ」と言った。

 この薬を使って2週間、肝臓の数値は70近くまで落ちた。これなら正常範囲も見えるかと、喜んだ。
 白血球は、倍くらいに増えた。貧血の程度も改善した。

 五年半、ウイルスの総攻撃を受けながら、この体はよく戦ってきた。一日も休まず、泣き言も言わず、防戦一方の戦いを見事にしのぎきってきた。
 9月5日、薬の援軍を得て、体は反転攻勢を開始した。どこにそんな力があったのか。驚異的な回復を見せた。細胞の1つ1つが、全てが全力だった。

 来る日も来る日も、圧倒的な戦力差をしのぎきってくれた体。薬が来た瞬間に、爆発的な力を見せてくれたこの体。体の声が聞こえるようだ。

  「まだまだ戦える。甘く見てもらっちゃ困る」

 そして今、抗HIV治療は中断された。しかし、五年半を耐え抜いた体のことを考えたら、負けるわけにはいかない。耐性ウイルスを作らせるわけにはいかない。




 私には、ありがたい恩師がいる。恩師は、常に私を励まし続けてくれている。私がもう死んでしまいたいと思っていたときには、生きろと叫んでくれた。その叫びは、私の心を震わせた。私の体を揺さぶった。
 そして、私の恩師は、私にこう教えてくれた。

 「戦いは、気迫で決まる! 臆すな! ひるむな!」

 私は、恩師が放ってくれた、強くあたたかな光を、烈々たる気迫を、生涯忘れることはない。恩師への恩を返したい、今度は自分が強くあたたかな光を放つ人間になっていきたい、そう思って私はsunburst2006と名乗り、このブログを開設した。

 これだけありがたい恩師がいて、しぶとい体がついている。さらには多くの仲間がいる。

 弱気になる必要がどこにある?
 希望を捨てる必要がどこにある?

 私は、今の体の硬結を治し、もう一度治療を再開する。そして、必ず勝つ。大丈夫だ。全く、負ける気がしねえ。

   sunburst2006

試しに実践_FUZEON(T-20)の硬結を治そう

2006年09月23日 21時40分10秒 | FUZEON(T-20)体験記
注:この記事でFUZEON(T-20)による硬結を治そうとして用いられている方法は、FUZEONの製薬会社から勧められている方法ではありません。また、臨床の現場で一定のコンセンサスが得られているものでもありません。あくまで私と医師が考え、とりあえずやってみようと思い立ち実践していることですので、あなたがこの方法を実践していかなる損害を受けようと、私sunburst2006は責任を持つことはできません。万が一、この記事を参考にする場合には必ず主治医等、専門家の方にご相談下さい。


 ということでまたまた長い前置きになってしまいました。sunburst2006です。
 昨日の日記でFUZEONを含めた抗HIV治療(HAART)を一時中断するということをお話ししましたが、再開するためにはFUZEONを打つ場所の硬結を治さなければいけません。
 一番上の写真を見てほしいのですが、これが私の注射部位の硬結です(クリックすると少し大きくなります)。わかりづらいかも知れませんが、だいたい直径5cmくらいの、たんこぶのようなものです。皮下組織が硬くなり、表面は赤くなっています。しかも結構痛く、熱を持っています。
 今日現在、これくらいの硬結がお尻に4つ、お腹に1つあります。さらに、これよりもうちょっとちいさいくらいのものがお腹に3つ、さらにはほとんど痛みは無くなったけれど硬さだけが残っているものが両上腕に1つずつ、左太ももに1つ、おなかに2つくらいあります。

 これをまとめると

すげー痛い硬結   →5コ
ほどほどに痛い硬結→3コ
それほど痛くない硬結→5コ

な感じです。お尻とお腹の形がおかしいですよー。

 いや、ほんとに打つ場所がもうないですよね。痛くて眠れないですし・・・。
 上を向いて横になれず、寝るためには体の左側を下にして眠るしかありません。寝返りはもちろん打てません。
 座るのもお尻で硬結がない場所を探してそこに体重をかけて何とか座るという状態です。なのでいつも体が傾いていて、腰も痛くなってきました。
 あ、歩くのも大変です。筋肉が動くと痛くて・・・。

