[あらすじ] 母85歳、老健から退所。
週に一回の訪問看護も再開した。
以前からお世話になっている看護師さんが、連絡ノートに書置きをしておいてくれた。
「お久しぶりです。
部屋の模様がえ、すごいですね!」
でしょー。
そこに触れてくれたのは訪問看護Tさんだけですぅ。
ま、介護チームは担当者会議の議題としてベッドの移動を扱い、
自分たちで検討して決めた、という意識があることもあるだろう。
でもベッドひとつ動かすために、前もってすること山ほど有ったのよー。
※
老母の生活の中の動線のことばかり準備していて、
その間、自室はほったらかしていた。
二階に人がいないせいで、ネズミが来た。
廊下に置いていた米の袋をかじられた。
にゃろー。
ちょっと壁の向こうに足音が聞こえたら、箒の柄か何かで壁や天井を叩きまくった。
米を置いてある周りには、ネズミが嫌うというミントのオイルを撒きまくった。
そして、かじり事件直後に私が二階の生活に戻ったことも有り、
ネズミはいなくなったようだ。
※
自室にも本が増えて、生活スペースを圧迫している。
両親の本の処分に追われているというのに、私のこづかいの使い道の筆頭は、本だ。
アホか。
本の虫というのは、病だと思う。
遺伝性、と言いたいだろうが、ここは家族性という言葉を使いたい。
家族は社会の小さな単位だ。
そこに文化が有る。
文化というのは、偏りだ。
極端であれば、歪みと呼べるものも有るだろう。
本の虫という文化は家族性に受け継がれた病だと言いたい。
※
積読(つんどく)と言うか、これから読む本も既に読んだ本も、
本棚に収まりきらずに床から積み上げられている。
その積読の山がひと山だったのが二つ三つ五つ八つと増え、
そして標高も上がる。
これを本棚に収めよう。
組み立てていない本棚が一つ有るじゃないか。
と、
一つ本棚を組み立てて、その中へ山の本をどんどん詰め込んでみた。
が、本棚一つくらいでは収まらなかった。
本棚の周りは一向に片付かない。
その上、新しい本棚が在る。
※
以前より通りにくくなった部屋の入口を、さっと入る。
と、件の新しい本棚の角を、思いっきり蹴ってしまった。
特別に鋭利になっているわけでもないが、
木製の棚の角にぶつけた、足の小指の外側が、剥がれた。
靴の中で角質化してきた、小指の外側が、剥がれている。
最後のところは皮一枚で繋がっていて、ペラペラと足に残っている。
厚いところは2㎜くらいの厚さ、剥がれている。
剥がれてあらわになった部分を見ると、角質層の厚みが見える。
見ているうちに、血がにじんできた。
足の血行がこの頃良くないと思っていた。
にじんできた血は、どす黒かった。
あらちょうど良い瀉血になるわね。
とは言え、止血する。
寝っ転がって足を組み、剥がれた側の脚の膝の裏を、もう片方の膝頭で圧迫する。
こうすれば、ごろ寝しているだけで止血になるだろう。
すぐに血は止まった。
ちょっと足がしびれている。まあ、思いどおりだ。
※
靴を履くと、痛くて歩きにくい。
夏場は草履をよく履く。もともとそんなで、良かったと思う。
とっとと片付けを進めないと、
繰り返し本棚の角を蹴りかねない。
自分の動線もちゃんと考えてあげてください、自分。
週に一回の訪問看護も再開した。
以前からお世話になっている看護師さんが、連絡ノートに書置きをしておいてくれた。
「お久しぶりです。
部屋の模様がえ、すごいですね!」
でしょー。
そこに触れてくれたのは訪問看護Tさんだけですぅ。
ま、介護チームは担当者会議の議題としてベッドの移動を扱い、
自分たちで検討して決めた、という意識があることもあるだろう。
でもベッドひとつ動かすために、前もってすること山ほど有ったのよー。
※
老母の生活の中の動線のことばかり準備していて、
その間、自室はほったらかしていた。
二階に人がいないせいで、ネズミが来た。
廊下に置いていた米の袋をかじられた。
にゃろー。
ちょっと壁の向こうに足音が聞こえたら、箒の柄か何かで壁や天井を叩きまくった。
米を置いてある周りには、ネズミが嫌うというミントのオイルを撒きまくった。
そして、かじり事件直後に私が二階の生活に戻ったことも有り、
ネズミはいなくなったようだ。
※
自室にも本が増えて、生活スペースを圧迫している。
両親の本の処分に追われているというのに、私のこづかいの使い道の筆頭は、本だ。
アホか。
本の虫というのは、病だと思う。
遺伝性、と言いたいだろうが、ここは家族性という言葉を使いたい。
家族は社会の小さな単位だ。
そこに文化が有る。
文化というのは、偏りだ。
極端であれば、歪みと呼べるものも有るだろう。
本の虫という文化は家族性に受け継がれた病だと言いたい。
※
積読(つんどく)と言うか、これから読む本も既に読んだ本も、
本棚に収まりきらずに床から積み上げられている。
その積読の山がひと山だったのが二つ三つ五つ八つと増え、
そして標高も上がる。
これを本棚に収めよう。
組み立てていない本棚が一つ有るじゃないか。
と、
一つ本棚を組み立てて、その中へ山の本をどんどん詰め込んでみた。
が、本棚一つくらいでは収まらなかった。
本棚の周りは一向に片付かない。
その上、新しい本棚が在る。
※
以前より通りにくくなった部屋の入口を、さっと入る。
と、件の新しい本棚の角を、思いっきり蹴ってしまった。
特別に鋭利になっているわけでもないが、
木製の棚の角にぶつけた、足の小指の外側が、剥がれた。
靴の中で角質化してきた、小指の外側が、剥がれている。
最後のところは皮一枚で繋がっていて、ペラペラと足に残っている。
厚いところは2㎜くらいの厚さ、剥がれている。
剥がれてあらわになった部分を見ると、角質層の厚みが見える。
見ているうちに、血がにじんできた。
足の血行がこの頃良くないと思っていた。
にじんできた血は、どす黒かった。
あらちょうど良い瀉血になるわね。
とは言え、止血する。
寝っ転がって足を組み、剥がれた側の脚の膝の裏を、もう片方の膝頭で圧迫する。
こうすれば、ごろ寝しているだけで止血になるだろう。
すぐに血は止まった。
ちょっと足がしびれている。まあ、思いどおりだ。
※
靴を履くと、痛くて歩きにくい。
夏場は草履をよく履く。もともとそんなで、良かったと思う。
とっとと片付けを進めないと、
繰り返し本棚の角を蹴りかねない。
自分の動線もちゃんと考えてあげてください、自分。
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