B
ねえ、お母さん
R
なあに、隆夫?
B
デカメロンってなーに?
R
「十日間物語」のことよ。
B
お母さんのことかと思ったよ。
R
あたしゃ松岡ちなじゃないよ!
B
ぶべらっ!ほめたのに・・・
R
あら、ごめんなさい。取り乱しちゃったわ。でも、メロンはともかく「デカ」は聞いたことがあるはずよ。
B
えー、ないよー。
R
水の分量の単位はなんていう?
B
リットル。
R
十分の一は?
B
デシリットル。
R
そう、deci liter。あと、あんたサッカー好きだったわよね?レアルが10回目のCLを制したことを何て呼んだか覚えてる?
B
確か「デシマ」じゃなかったっけ?
R
そう、decima。それで、「デカメロン」はdecameronでしょ。これ、元は同じなのよ。
B
でも、読み方違うじゃん。
R
あのね、読みなんて「お国」や地域、時代によって全然変わるものよ。それに同じ言葉の中でもスペルの読み方って違うの。たとえば英語のchristとCicagoが典型的よね。同じ言語の中でもc(h)をkで発音したりsで発音したりするわけだから。あと、あんたアーセナルのアンリが好きとか言ってなかったっけ?
B
まあどっちかというとベルカンプだけど、アンリも好きだよ。
R
あのアンリは、英語だとヘンリーになるのよ。hを発音するかしないかの違いだけど。
B
hの発音も違うの?
R
そう。歴史を英語でhistoryって言うけど、イストワールと発音する言語もあるわ。まあそういうのを知らずにいると、historyをhis-storyと勘違いして男中心主義だ!とか楽しい勘違いをしてしまったりするわけねwただ「伝統」の大事さを叫んだり、「昔は~だった」と言うのは頭が悪いけど、そういったものを批判していく側も隙を作らないように注意はしないと。まあそんな話をしてると、かりそめにもこんなジェンダーを感じさせる書き分けをしていることもどうなんだ!って怒られそうだけどなw
B
うーん、難しい話はよくわかんないや。まあでも読み方が少しづつ違ってもデカもデシもデシマも「10」を指すことはよくわかったよ。でもあんまりありがたみがないなあ・・・
R
そう?たとえばデカ以外の数字を4はテトラ、5はペンタ、6はヘキサ、7はヘプタ、8はオクト、9はノナ・・・とか色々あるけど、これ高校の化学とかで使うわよ。
B
そんな先のことを言われてもピンとこないよ・・・
R
海岸とかに置いてあるブロックみたいなやつの呼び名知ってる?
B
テトラポッドでしょ。
R
そう、あれは四つ足があるからそういう名称なのね。ではタコは英語で何ていう?
B
アイアムアボーイ!ジスイズアオクトパス!
R
ちょっと脳みそが変色してるみたいだけどまあオクトパスで合ってるわ。それでタコの足は何本?
B
8。
R
そう、だからオクトパス。あとはこの先習うだろうけど、アメリカ国防総省は建物が五角形であることからヘプタゴンで、イングランド七王国はヘプターキーとかね。色々応用できるわよ。
B
へえ、てゆうか今教えてくれた数字はなんなの?全然聞いたことないんだけど。
R
ああ、ギリシア語ね。でもこれ知っておくと結構すんなり頭に入るものもあるわよ。たとえば浜松町から羽田空港まで通っているのは?
B
東京モノレールだよね?
R
そう、モノレールって線路はいくつ?
B
一本じゃない?
R
だからmonorail。ついでに言えば独占はmonopolyで単調をmonotoneと言ったりするのもここからよね。また3のtriはthreeやtroisになっていることがわかりやすいと思うわ。(続く)
オクターブなんかもそうよね(^^)