 それで毎日、どうせ眠れないならブログでも書こうと思い、こんな文章を垂れ流しているわけです。痛い話ばっかりで恐縮ですが、もうしばらくおつきあい下さい。

 それで先ほど書いたように、これらの硬結は熱を持っています。熱を持っているということは、中で炎症が起きている可能性があります。そこでまずはこの硬結を炎症としてとらえ、炎症を止めるためにできることとしてステロイドの貼り薬「ドレニゾンテープ」というのを試してみることにしました。これは、炎症やアレルギーを抑える薬が塗ってあるテープで、湿疹や皮膚炎などに用いられることがあるお薬だそうです。まずはこれを貼って様子をみようということになり、今硬結のある場所全てに貼っています。ただし、上腕は貼っていたらピリピリと刺激感がありました。薬の注意書きとして刺激感があったら使用を中止して医師に相談するよう書いてあったので、上腕部分のみテープをはがしました。

 さて、次に「熱をもっている」ということは、やはり冷やした方がよいのではないか? ということで、ドレニゾンテープを貼った上から、風邪の時とかに使う冷蔵庫で冷たく冷やして使う枕(アイスノン)を当てようということになりました。
 看護師さんにいろいろ考えてもらい、座った状態でお尻にアイスノンを二つあて(お腹は冷やすと下痢をするので、お尻だけ冷やしています)、その上から手術後の創部の保護に使う腹帯(私が使っているのはソフラビレイという商品です)で巻くという方法をとりました。
 腹帯はいくつかサイズがあり、私は一番大きなものを使っています。適度に伸縮性があり、アイスノンを二つ置いた状態で巻いて、しっかりと止めていてくれます。さあ、その完成写真が
 こちら なんですが・・・。

 ちょっと自分で見てもおかしいです。後ろ向きに座っている写真ですが、何を背負ってんだと。ああ、かっこ悪いなー。
 でも体を治すためには文句は言っていられません。かっこ悪くても体調は悪くなりませんしねー(涙)。

 ということで、私は今、こんな格好でこの記事を書いているのです(笑)。



 この「ドレニゾンテープを貼った上から冷やす」という方法で昨日からがんばっているのですが、今日は昨日より、少し痛みが引いてきました。硬結の感じや腫れの大きさも、場所によっては昨日よりはいいかなという感じです。
 硬結自体は改善傾向だとは思いますが、これは単に時間が経って良くなっているということなのかもしれません。ですから、この方法が正しくて良くなったとは言い切れません。ただ、あくまで現時点の私の体においてはですが、悪い兆候はみられないためもう少しこれを続けてみようと思います。しっかり治して、早く治療を再開できるようにがんばります。

重要なお知らせ

2006年09月22日 18時54分11秒 | FUZEON(T-20)体験記
記事 こりゃ大変(1)、(2)で、

「注射を打った場所を最低30分以上かけてよくもむ」

という趣旨の記述がありましたが、
この対処は間違っている可能性があります現在調査中ですが、ひとまず、その記事は全文をブログ上から緊急避難的に削除しました。詳しくは 抗HIV治療(HAART)を一時中断します をご参照ください。
また編集し直して投稿させていただきたいと思いますが、みなさまにはご迷惑をおかけして申し訳ありません。

  sunburst2006

抗HIV治療(HAART)を一時中断します

2006年09月22日 18時32分14秒 | FUZEON(T-20)体験記
 こんにちは。sunburst2006です。
 FUZEON(T-20)の硬結がひどく、もう注射を打つ場所がなくなってしまいました。そのため、FUZEON、Prezista、ノービア、ツルバダによる抗HIV治療(
HAARTコメント、補足の補足参照)を一時中断することとなりました。
 HIV治療において、効き目の強い薬を複数使い、ウイルスが薬に対して強くなるのを防ぐということが一番重要です。先ほど医師とも話し合い、FUZEONだけを止めてPrezista、ノービア、ツルバダを続けるという選択はさらに耐性ウイルスを増やす可能性があり、少し怖いという結論に至りました。
 しかし、もちろんここで全ての薬を一気に中断しても耐性化することはありますし、もしかしたらFUZEON以外の薬剤は使い続けた方がいいという可能性もある、という話も出ました。どちらがいいのかはわかりませんが、最終的に私と医師は全ての抗HIV薬を中断するという方針を選択しました。

