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犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

宮本卯之助監修『神輿大全』

2018年10月31日 | 自画自賛

[あらすじ] 毎月、飼い犬の頭に手作りのお飾りを乗っけている。
なんのこっちゃ。
https://blog.goo.ne.jp/su-san43/c/193bf84a4bec26fc203b2548fb024cfa

さて十月はうっかりお神輿にしてしまった。
でも実際に作るとなると、どんな形だったっけ、ってことになる。
「神輿」で画像検索をすると、きらびやかな写真がたくさん見られた。

最初は、「箱に割り箸突っ込んでてっぺんに折り鶴でも乗っけとくか」
と、まことに安易に考えていた。

検索して見つかった写真の中に、本の表紙が有った。
本のタイトルはその名も『神輿大全』だ。
なんとまあ。
「基礎知識から、歴史・制作・保管・修繕までを網羅した決定版」とある。
「知られていない神輿の仕組み・制作面を細部まで徹底解明」と、
漆を塗ったり、階段の手すりを取り付けたり、屋根を削ったり、
金属の飾りを打ち出したり、なんじゃかわからん木組だったりの
写真が並んでいる。

調べたら、地元の図書館にちゃんと有った。
さっそく借りてみる。
監修の宮本卯之助氏は、浅草の神輿と太鼓の店の七代目だ。

神輿の部品を、それぞれの専門の職人が作っていく様が
たくさんの写真で紹介されている。
各部分の名称やその意味も分かる。

なんだろう。
それぞれの部分の名前や意味を知ってしまったら、
それが無くては神輿にならない、と思えてくる。

てっぺんはもちろん鳳凰。
私は胴体を発泡スチロールを削って半紙を貼ってその上から金箔を貼り、
脚は爪楊枝を刺し、足と蹴爪は厚紙を貼り、
尾羽は金色の折り紙を表裏貼り合わせて羽を打ち出して曲げ、
翼は厚紙に折り紙を貼り、頭は厚紙と金箔と折り紙と爪楊枝の総合だ。

屋根は漆塗りのイメージだ。
釣りに凝っていたら漆も持っていたところだが、
ここはただの黒の折り紙だ。
もっとツヤツヤした紙を探したが、意外に無かった。

屋根は、段ボールを曲線に切って縦に八方に向けて骨組とした。
その上に黒の折り紙を貼った。

屋根の四隅でくるんと巻いている部分を蕨手というのだそうで。
これは段ボールを半紙でくるみ更に両面を厚紙で補強した。
これで黒折り紙の屋根の対角線を固定する。

蕨手の上にも鳥が乗っていて、これを小鳥と呼ぶのだそうで。
小鳥は小鳥の型が有るようだが、ここも鳳凰の場合も有るらしい。
今回は(次回は無いが)燕にした。
一番最後に作ったので、金色の折り紙がもうこの分量しか残っていなかった。

屋根の縁に、吹き返しという物が付いている。
屋根の上に向かって賽銭やらお供えの餅やらを投げる風習が有ったが、
それが落っこちないように付けるようになったのだそうだ。
知ってしまったら、これも作りたくなる。

屋根の下は桝組になっている。
神輿は神社のミニチュアである。
神社建築そのままの技術が盛り込まれている。
さすがにここは簡略化。
厚紙を二枚づつ貼り合わせ、4段重ねた。

肝心の堂がかなり手抜き工事である。
理由は簡単。最後のほうで作ったから、もう息切れしていたのだ。
厚紙を四角に切っただけの戸を、正面だけに貼り付けてオワリ。

その下の一段上がっているところが腰桝。
これもただの箱。
理由は簡単。最初のほうで作ったから、まだ無計画だったのだ。

腰桝には柵が有る。勾欄という。
この擬宝珠を見ていたら、サイズ的にぴったりの物に気付いた。
これはもう爪楊枝しか無い。

腰桝に上がるための、階段が有る。これは階(きざはし)と雅に呼ぶ。
厚紙を貼り合わせてちゃんと作った。

その下の段にも柵が有る。囲垣という。
四方に鳥居が有る。
鳥居が小さ過ぎる。
階の擬宝珠がやっと入るくらいだ。
スケールが合っていない理由は簡単。
最初のほうで作ったから、無計画だったのだ。

老母が書置きをしている。
「ハンコの朱肉が足りません。」
いつもヘルパーさんに押してもらう印鑑の朱肉が薄れたのだろうか。
いや、ヘルパーさんからは何も言ってこない。
あ、さてはシャチハタのほうか。
と気付いてシャチハタを押してみると、確かに薄い。
ホームセンターへ行って、インクを買ってきた。
ほんの2㎝くらいの小さなチューブに入っているインクを、
シャチハタの中のスポンジに浸み込ませる。
インクは5本に小分けされている。
一本でも何年ももつのに、こんなに要らん、どうしよう。
というわけで、
鳥居はシャチハタのインクで塗った。

まだインクは余っている。
鳥居が小さ過ぎるのが不満だから、囲垣と鳥居だけ作り直そうか。

さて一番下は台輪という。
それに親棒を差し込む。
親棒は、私が普段使っている割り箸だ。
東京都桧原村産の杉材である。

『神輿大全』には、紐の掛け方も載っている。
鳳凰の足に掛け、交差させ、蕨手に絡め、
棒に掛けて絡めて戻って、蕨手に掛けて、紐房を垂らす。

紐房(タッセル)も、刺繍糸で自作した。

紐の途中に鈴を付ける。
細かい作業だが、もうすぐ完成だと思うとやる気が出る。



こういった部品をそれぞれちまちま作るのだが、
最後に劇的に組み立て上がる。
台輪・腰桝・堂は接着、桝組と屋根は接着、
鳳凰と足元の板だけを接着。
あとは、糊で付いていない。
組み上げて紐を掛けて完成させている。
およそ、本物に等しい工程だ。

これでしっかり組み上がっているのは、
この神輿が本物であるからだ。

何を言っているのかというと、この神輿、
ちゃんと中心に柱が通っている。
台輪から鳳凰の足元まで、一本の柱がぴったりと支えているのだ。
芯柱という。



そうそう、作人札という物も添えた。
小さい札なので、私の名前の「す」とプリンスのラブシンボルに合体させた
「すんぼる」マークを書いた。

やれやれ。
十月中に間に合って、良かった。



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