あちらこちら命がけ

血友病、HIV、B/C型肝炎等を抱えて生きる人のブログ。薬の体験記、海外の最新医療情報、サルベージ療法から日常雑感まで。

【観劇】劇団三年物語 最終公演『KIDS』

2007年09月20日 23時23分17秒 | こんな演劇、映画を観た

 劇団三年物語 最終公演『KIDS』2007/09/20~24、@新宿シアターサンモール

 こんばんは。sunburstです。
 本日、ついに劇団三年物語の最終公演、『KIDS』が始まりました! そして早速、今日の公演を観に行ってきました!

 思えば3年前、3年後にシアターサンモールをいっぱいにするという目標を掲げて旗揚げした三年物語。有言実行、ついにその日が来ました。
 今回のお芝居は「ああ、そう来ましたか!」と思うほど、前回とは全く毛色の違うストーリー。
 三年物語の売りである役者のキレと速い台詞回し、どっしりとした柱がある骨太の脚本はそのままに、極上のエンターテインメントになっています! 楽しい、本当に楽しいお芝居でした!

 三年物語は、今回の公演が最終公演です。今後の彼らがどんな活動をしていくのか、今はわかりません。だから、公演前はしんみりした気持ちもありました。彼らが全員集まってお芝居をするのはこれで最後になるかも知れないと思うと、公演が楽しみなような、その日が来てほしくないような。正直言って今日の昼間は、ついにこの日が来てしまったと思ったりもしていました。

 でも、最後にこんな公演をやられたら、変な感傷を抱えて観るのは失礼だなという気がしてきました。

 三年物語は、舞台上で全力で楽しんでいます。
 三年物語は、120%本気で僕らを楽しませにかかっています。
 これは、思いっきり楽しまねば本当のファンではないでしょう。
 余計なことを考えず、最終日まで、また何回も観に行きたいと思います!
 とにかく好きなことをやりきって、楽しんだ人が勝ちなんだ!


Vampire Hunterの楽日

2007年06月11日 23時23分51秒 | こんな演劇、映画を観た

 三年物語「Vampire Hunter」が行われた大塚・萬劇場

 こんばんは。sunburstです。
 本日、三年物語の「Vampire Hunter」の楽日(最終日)に行ってきました。

 結局、11日間連続の今公演は4回観に行きましたー(新記録)。いやー、面白かった! これだけ観ても飽きないってのはすごいですよー。


 楽日の今日は18時からの公演。これを観るためには、私の場合17時に仕事場を出なくてはなりません。そこで今日は

 17時になる
    ↓
 虚空を見上げて「あ、そうだ」と独り言を言って席を立つ
    ↓
 誰とも目を合わさず、ドアを開けて外に出る
    ↓
 ドアを閉めてダッシュ
    ↓
 携帯に着信があったので、電源OFF(笑)

という流れで(^^; 無事に公演に間に合いました。わーい、明日謝らなくちゃー。ごめんなさーい。


 しかし、結論から言いますが、今日は行って良かったです。
 もうお客様感謝デーといいますか、役者さんがみんなサービス精神旺盛なんですよ。疲れているだろうに、体もあちらこちら痛いだろうに。サロンパスの香りを振りまきながら(笑)、アドリブ満載。とにかく最後まで楽しませてくれました。感謝、感謝です。


 動員も目標の1700名を突破!ということで、次回9月公演の動員目標、2000名に向けて、またここからスタートですね。こちらも9月を楽しみに、また明日からもがんばりまーす。


馬渡さんのお芝居に行ってきました

2007年06月03日 23時22分24秒 | こんな演劇、映画を観た

 劇団三年物語『Vampire Hunter』2007/06/01~11、@大塚 萬スタジオ

 こんばんは。sunburstです。
 昨日、友だちと馬渡さんのお芝居を観に行ってきましたー。そう、あの『Vampire Hunter』の再演です! 5年ぶりです! これは観るしかないでしょう。通い詰めるしかないでしょう。

 劇の感想は公演最終日が終わってから書くつもりですが、ええ、昨日は素敵な時間を過ごせましたよ。まだ公演はいっぱいあるし、あと何回行けるかなあ。

 と、ここで「え? 同じ公演を何回も観るの?」と不思議に思われる方がいらっしゃるかも知れませんねー。そうなんです、何回も観るんですよー。

 何回か観ていくと、同じ公演でも一度として同じ芝居はなくて、一回一回芝居は育つものだと感じます。楽日(最終日)に向けてすくすくと育っていくお芝居を、その過程も含めて楽しんじゃうのです。特に今回はロングラン公演なので、時間をやりくりしてたくさん行きたいと思っています。ああ、素敵な一週間になりそうですー。

 *公演の詳細は をクリック

劇団三年物語

馬渡直子さんのこと

2007年05月26日 20時02分33秒 | こんな演劇、映画を観た

馬渡直子さん(女優:劇団三年物語 所属)
HP:
馬渡直子のホームページ

 