 ただ、私はまだこの治療をあきらめてはいません。時期をみて、もう一度この組み合わせの
HAARTでチャレンジしたいと思います。あくまで「一時中断」です。

 FUZEONの副作用である注射部位の硬結が私で特にひどいのは、何か理由があるのかも知れません。

 FUZEONを打ったあとはよくもむというお話をしていましたが、もう一度その情報源に当たってみると、少しニュアンスが違うかも知れません。この「もむ」という話は、実はこの薬を作っている製薬会社のホームページや、薬の添付文書には記載されておりません。それは、Lippincott Williams & Wilkinsという会社が出版する、HIV・AIDS治療の最新の研究論文が多く載る「AIDS」という雑誌から見つけたものです。
 この「AIDS」は、現代のHIV・AIDS治療において最もよく読まれ、参考にされていると言ってもよいくらいの出版物で、多くの文献のなかでも、臨床や研究の現場での引用率も高いものです。医師は「だいたい、HIV治療の先端を調べるには、日本の医者もこの雑誌を読む」と言っていました。
 長い前置きになりましたが、この雑誌にFUZEONのことが載ったのは、2004年のこと。その文章は
 「AIDS: Volume 18(8) 21 May 2004 pp 1137-1146」 で読むことができます。タイトルは
"Clinical management of treatment-experienced, HIV-infected patients with the fusion inhibitor enfuvirtide: consensus recommendations"
「フュージョン阻害薬であるenfuvirtide(FUZEONのこと)による、HIV感染者への治療経験に基づく臨床管理:薦められる統一見解」くらいの訳でしょうか(注:ちなみに、私は英語力に自信が無く、訳のミスがあるかも知れません。上記の訳も、これから書く訳も、訳のみで判断されず、ご自身で引用元を調べた上でお読み下さい。私の訳が間違っていたことによってあなたがいかなる損害も受けても、私はそのことに責任を取ることができません)

 なお、このサイトをご覧の方で英語の堪能な方がいらっしゃいましたら、ご意見をいただければ幸いです。その上で訳文をいただけたりすると嬉しいのですが・・・。(→9月23日、20時10分追記 読者の方から緑の字の部分の全訳をいただきました。ありがとうございます!)

 さて、この記事によると、雑誌では1141ページ(サイト上では下にスクロールして真ん中あたり)にこのような記述があります。

-------ここから引用--------
The precise nature of ISRs is still under investigation, though histologically they resemble localized hypersensitivity reactions [37]. Good injection technique (including aseptic technique) in conjunction with rotating injection sites, as outlined in Table 1, may be the most effective way to minimize their incidence and severity, as well as the incidence of associated events, including infections. Conversely, poor technique that leads to intramuscular administration or injecting too rapidly may elevate ISR incidence.
-------ここまで引用--------

 ISRというのは injection site reaction で、「注射部位の反応」つまり硬結や痛みなどの症状をさすものと思われます。
 えー、体は痛いし長いので全文を訳す気力はありませんが、かいつまむと「注射部位の反応についてはいまだ調査中ですが、それらの良くない反応を最小にするための方法として Table 1 として概要をまとめました」くらいでしょうか? そしてTable 1 をクリックするとその表が拡大表示され、そこには"Other interventions for ISR"(注射部位の反応に介入する他の方法)として、このような記述があります。

-------ここから引用--------
Other interventions for ISR

Gentle manual massage after every injection
Wear loose clothing to avoid irritating sore areas
Divide injection between two different sites

-------ここまで引用--------

 つまり、
「毎回、注射後には手でやさしくマッサージすること
 痛いところををひりひりさせることを避けるため、ゆるい服を着る
 注射を2カ所にわけて刺す」

くらいのことが示されます。しかし、本文
 「AIDS: Volume 18(8) 21 May 2004 pp 1137-1146」  に戻り、Table 1 に続く文章を読むと、こうあります。

