犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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犬とレインボーパレードを歩くことの意味 何が問題か篇

2018年06月27日 | LGB&T
[あおもり] 6月24日の青森レインボーパレードを、飼い犬ジーロくんを連れて歩いた。


青森まで犬を連れて行ったのには、事情が有る。
何日も私が旅する間、老母85歳パーキンソン病に留守番をさせるのはちと無理が有る。
ガスコンロも安全な物に換えたし、定期巡回でヘルパーさんが毎日3回入ってくれる、
とは言え、掃除もゴミ出しも犬の水やりもできないのだから、留守番は無理だ。

だから、老母には介護老人保健施設にショートステイしてもらうことにした。
家が留守になるのだから、犬は置いて行けない。
ペットホテルはもとより考えない。
一緒に行こう。

東京レインボープライドのような大規模のパレードでは、
犬が一緒にパレードを歩くということはまず無理だ。
青森に犬を連れて行くというのは、犬と一緒に歩くチャンスと言うこともできる。



犬を連れてパレードを歩くことには、意味が有った。
ただ犬が好きだから、ということではない。

近所で犬を散歩させているような、そういう、身の周りに当たり前にいる人にも、
LGBやTがいるのだ、ということを含めたかった。

あともう一つ、言いたいことが有った。

犬の散歩仲間の間で、犬の飼い主のことを、「○○ちゃんのオトウサン」とか
「△△ちゃんのママ」とか「◎◎ちゃんのオニイサン」とか呼ぶ習慣が有る。
既婚だと「オトウサン、オカアサン、パパ、ママ」と呼ばれ、
未婚だと「オニイサン、オネエサン」と呼ばれるのだ。

私の場合、「未婚だからオネエサン」と呼ばれることになる。
そして、初対面の人からは、見た目から年齢を判断され、
年齢的に「オカアサン、ママ」と呼ばれる。

問題がたくさん盛り込まれている。
それぞれについて考えてみる前に、思い付くポイントを列挙してみる。

・飼い主とは何か。
・ママ友の間の呼び方の移入ではないか。
・「ペットは家族」か。
・「ペット」という言葉の意味は何か。
・家族制とジェンダー(性役割)。
・その中でのトランスジェンダー。

どうだろう、ただ事情が有るから連れて行ったというよりは、
私としては主張が有ったのだということが、少し見えてきただろうか。



飼い主とは何か。

私は、飼い犬のことを「ペット」とも「家族」とも思っていないし、
自分のことを「ママ」とも「オネエサン」とも思っていない。
それが、犬を連れていると「ジーロくんのママ」と呼ばれる。

ジーロの母親は、サクラという犬だ。
母親は母親としてのつとめを果たす。
全身を舐めてやり、乳をやり、安全にかくまい、
犬としての社会のルールや礼儀作法を教え、時に罰を与え、
最後に突き放して巣立たせる。
それが、犬のオカアサンだ。

飼い主は、犬の序列のさらに上に立つリーダーである。
犬を率いて、安全を確保し、餌と水を与え、清潔な寝場所を守り、運動する時間を作り、
ルールに従わなければ罰し、撫でて触って信頼に応える。
それは、飼い主である。オカアサンではない。

私は、飼い主である。オカアサンではない。

まあいいじゃないの、飼い主のことを「ママ」とか「パパ」とか呼んでいるのよ。
と言う向きもあるだろう。
しかし、どうもそういうことだけじゃないような気がする。
ママ友同士の呼び方の習慣に似ていることと、
「ペットは家族」という言い回しに潜んだ家族制の意識が引っ掛かるのだ。

つづく

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