犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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カムアウトの反応 野獣篇

2015年10月31日 | LGB&T
[あらすじ] 私は、生物学的には女性だが、性自認は女性でも男性でもなく、恋愛対象は女性。
FtXといった概念は以前は知らなかったので、20代の頃は同性愛としてカムアウトしていた。
ゲイには芸術家が多いとか、レズはきれいとかいった差別の裏返し、
今までとなにも変わらないという受け入れのように見える他人事扱いなど、ひとの反応は様々。


マンガの中だけのことと思っていたような反応も、現実にある。
まこと、事実は小説より奇なり。



よく聞かれるのは、「温泉とか銭湯とか行って、他の女性の身体、見るわけー?」
である。
見ますよ。一緒に入れば見えるでしょう。
でもご期待のようなコーフンは一切ございません。
大人だからじゃありません。

私は別に女性の裸体を見ても、いきなり性的に興奮したりしない。
いやらしい目で見ることはない。

女の裸で興奮するようじゃ、鏡ひとつ見られやしない。
私は身体的には女性で、女性として育って女性として生活してきている。
女性は女性同士が同性であるように、私にとっても女性は同性だ。
子どもの頃から、今も、友達になりやすいのは同性である女性だ。



二十歳頃、親しくしていた女友達にカムアウトしたら、会話の中で、
衣服の前をかき寄せる仕草をして、
「いやん、襲わないでよね」
と言われた。

まあ、酒を飲みながらだったし、親しかったので、このくらいは
冗談だと思わなきゃ私もいいとこ過敏だ。
「興味無えよ!」とあたたかく返事した。

しかし、オヤジに絡まれるのと同じくらい不快な冗談ではある。



やはり20代前半の頃のある日、カムアウト済の女友達が家に遊びに来ていた時のこと。
この友達には、当時付き合っていたひととの恋愛について相談したりもしていた。

部屋でゴロ寝しながらマンガかなんか読んでいた。
向こうの物を取ろうとして、ひょいと上半身を起こして、
友達の身体の向こうへ手を伸ばしたら、
「わあ!」
とよけて、「びっくりしたーー」と言う。つづけて曰く、
「襲われるかと思った」と。

なんでじゃ。
さっき、私はカノジョのことでノロケたばかりではないか。
あたしゃ野獣か?手当たり次第か?



いくら私にとって女性が恋愛対象だと言ったって、全ての女性が対象なわけじゃない。
それは、女性が恋愛対象の男性だってそうだし、男性が恋愛対象の女性だってそうだし、
自分自身のことを見てみれば、簡単にわかることだろう。

それとも、こういう反応をする女性は、「男なら誰でもいい」のだろうか?
そうではないだろう。
誰しもそうそう手当たり次第じゃないのは分かっているのに、
こと、同性愛者だとそう思ってしまうのは、なぜだろう?

自分と違って、なにか。
漠然としたこの思いが、大勢のひとから浮かび上がって集合体になると、
はっきりと差別という形になる。
が、個人や、一対一の関係の中でこの感覚を持っている段階では、
それが差別だと気付きにくいように思う。

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