-------ここから引用--------
A number of specific interventions, such as post-injection massage of the injection site, have been reported to ameliorate these reactions in some patients. However, specific recommendations are difficult at this time. A basic outline of good ENF injection technique, and various interventions which may alleviate some of the most common injection-related problems, is shown in Table 1. Warning signs for rare but potentially serious ISRs and incipient infections are also listed.
-------ここまで引用--------
 
 本文中、ENFはenfuvirtide、つまりFUZEONのことをさします。つまり、概要は「何人かの患者で注射後のマッサージがひどい反応を改善するという多数
(注:もしくは若干? この辺りの数の感覚は、訳者である私にはうまくつかめません)の報告があるが、特別に何かを薦めるのは難しい。FUZEONの注射の技術や、様々な介入として、基本的な概略をTable 1に示した」というようなことのようです。

 ということで、もむというのも「やさしくもむ」であり、どのくらいの時間もめばいいとか、もむ強さの感覚とか、その辺りの具体的なことは一切書かれていないわけです。また、それがすべての人に良いのかどうかもいまだ調査中のようです。ということで、実際に自分で試し、自分に一番合うやり方を、それぞれが探すしかないようです。私の場合も、もみ方はよかったけれど体質が薬に合わなかったという可能性もあり、実際の所は分からないのが現状です。


 最初に書いたように、私はもう一度この治療に挑戦します。そのために、今はまずボロボロになった皮下を休め、もう一度違ったやり方(強くもまない、やさしくさするようにしてみる、毎回2カ所に分けて注射する等)を試してみようと思います。正直言って、治療中断によるウイルスの耐性化への恐怖はありますが、この治療を成功させるとの強い意志をもって、積極的な「一時中断」をしていると思っていただければ幸いです。

 私は、意志の力が道を開くと信じています。

個室に移りました

2006年09月21日 18時26分26秒 | 日常
 こんにちは。sunburst2006です。
 今日はFUZEONのお話はちょっとお休みということで。

 今、入院中なのですが、個室に移りました。
 低い確率ですが、おたふく風邪に感染している危険があるということで・・・。
 医師の話では「確率はかなり低いと思うけど、ゼロとは言い切れない」という感じです。
 まだ症状は出てなくて、特に変化はありません。本当に感染し、症状が出るとしたらたぶん1~3週間後くらいではないかとのことです。

 今は、とりあえず血液検査で大丈夫かどうか調べてもらい、その間個室に入ることになりました。
 大人がおたふく風邪にかかると、時に重症化することがあり、副睾丸炎や膵炎を起こすこともあるそうです。まあ、命に関わるようなことはほとんどないとのことですが。
 ただ、現在私の免疫力はかなり低い状態です。検査結果での免疫細胞の一つである
CD4の数は20前後で、1桁の時もあります。個人差もありますが、普通の人のCD4は600以上くらいあり、200を切るとHIV特有の様々な日和見感染症(これもまた項をあらためて詳しく書きます)を起こしやすくなります。
 私の場合、CD4が低すぎておたふく風邪の抗体が消えている可能性もあります。また、今プレドニンという薬を飲んでいるんですが、これの副作用に感染を起こしやすくするというものがありまして。これだけ条件がそろうと、細菌やウイルスにとっては目の前に丸裸で大の字に寝ているような状態で・・・。"Welcome! ようこそ!"みたいな(^^;
 まあ笑い事ではないんですが、今までもこうやって笑い話にして乗り切ってきましたので、みなさん引かないでくださいね。なにせ「あちらこちら命がけ」ですから(笑)。

 ただ、繰り返しますが、状況を考えれば感染の危険は低いとのこと。ただ免疫も低いし、あれこれ心配しちゃうだろうからということで、念のためという意味も込めての個室です。油断は禁物ですが、まずは冷静に検査結果を待ちたいと思います。
 いやほんと、いろいろ起こりますなあ。検査結果が出るまでちょっと時間がかかるみたいですが、また経過を報告しますのでよろしくお願いしますー。

