犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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移動革命

2023年09月22日 | 椰子の実の中

民放見逃し配信サイトTVerが、オリジナル番組を作って配信するということを始めている。
『TVerで学ぶ!最強の時間割〜若者に本気で伝えたい授業〜』

進行役は漫才コンビ・ラランドだ。
二人は上智大学のお笑いサークル出身だ。

上智大学は外国の情報もどんどん入ってくる所なので、
LGBTQだダイバーシティだといった事も、
日本で言われるようになる前から聞き知っており、
若いうちに触れることによって「あたりまえじゃん」と思えるようになっていた。
そういう意味で上智大学に通っていたことは良かったと思う。
と、
サーヤは以前MCを務めていたラジオ番組の
YouTube配信オマケ部分でそう語っていた。

日本の価値観だけに染まらないものの見方をできる、
そういう意味で私は割りとサーヤ氏に信頼を寄せている。



この番組に、デジタルアーキテクトなる職業の人が出演した。
将来を見極めて、今後必要になってくるだろう事物を商品として開発する、
そういう仕事らしい。
https://mdpr.jp/news/detail/3748207

私と同世代の人物である。
こういう人が時代をリードしていくのねー、と思う。

話の終盤で、産業革命について触れていた。
第一次産業つまり農業の革命が有って、
18世紀終わりには第二次産業の産業革命が有って、
第三次革命としては情報のIT革命が有った。

次に何が来ると思います?
と石田氏は問いかける。

次は、移動だ、という。

第一次革命と、第二次革命は、大衆に時間の余裕をもたらした。
しかし、IT革命で人々は情報を消費するようになり、
それに時間を取られるようになってしまったのだ。

たしかに若い層は「時短」(時間短縮)という言葉をよく使う。
コストパフォーマンスを略してコスパと言うように、
時短のことを「タイパ」と呼ぶ。
動画も一部分しか見なかったり、倍速再生したりする。

コロナ禍で移動の革命は既に起きている。
会いに行くのではなく、オンラインで会話ができる。

買い物に出るのではなく、ネットショッピングで事足りる。
そういう生活革命は私の身の上にもとっくに起きている。
街に出かけてウインドーショッピングしたり、
あっちの店こっちの店に寄って試着して回ったり、ということを
もう何年もしていない。

移動革命については、しかし、
何十年前から取り組まれていたとも思う。
ニュータウン構想がその失敗例だろう。

住宅地を郊外に造り、学校や公的機関も作ったのは良かったけれど、
職場が都心だったため、
壮絶な通勤ラッシュが発生してしまった。

十年くらい前から、
職場も含めた総合的な街づくりが各地で行われているようだ。
駅を中心として、「ここでなんでも完結する」という街だ。

しかし、どんなに「ここでなんでも完結する街」を目指しても、
なんでも有る街なんて作れっこないだろう。
秋葉原でしか売っていない、日暮里にしか無い、神保町、上野、新宿、
何かのテーマを持っていたら、そのための街が有る。

「ここでなんでも完結する街」は働きアリのコロニーのように私には思える。



10年くらい前だったか、
京王線が「京王ライナー」なる車両の運行を始めた。
停車駅は特急より少ない。
指定席である。
電源が取れる。

つまり、
帰り道に電車の座席でゆっくりパソコンをお使いなさい、
というサービスだ。
会社に残って仕事するよりは、残り40分くらいの仕事なら電車でする、とか、
帰りの電車の中でゆっくり動画視聴する、とか。

そして帰る先はまさに、
以前の試みであったニュータウンなんだろう。



話がまたちょとズレるけれど、
「歩きスマホ」はこの「移動」の問題だと思う。
マナーや公の場での安全の問題として語られがちだが、
それでは問題はきっと解決しない。

「移動」中の「時間」も惜しんでスマホをいじりたいのだ。
では社会としては「移動」の部分に梃入れするしか無いだろう。



「タイパ」なんてことが言われるようになると困るのは
音楽なんじゃないかな。

音楽は時間の芸術だから。
時短をしてしまったら、表現として成り立たなくなってしまう。



社会に巻き込まれる形で自分の生活が変わっていくのは腹立たしい。
しかし、乗り遅れている同世代(50代)を見るのはもっともどかしい。

波に乗り切って、社会の流れには逆らって、楽しんでやる。


つづく

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