 私が馬渡さんのお芝居を初めて観たのは、今から5年ほど前のこと。それは当時、馬渡さんが所属していた劇団「Cretan Crete」の「Vampire Hunter」という公演でのことでした。

 馬渡さんのお芝居には、声には、強烈な引力がありました。

 きれいな女優さん、格好いい俳優さんはたくさんいます。でも舞台の上で全てを引きよせ再構築する力を持った役者さんは、そうそういるものではありません。馬渡さんは、そういう稀有な役者さんの一人です。

 馬渡さんが発した言葉は、馬渡さんの体を離れて宙に浮かび、そこに具体的な形を立ち上らせます。言霊という言い方がありますが、まさに馬渡さんに発せられた言葉は独立した力をもち、一つの世界を描き出すのです。

 私は客席から、舞台の上に広がっていく言葉の輪郭をつかまえようと目を凝らしました。一人の表現者が全身全霊で描き出す世界に触れたくて、じっと耳を澄ませました。


 舞台に、緊張が走ります。舞台の静と動が、馬渡さんとともにありました。


 馬渡さんの声が消えていく音が、聞こえたような気がします。張りつめ、凝縮された空気が、舞台から客席へと急速に広がっていきます。このリズムの中に、私も生かされていました。肌には粟が立ち、ああ、これは幸せだと思いました。無条件に、これは幸せだと思いました。


 2時間ほどの公演が終わり、人の波とともに外に出ました。たしか季節も、今ぐらいの時期だったと思います。街灯に照らされながら、夜を歩きました。涼やかな草木の水分を含んだ風を受けて、新鮮な空気をいっぱいに吸い込みました。

 当時、実は私は、精神的に結構まいっていました。大学を卒業したものの就職もできず、かといって何もできることもなく、ふとした瞬間に自分の生きる意味を考えてしまうような毎日でした。
 意味なんぞ考える前に、とにかく生きることが大事だと、そう頭ではわかっていたのですが、やはり心は縁に触れて揺れるもの。揺れる心を固く方向付けるのは、容易ではありません。

 公演の帰り道、馬渡さんの次のお芝居が楽しみだなと思いました。早く次の公演が観たいなと思いました。そう思ったら、明日もがんばれそうだと思えました。理屈ではなくて、心にあたたかな力が生まれていました。

 その日以来、馬渡さんは、私が最も応援している女優さんです。いつも真摯に物語と向き合い、素敵なお芝居を観せてくれて、ありがとうございます。毎回の公演を、とても楽しみにしています。

 

追伸:
 馬渡さんは女優さんですが、ホームページもすごいのです。
 なにがすごいのかって、まず日記がすごいのです。馬渡さんは詩人なのです。文章が素敵なのです。無敵なのです。
 そして「くろねこちゃんとしろねこちゃん」がすごいのです。まいった時はくろねこちゃんとお話をするのです。一時期ねこちゃんたちは旅に出ていたのですが、帰ってきてくれたのです。
 詳細は馬渡さんのホームページに行けばわかるのです。行かなければまるでわからないのです。あえて詳しい説明はしないのです(笑)。

馬渡直子のホームページ 
http://naoko-mawatari.jp/
(「くろねこちゃんとしろねこちゃん」は、上記のページから「Black or White」をポチっと)


三年物語『SIS(エスイズ) 僕の彼女は多重人格』

2007年03月06日 22時22分37秒 | こんな演劇、映画を観た

 三年物語が生み出す物語は、とてもやさしくて、強い。


 『SIS』は、多重人格(解離性同一性障害)の女の子とその彼の物語。みんなが彼女を治そうとし、なにより彼女自身が治ろうとする物語。

 彼女のトラウマを探る過程で、次々と明らかになる痛ましい事実。「かわいそう」という一言では済ますことなどできない過去。だから彼女には、多くの人格が必要だった。

 彼女は、彼に出会って幸せになりたいと願った。でも今、このままでは、彼女は真に幸せになることはできない。彼女の中の彼女たちは、勇気を持って一歩を踏み出すことにした。


 全ての起きたこと、起こしたことには意味があると、物語は叫んでいた。物語を司るふくろうは、確信の言葉を紡ぎ続ける。その確信が徐々に彼女たちに伝わっていったとき、すべてに意味が生まれていく。彼女の決してぶれない、幸せになりたいという意志が、物語を加速させる。

「あたしは今、幸せという名の”みゆき”になる!」

 この一言で、私の肌はざわついた。心の奥深くからの屹立した叫びは、彼女の、私の、凍りついた思いを解かしていく。これを観るために退院したんだと言ったって、全然過言じゃないぞと思った。



 だから、言っちゃうことにする。

 「うん、退院して良かったぞ!」