こりゃ大変(3)_薬液の量が・・・

2006年09月20日 12時06分11秒 | FUZEON(T-20)体験記
 こんにちは。昨日の夜のFUZEONは針先が神経に触ってしまったり、皮内(皮膚の浅いところ。皮下と表皮の間。ここに入れるとちょー痛い。入れちゃダメ)に入ってしまったりで、結局4回注射を刺し直したsunburst2006です(泣)。もう皮膚がburstしそうです(-_-; でもがんばりまーすo(-_-)o

 気を取り直し、今日も引き続きFUZEON(T-20)のお話です。

 FUZEONは皮下注射で、皮膚の下の皮下脂肪の所に打つというお話は前にしましたが、血管注射とは違って薬液がすぐに体内には吸収されません。特にFUZEONは打った場所に残りやすいため、注射をしているときからじわじわと腫れてきたりします。

 上の写真を見てもらいたいんですが(写真の上で右クリック→「新しいウィンドウで開く」をクリックすると、ちょっと大きい写真が見られます)、これが一回に打つFUZEONの量、1mlです。大きさをわかりやすくと思って、下に15cmの定規を置いています。

 1mlと言うと少ないと思われるかも知れませんが、注射器に入れた状態で見ると結構な存在感があります。そして、これを皮下に入れるとなると、実際にはかなりの量です。
 このFUZEONを一回で皮下に注入するわけですが、一気に入れてしまうと後の痛みや硬結がひどくなるような気がします。そこで、私はゆっくり、2~3分かけて全部を注入するようにしています。お尻や背中側に近い腹部に打つときは、身体を結構ひねって打たなくてはいけないので、その姿勢を2~3分維持するのが大変です。もともと身体も固い上に病人で筋肉もあまりないので(笑)、たまにつりそうになります。本当につったら、そうとうきついでしょうねー。たぶん、また泣くと思います(T_T)
 しかも、身体をひねって打つような場所だと、打っている途中で針先が少しずつ抜けてきてしまい、昨日の夜のように皮内に入ってしまうことも。こうなると本当に痛いです。で、そのまま注射を続けてはいけないので、ちょっとつまんでもう少し奥の皮下に入れるか、他の場所に刺し直すかということになります。私の場合はすげー痛い場所をつまんでさらに奥に刺し込む度胸もなく、皮内に入ったら抜いてしまいます。それで、他の所にもう一回打つという感じですね。
 また、30Gという非常に細い針(眼科で使うような針です)を使っているので、気付かないうちに指先の角度が少しずれて、針先がしなってしまってしまうこともあります。これもちょっと痛いですねー。

 ちゃんと打てた場合には、打つ場所にもよりますが、だいたい0.5mlを過ぎたあたりから痛みがきつくなってきます。あまりに痛みが強いときは、一回針を抜いて、残りの薬剤は別の場所に打つときもあります。本当は一カ所に入れた方がいいんでしょうし、2カ所に打っていいもんなのかどうかもわかりませんが、私の場合はまず全量を身体に入れることを優先して、このようにしています。

 2006年9月22日 18時43分追記
 私は、こうして打ったところを30分以上もみ、痛い日はだいたい1時間、その後も気付いたら打った場所をさするようにしていたのですが、その方法はもしかしたら間違った対処だったのかもしれません。詳しくは 抗HIV治療(HAART)を一時中断します をご覧下さい。

検査データ(CD4、ウイルス量、肝機能)

2006年09月19日 00時10分03秒 | 用語集
1.CD4数

 CD4は白血球の種類の1つで、細菌やウイルスを攻撃する命令を出し、免疫全体を調整している。免疫の司令塔とも言われる。正しくはCD4陽性リンパ球と言い、数は多いほど良いとされる(通常700~1500程度)。
 HIVは主にこのCD4陽性リンパ球に侵入、内部でウイルスが複製されるとCD4は壊されてしまう。
 HIV感染者が無治療でいるとCD4はどんどん壊され、200を切ると、日和見感染症というHIVに特有の症状を引き起こす確率が高まる。

2.HIVウイルス量

 血漿1ml中にエイズウイルスがどれだけいるかを表わす。低い方が良い。検査データの誤差が大きく、例えば1万と2万でも誤差範囲のことがあり、2万は「2×104(10の4乗)」と呼び、この「○乗」が増減した場合にウイルス量が増えた、減ったという判断をすることができる。
 感染後6ヶ月を過ぎた頃からHIVのウイルス量は大体一定の値を示すようになり、この時点をセットポイントと呼ぶ。セットポイントの時点でのウイルス量が高いほど、病気の進行するスピードも速いといわれる。
 このHIVウイルス量を抑えることが最近の抗HIV治療(HAART)の目的。治療中は検出限界以下(50以下)を目指し、これが達成されれば耐性ウイルスの出現を抑え、免疫状態の悪化を防ぐことができると言われている。なお、検出限界以下の場合、データ表には"UD"(undetectable)と記される。

 
3.GOT(AST)

  GPT(ALT)

 それぞれ肝臓の細胞に含まれる酵素のこと。ウイルス性肝炎などで肝臓が攻撃され肝細胞が壊されると、これらの酵素も血中に流れてきて検査結果が上がる。つまり、これらの数値が高いほど肝臓が壊されていると言うことで、低く抑えるのが良い(正常値についてはいくつかの意見があるが、それぞれ35以下、30以下くらいが望ましい)。
 HIV(エイズウイルス)とHCV(C型肝炎ウイルス)の両方に感染している重複感染者の場合、C型肝炎だけの人よりも肝炎の進行が速く、特にこれらの肝機能を表わす数値に注意が必要。現に、日本感染症学会は2006年1月26日、厚生労働省健康局疾病対策課からの報告の下、ホームページ上で

また,HIVに対する治療方法の進歩に伴い,HIV・HCV重複感染者の死因の約半数が,非AIDS関連死であり,特にその多くをHCVによる肝硬変が占めているとの報告があります.

という情報を示し、早期の肝臓治療の必要性を訴えている。
(日本感染症学会の該当ページはこちらをクリック)

 HIVとC型肝炎の重複感染の場合、GOT(AST)、GPT(ALT)が100を越えている場合、肝臓治療を考慮する必要があると言われている。また、それより低い場合でも治療をしなければいけない場合もある。肝臓に負担をかける抗HIV治療を長く続けていくためにも、HIV感染者は肝臓の治療を最優先で行う必要がある。

 さらに、エイズ予防情報ネットホームページ には厚生労働科学研究班(エイズ対策研究事業 主任研究者:小池和彦東京大学医学部教授)が作成した「HIV・HCV重複感染時の診療ガイドライン」がある。詳しくはそちらも参照のこと


HAART

2006年09月19日 00時10分02秒 | 用語集

HAART(ハート:Highly Active Anti-retroviral Therapy

 数種類(通常3種類以上)の抗HIV薬を組み合わせて使う、強力な多剤併用療法のこと。プロテアーゼ阻害剤が開発された1996年ごろから試みられていて、現在のHIV治療において最も基本的な方法です。多剤併用という点で、カクテル療法などと言われることもあります。
 HAARTの目的は、血中のウイルス量を検出限界以下に抑えこみ、HIVの病態が進むのを遅らせることにあります。これによりエイズ発症を遅らせ、免疫機能を維持、回復させることが期待されます。

 ただし、HIV(エイズウイルス)は変異を起こしやすいウイルスで、中途半端な治療

(1)飲み忘れがある
(2)きちんと時間通りに服薬していない
(3)食後・食間などの指示を守っていない
(4)血中ウイルスを抑えきれていない、弱い薬の組み合わせでの治療 など

を行ってしまうと、その薬が効かないウイルス(薬剤耐性ウイルス)が生まれます。薬剤耐性ウイルスが生まれると、もうその時に使っていた薬は一生効かないことになります。耐性ウイルスの怖さは、それが一時的なものではなく、生涯にわたって薬が効かなくなるという点にあります。
 そのためHAARTを成功させるには、医療従事者はHAARTを行う人にこうしたHIVの性質(ちゃんと服薬しないと薬が効かなくなってしまうことなど)をきちんと説明し、生活リズムの中でどのように服薬をしていくかを話し合い、確実に服薬が行えるよう連携していくことが最も重要です。

 またHAARTを行う人は勝手な個人判断で薬を止めたり、下痢などの副作用がきついなどの理由で服薬をスキップするなどの行為は、絶対にやってはいけません。服薬を困難に感じた場合は必ず医療従事者に相談してください。勝手な個人判断は絶対にしないということがHIV治療における絶対のルールです。


 こうしたHAARTの登場により、HIV感染者やエイズ発症者の予後は大分改善されてきましたが、近年はHAARTの強い副作用が問題になってきています。
 使う薬にもよりますが、ひどい副作用としては

肝機能障害による脂肪肝、肝硬変など
腎機能障害による腎不全、人工透析の適応など
血糖値上昇による2型糖尿病の発病
乳酸アシドーシス
すい炎
徐脈(心臓不整脈)

などなど、いくつかの報告があります。
 ただし、現時点ではHIV治療としてはHAARTしか選択肢がありません。副作用を必要以上に恐れ、治療をせずにエイズ発症するというのもナンセンスです。

 薬の副作用は、早い時点で適切な対処をすれば、ほとんど大事にはなりません。また、耐性ウイルスを作っていなければ、いくつかの薬の組み合わせの中から、最も自分に適した薬を選ぶことができます。

 ですから現時点でとれる最善策は、採血などの定期検査で薬の副作用の状態を把握しながら、それぞれの体にあった薬の組み合わせを見つけてHAARTを行っていくということだと言われています。


より詳しく知りたい方へ参考となるWEBサイト

服薬支援研究班(HAART Support)
エイズ予防情報ネット(API-Net)
HIV感染症治療研究会


HIV感染とエイズ発症の違い

2006年09月19日 00時10分01秒 | 用語集
HIV感染とエイズ発症の違い

 HIV感染とエイズ発症は違います。HIV感染とは、簡単にいえばエイズウイルス(HIV)に感染しているけれど、まだ症状が出ていない状態を指します。それに対しエイズ発症は、23の指定された日和見感染症のいずれかを発症している状態を指します。エイズ発症は、大体CD4の量が200を切ると(通常の人は大体700以上あります)発症する可能性が高くなると言われています。今は薬も進化し、エイズ発症しても治療によって大分回復させることもできるようになってきましたが、症状を放置し対処が遅れると致命的な結果になることもあります。
 すべてのHIV感染者がエイズ発症するわけではなく、最近ではきちんとした抗HIV治療HAARTによってエイズ発症を遅らせることができるようになりました。また、時折、無治療のHIV感染者の中に、血中のウイルス量が低く、ほとんどCD4の量が下がらない人もいます。このような人は「long term surviver」、「long term non-progressor」などと呼ばれ、彼らは長い期間を無症候で過ごしています。

核酸系逆転写酵素阻害剤

2006年09月19日 00時01分50秒 | 用語集
核酸系逆転写酵素阻害剤

薬剤名

一般名 商品名 薬剤耐性でのアミノ酸変異部位
(一次変異=青数字、二次変異=赤数字)
AZT(ZDV) ジドブジン レトロビル 41 44 67 70 118 210 215 219
d4T サニルブジン ゼリット 41 44 65 67 70 118 210 215 219
3TC ラミブジン エピビル 65 184
FTC エムトリシタビン エムトリバ 65 184
TDF テノホビル ビリアード 65
ABC アバカビル ザイアジェン 65 74 115 184
ddI ジダノシン ヴァイデックス 65 74
ddC ザルシタビン ハイビッド 65 69 74 184
AZT /3TC ジドブジン /ラミブジン コンビビル
3TC /ABC ラミブジン /アバカビル エプジコム
FTC /TDF エムトリシタビン /テノホビル ツルバダ

注1
 TDFの耐性についてはまだ良くわかっておらず、65番の変異以外にもいくつかの要素がからみあっているようです。FTCに耐性を起こしていると、逆にTDFが効きやすくなると言われることもあります。私では判断がつきませんので、詳しい情報が知りたい方は専門家にお尋ねください。
注2 コンビビル、エプジコム、ツルバダは、一錠の中に2種類の薬剤を混ぜて作った合剤です。耐性についてはそれぞれの薬剤の欄を参照してください。